午前中の西宮商工会議所・納税協会・青年会議所・貿易協会主催の
新年名刺交換会に出席して、ただいま事務所に戻ってきました。
しかし、来賓の方々の挨拶にも、キャラクターが出ますな。
うまい下手も含めて、もちろん、人によっても趣味・好みはあるのでしょうが、
ああゆうところで、多くの方に聞かせる話を出来る方というのは、
そうはいないなと感じます。
場をわきまえた、タイムリー、かつ、その場の人たちに聞かせる話ができる
自分になりたいものです。
さてさて、年末の日記の続き、一般質問のご報告です。
たまってる分、ハイペースで行きまっせ~。
多分、過去最長。
長い日記ではありますが、ここ、とっても重要なポイントですし、
出来るだけ分かりやすくまとめたつもりでいますので、ぜひ、お付き合いください。
それでは、早速はじめます。
なお、赤字が私の質問と意見など。
青字が、お役所の答弁です。
(澁谷)
三次総で示した財政フレームが現実と大幅に異なったことについて、
どうお考えか?
また、大幅に異なったという事実を踏まえることなく、
経済学的な常識にも反して「計量経済学的手法」による財政予測を行ったことの
正当性について、どうお考えか?
(市役所)
第3次総合計画における財政フレームにつきましては、
当時得られる最新のデータを基に、2.5%のGDP名目経済成長率を見込んで、
計量経済学的手法により推計を行っております。
(いや、だから、「2.5%のGDP名目経済成長率を見込ん」だのが、
おかしいといってるのですが。。。
しかも、それに対する反省の弁は、まったくなしかよと。)
第3次総合計画は、
~ここらへん、予測が大幅に外れたことの言い訳。
あまり中身もないし、むやみと冗長で退屈なので割愛します。~
財政フレームと大きく異なる状況となったものと考えております。
次に、計量経済学的手法による財政予測についてでございます。
第4次総合計画における財政的な枠組みにつきましては、
可能な限り計量経済学的手法を用い、必要に応じて積上げ方式で補完して、
予測を行っております。
ご指摘のマクロ計量モデルには、短期予測を行うモデルもあれば、
長期予測を行うモデルもございます。
(↑ここ↑、確実に「マクロ計量モデル」の意味をきちんと理解せずに言っています。
詳しくは、下で説明します。)
また、「長期予測に適さない」という点ですが、それは、予測期間における
GDP名目経済成長率などの変数について、中短期的な見通しは出せても、
中長期的な予測は難しいことから言われているものと考えられ、
(・・・いや、それが分かるのなら、マクロ計量モデルで長期予測が
できないことも分かるはずなのですが。。。
苦しい理屈やなと。。)
その点は直近の数値をGDP名目経済成長率などの率で伸ばす
積上げ方式におきましても同様でございます。
したがいまして、予測にあたりましては、当然に国の中短期見通しに
おける経済成長率で10年間の予測を行ったものです。
これは、計画の妥当性あるいは整合性といった観点から、
基本構想が示す10年後の西宮の姿を実現するための具体的な事業、
施策について、大枠を市民にお示しする必要があると判断したことに
よるものでございます。
また、長期予測におきましては、短期予測に精度が高いとされる
積み上げ方式とは異なり、過去の長期に亘る傾向を可能な限り
正確に把握する必要があり、それは計量分析でしかできないことから
計量経済学的手法を用いているもので、この手法により
10年間の財政見通しを行ったことは適切であったと考えております。
(ここらへんは意図的な議論のすり替えっぽいですな。
○積み上げ方式が長期予測に向かないことと、
○「計量経済学的手法」で長期予測を行うことの妥当性
とは、また別の議論なのですが。。。)
といった議論を踏まえての、再質問と、それに対する答弁です。
計量経済学的手法による長期予測について、
「短期予測を行うモデルもあれば、長期予測を行うモデルもございます」
という、ご答弁でした。
長期予測を行うモデルはあるかもしれませんが、
長期予測に適正な結論を出せるマクロ計量モデルは存在しません。
マクロ計量モデルが長期予測に適さない理由について
「GDP名目経済成長率などの変数について、
中長期的な予測は難しいことから言われているものと考えられ」る
という答弁がありましたが、もう一つ、重要な理由があります。
それは、マクロ計量モデルが持つ
「関係する変数を繰り返し掛け算する数式が基本に据えられており、
変数の小さな違いが結果を大きく狂わせる」という特性にあります。
例えば年利8%で100万円を預けると10年後には199万円、
ほぼ倍になって返ってきます。
単純に計算すると8%の10倍で180万円になりそうなものですが、
複利で増えていくため、約20万円も多くなってかえってくるのです。
マクロ計量モデルにおいても本質的には、これと同じことが起きます。
つまり10年もの長期で算出すると、
少しの変数の違いが、非常に大きな違いを生み出すのです。
「この手法により10年間の財政見通しを行ったことは適切であった」
とお答えになられる以上、こういった基礎的な内容については
当然、理解しておられたことかと思いますが、いかがでしょうか?
