これもあまりカエデらしからぬ、長楕円形の葉を持つカエデです。
一見、クマシデの葉に似ていますが、クマシデに比べると、葉はかなり疎らに付きます。
しかし、ヤマシバカエデと呼ばれるのも、多分この葉がカバノキ科クマシデ属のサワシバに似ているからでしょうね。
この葉は黄葉の後、枯れ葉となっても落葉せず、春になるまで枝に残ります。
山では主に谷筋などで見られるカエデです。
ヤマシバカエデ<カエデ科 カエデ属> 別名チドリノキ
何にでも例外があるもので、葉がハート形をしたカエデです。
普通のカエデのように掌形にはなりません。
葉はすこし傷んでいました。
ハウチワカエデやイロハモミジの赤もいいのですが、この黄色いハートもよく見るとなかなか素敵です。
ただ語源の蛙手⇒カエデからすると、これは例外中の例外ですね。
ヒトツバカエデ<カエデ科 カエデ属> 別名マルバカエデ
山地に生える楓の内、かなり高木となる品種で、高いものでは20㍍に達するものもあります。
葉の大きさや裂け方は変異が多く、専門的には多くの品種に分類されていて、イタヤカエデと呼ばれるのは
北半球に広く分布するイタヤカエデ亜種の総称です。
一般的な特徴として、葉が5~9裂で、各裂片の先端は鋭く尖り、鋸歯(ギザギザ)がなく、全縁のものを
イタヤカエデとします。
樹皮は老木になると浅く裂けますが、材の堅いものは建材・家具・楽器に利用される他、樹液はタバコの香料
などに使われています。
イタヤカエデ<カエデ科 カエデ属>
紅葉の鮮やかさから単にモミジと言えば、このイロハモミジを指すほど日本の紅葉を代表する木です。
葉は5~7裂していますが、裂片が7つのものが多く、数えるのに「イロハニホヘト」と数えたところから
この名が付けられたそうです。紅葉の名所、京都の高尾山の名をとって高尾楓とも呼ばれます。
10月末~11月末に鮮やかな紅葉を見せますが、ごく稀に黄葉となるものもあります。
イロハモミジ<カエデ科 カエデ属> 別名イロハカエデ・タカオカエデ
一見、遠くから見ると街路樹としてよく植えられているトウカエデと間違いそうですが、
近畿地方に限ってみると、自生しているものは、滋賀県の一部でしか見ることのできない珍しいカエデです。
「花の木」という名前の由来は、美しい紅葉からではなく、4月頃、葉が出る前に真紅色の花が咲き、
特に雄花が多数集まって付く姿が美しいことからこの名があります。
湿地的環境に生える植物のため、環境変化による自生種の減少が心配され、
国の天然記念物に指定されている他、環境省RDBの絶滅危惧種Ⅱ類に指定されていますが、最近では
公園や公共施設などで植栽されているものもあります。
ハナノキ<カエデ科 カエデ属> 別名ハナカエデ