ブラックペイント剥げ剥げの外観
1947製のHektor13.5cm f4.5
古い付き合いの上海人から、くもりがあるヘクトール13.5cm f4.5を救出した。このレンズは、ずっと売れ残っていて、おそらく買手がつかないくらいホコリとくもりがあるレンズ。上海でオーバーホール出来るよと言われたが、私はこちらでは絶対にお願いしない。中国でのオーバーホールの意味は、レンズをバラせて組み立てる事が出来るという意味であって、組み上げても精度までは保証しないという意味だからだ。北京オリンピックの一年前に日本のプロサービスから言われた話だが、中国では絶対にオーバーホールしないでくれと念をおされた。そして、その頃は北京オリンピックに向けて修理の猛特訓をしている最中だと言っていたのだ。でも、今の現行製品はカメラメーカーに出せば問題ないと思う。ただ、古いレンズをオーバーホールするのはやめた方が良い、特にライカ系は絶対にダメ。
フィルムカメラやレンズなどの機械類は、メンテナンスをしながら使うのが常識なのだが、中国人の多くはメンテナンスを嫌いケチる傾向が今でもある。なので、カメラが作動しなくなると、とりあえず作動するような修理しかしない。また、中古の機材も正規オーバーホールした物でさえ嫌う傾向が今もある。
救出したくもりがあるヘクトール13.5cm f4.5 絞り開放
オーバーホール済みのヘクトール13.5cm f4.5 1955年製 絞り開放
くもり無しの綺麗なテレエルマー135mm f4 1986年製 絞り開放
くもりがあるヘクトールとOHしたヘクトールを撮りくらべてみると、くもりのある方はやはりコントラストが低くピント面のエッジはやや鈍いが、ボケはかなりソフト。また、くもりの影響でローコントラストフィルター(ムービーで使うフィルター)のNo.1を入れたような描写になるので、このまま使えない事はない。そして、トーンカーブでコントラストを上げればとても良い雰囲気に仕上がる。
ついでにテレエルマー135mm f4もあるので、同じ場所から撮影したのが最後の画像。これは他の二本より設計が新しいので、コントラストは高くピントのエッジも他の二本より立っているが、現代のデジタル用に設計されたレンズのように硬くない描写は好感が持てる。
☆どのレンズも前玉を外しビゾアダプターを使ってGFX50Rで使用。この時の撮影状況は、北側の小さな窓から入ってくる光なので相当ソフトでベタな光。
☆カメラはGFX50Rでホワイトバランスはデイライト RAWで撮影し現像はC1を使用。プロファイルはプロネガスタンダードでそのまま現像。
☆レンズの画像は、X-H1+Super-Takumar50mm f1.4 f4で撮影
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