二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

学問は人を変える  ~『言志四録』より~

2009年03月23日 | 言葉のちから 心のちから
なぜ人は一生勉強なのか。
なぜ人は、常に学びの精神、向上心を持ち、学問を行わなければいけないのでしょうか。

【訳】人が天から受くる氣は、その厚いと薄いと分け与えられている分量はだいたい同じようなものである。

身体の大小、寿命の長短、力の強弱、心の賢愚といったものは、誰でもそれほど大きな差があるわけではない。その間に、特に一箇所厚いところを授けられた者があれば、人々はみな、これを非凡という。

この非凡なる者はしばらく問題の外に置いておこう。すなわち普通の人にあっては、身体の大きさや寿命の長さや力の強さの分け前はどうすることもできない。

しかし、心の賢さや愚かさについては、学問によって変えることができるのである。

『佐藤一斎 一日一言』


『言志四録』とは、幕末の儒者”佐藤一斎”の42歳から82歳までの語録で、四篇、一一三三条からなる名語録です。

佐藤一斎は、昌平坂学問所の儒官でした。今でいう大学教授の役職にあったそうです。

私の好きな人物である、西郷隆盛さんもこの書物を愛読しており、特に心に響いた一〇一条を抜き出し『手抄言志四録』を編纂し、自らの指針としたのみならず、西郷さんの私学校の青年たちにこれを講説したほどの書物です。

先祖、先輩が人生の中で悩み、問いかけ、創造し、反省し築いてきたものが古典であり、語録です。人は皆ちがった境遇とはいえ、先に生きた方々が弛まぬ努力で築いてきた人生のエッセンスには、「今」の自分の人生において必ず共通する、共感するところがあると思います。

それを学ばなければ人生において一歩も二歩も違ってくるんでしょうね。そして、その書の中に流れる真理を生活において実践すること、それが本当の学問であると私は思っています。

二葉鍼灸療院 田中良和
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