NOBODY

夏休みだし読書だわっ！ということで話題の児童書を購入。パチパチ！
『きみはなぜ生きているのか？』中島義道・著ざんす。
同じような中高校生向け哲学案内の『ソフィーの世界』は読むのにえらく時間がかかったけど、こちらは60分で読めます（＾＾）

哲学といえば高校の授業を思い出します。倫理社会は理系志望の僕りんにとって正直どうでもよかった授業ですが、「よっぱ」というあだ名の先生が魅力的でそこそこ熱心に聴き、「ああ、大学生になったらこういう講義を選択するのも悪くないなあ」と思ってました。


主人公のクライくんのような学生（あるいはバブルの亡霊のような人）がいたらぜひ読んで欲しいのだけど、親に「読みなさい」と押し付けられるのではなく自分から読まないと意味ないんだよなー。
大人たちの欺瞞を非常に分かりやすく書いてあるので、部屋から外に出られなくなってしまった少年たちの心にきっと響くことでしょう。

ほとんどの大人は、海外旅行へ行き、高級車に乗ることが人生のプレミアムだという観念から逃れられずに、自分の宝物を見つけること無く一生を終える。収入の為にしたくもない仕事をして、稼いだお金を「みんながうらやましがると思われる」ものに遣い、安定した生活を不安定な心で暮らし、老いてゆく。「人は誰でも必ず死に、世の中はとてもあやういものだ」ということから目を背けながら。