Le Garcon Chinois Shanghai 2011年
13年前の画像を発掘。ここは、ル ギャルソンシノア上海。閉店後に鉄観音茶を飲みながらパイプを楽しんでいるのは、この店の有名な中華の料理人と奥は作家志望のアルバイト。店内はスロージャズが流れとても心地良い時間が流れていた。この上海の店は再開発で立ち退き、今は高知の菜園場で「ル ギャルソンシノア」として営業中。この上海の店は、国境を超えて様々なジャンルの作家たちが集まるとても良い場だった。今の上海でこのような店があるのかどうか知らないが、コロナ後の今はおそらく消滅したかも知れない。
2月3日に私が上海に戻り、元アシスタントのスタジオに映像関係者4人が集まり酒を呑みながら、その中の若い超売れっ子CM動画編集者の個人作品を観た。それは、四川大地震後のドキュメントで、彼が自分一人で撮影し編集したもので、当時は崩れかけた豚小屋の横にテントを張り寝泊まりしながら撮影した作品だ。これは一家族を追ったドキュメントで、とても良く出来ていて感心してしまったのだ。彼は今、CMの動画編集がメインの仕事だが、彼自身は演出のない動画を制作したいのがホンネ。こんな時、様々なジャンルの職種や人種の人がいると、さらに様々な意見が聞け言える場になっただろうな。コマーシャル一辺倒で仕事をして生きていくと金は貯まるが、そのクセが抜けず自分が本当にやりたい事を見失うので気をつけた方が良いと彼にアドバイス。日々の刷り込みや染みついた垢は、歳をとれば取るほど落とせないからね。そういう意味でも、2月3日はとても有意義な夜だった。
日本も含めこちらでも、今の若い人達は様々な事で悩んでいる人達が結構多いが、ホンネでストレートに話せる場と話せる相手が少ないのかも知れない。日本でも部下を怒ると会社を即辞めたり何とかハラスメントで訴えられるので、お互いにホンネが言えない息苦しい社会になってしまった。当たらず障らずの予定調和が漂う場では、誤解曲解が生まれ新しい事は何も生まれないし、新しい発見はない。
☆この日、黒澤明の「七人の侍」を観たが、これはデジタルリマスター版だった。デジタル処理する事は否定しないが、コントラストを上げシャープネスが強いので、当時のモノクロの良い雰囲気が全くない。これを制作した人って、多分若い人で本当のモノクロ動画を知らない人だろうな。以前、ジョージア(グルジア)のカラー映画「ピロスマニ」のデジタルリマスター版を渋谷で観た時もまったく同じで、オリジナルの方が数倍よかったのを思い出す。一言でいうと、デジタル処理時のツボを外しているのだ。
☆この頃はCanonのデジカメを使い、レンズは古いCanon FD50mm f1.4+補正レンズ付きアダプターがメインレンズだったが、カメラをミラーレスに変えて今は卒業。でも、古いレンズ使いは今も私のスタンダード。
同感です。昔の海外ドラマでも、
処理前のを観て、このままでいいじゃない?
って思います。
メリハリパキパキもいいですが、しっとりもやっとして
湿度を感じる画面も好きです。
今回のアメリカアカデミーショーにノミネートされた作品の中で44作品がコダックのフィルムで撮られた映画だったそうです。
まぁ、これは古い時代背景の映画なので、おそらくフィルムを使って撮影されたのだと推測します。
また、その画面をみると古いレンズも使っているようです。
最終的には、デジタル変換されてますが、そのデジタル処理で余計な事をしないのがとてもセンスが良いですね。
中国でも、映画を撮影する際はデジタル撮影ですが、時代背景に合わせてCanonのFDやマミヤのレンズを使っている作品も多いです。