計量経済学的手法についてお答えします。
毎年累乗することにより、10年間での差が大きくなることにつきましては
認識しております。
(ま、そう答えますわな。
でも事前に打合せしていたときの感触からは、明らかに
「知らなかった」or「理解していなかった」としか思えなかったのですが。)
しかしながら、累乗するという点では、積み上げ方式でも同様でございます。
(繰り返しになりますが、積み上げ方式が長期予測に向かないことと、
「計量経済学的手法」で長期予測を行うことの妥当性は、別の話です。
これ、典型的な議論のすり替えですな。)
総合計画におきましては、計画の妥当性あるいは整合性といった観点から、
基本構想が示す10年後の西宮の姿を実現するための具体的な事業、施策に
ついて、大枠を市民にお示しする必要があると考えております。
(これも???。
百歩譲って「大枠を市民にお示しする必要がある」としても、
実際問題として過去10年間を対象とした三次総では、
「10年後の西宮の姿を実現するための具体的な事業、施策」
を掲げまくった挙句、実施できなかった事業、施策がてんこ盛りという
結果になりました。
「掲げたにも関わらず、実現できなかった計画が山盛り!」
という現実に対する責任をどう考えるのか?という視点が、
この答えには完全に欠けています。
それにしても、個人的には、これほど時代の流れが速い昨今、そんな出来もしない
「具体的な事業や施策」を掲げること自体、ナンセンスとしか思えないのですが。)
そのためには、予測期間が長くなればなるほど、多様な変化が数多く生じ、
予測と結果が合わなくなる率が高まるということはありますが、
計量経済学的手法以外に適当な手法はないと考えております。
ちなみに、ここらへんの質疑に関連する内容として、以下の質疑も行いました。
こちらも長いですが、ご覧下さい。
(澁谷)
現在の経済情勢・過去の実績推移・その他の外部要因も踏まえて、
「投資的事業などに当てることのできる普通会計上の一般財源・915億円」
という数値は適正であり、達成可能なものだと、お考えか?
(市役所)
計画の策定にあたりましては、まず、人口や財政といった
基本的な枠組みを定める必要があります。
第4次総合計画における財政的な枠組みにつきましては、
平成18年度末から19年度当初にかけて策定したものであります。
経済成長率は、枠組みを策定した時点で示されている
国の経済見通し等に基づいたGDP名目経済成長率を用い、
また、将来人口推計の結果を基に、それらを踏まえて、
計量経済学的手法を用いて推計したものであります。
(いや、だから、そのときの状況と今の状況とは全く違うし、
その手法にも問題があるという指摘を再三行っているのですが。)
したがいまして、915億円は根拠のある数字であり、
財政的な枠組みとして妥当であると考えております。
(すげー、言い切った。
私なら、恥ずかしくて、とてもこうはいえません。)
しかしながら、現在、世界的な金融危機の中で、
実体経済にもその影響が及び出し、
景気の先行きは予断を許さないものとなっております。
こうした情勢を考えた場合、
915億円について確保ができないことも予測されるところです。
(て、どっちやねん!という感じですな。)
(澁谷)
「915億円は根拠のある数字であり、財政的な枠組みとして妥当である」
としながら、その後段で「915億円について確保ができないことも予測される」
という、ご答弁でした。
マクロ計量モデルが長期予測に適さない理由については、
縷々申し上げてきましたし、現に同じ手法を用いて算出された三次総において
大幅な見込み違いが生じたという事実も指摘しました。
改めてお聞きします。
こういった点を踏まえた上で
「915億円は根拠のある数字であり、財政的な枠組みとして妥当」
だとお考えでしょうか?
答弁の中で、三次総の見込みが現実と大幅に異なったことについての
説明はありましたが、同様の手法を四次総の策定に際しても
用いたことについての考えは、特に述べられませんでした。
その点も含めて、お答えください。
(市役所)
上の内容の繰り返し。
三次総の反省については言及なし。
暖簾に腕押し、ぬかに釘とは、これかいな、と。
で、まあ、これ以上は、なにを言っても仕方がないので、
質疑の内容を踏まえての意見です。
「計量経済学的手法」による長期予測について
「同じ手法を用いて作成した三次総において8年間で
1100億円もの見込み違いが発生した」
ことを指摘しました。
また質疑の中で
「GDP名目成長率など関係する変数の長期予測は難しい」
「毎年累乗することにより、10年間での差が大きくなることは認識している」
「予測期間が長くなるほど、予測と結果が合わなくなる率が高まる」
という認識を示した上で
「計量経済学的手法以外に適当な手法はない」
と答弁されました。これ、素直に考えて、
「計量経済学的手法以外に長期予測に適当な手法はない」ではなくて
「計量経済学的手法こそが長期予測に適当でない」
という結論に結びつくべきではないかと思うんですけどね。
ここまで仰っていることは
「計量経済学的手法の方が、積み上げ方式よりは
長期予測に向くんじゃないかと思っています」
という当局の主観的な思いを述べているだけでしかありません。
そもそも、なぜ、ここまで財政の大枠を示すことに
こだわっているのかが理解できません。
実際、総合計画においては、財政の具体的な数字を算出していない
自治体も多数存在するのですが。
ここが、一番分かりやすい意見の相違点のご報告です。
ややこしい話ですいませんが、要は
「役所が提示している財政の長期予測は、あまりに楽観的過ぎるし、
その算出方法も恣意的すぎる。」
ということを言いたかったということです。
ほかにも話はありますので、その続きは、また後日。
できるだけ、分かりやすくお伝えするべく頑張りますので、お付き合いください。
それでは失礼致します。