読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

「太陽のパスタ、豆のスープ」宮下奈都

2013-04-16 21:43:16 | 小説
今回ご紹介するのは「太陽のパスタ、豆のスープ」(著:宮下奈都)です。

-----内容-----
結婚式直前に突然婚約を解消されてしまった明日羽(あすわ)。
失意のどん底にいる彼女に、叔母のロッカさんが提案したのは”ドリフターズ・リスト”(やりたいことリスト)の作成だった。
自分はこれまで悔いなく過ごしてきたか。
相手の意見やその場の空気に流されていなかっただろうか。
自分の心を見つめ直すことで明日羽は少しずつ成長してゆく。
自らの気持ちに正直に生きたいと願う全ての人々におくる感動の物語。

-----感想-----
結婚式の直前に突然婚約を解消される。。。
実は以前、ブログ友達が似たような記事を書いていたことがありました。
ブログ友達の弟さんが「結婚」に対してナーバスになってしまったらしく、幸い婚約を解消するような事態にはならなかったものの、ちょっと混乱があったようです。
なので「結婚式直前に突然婚約を解消されてしまう」という一見とんでもないような話が「意外とあり得るのかも…」とも思い、興味を持ったので読んでみることにしました。
最近注目している宮下奈都さんの作品というのもあります。

物語の主人公は、明日羽という20代後半のアラサー女子。
突然婚約を破棄されて失意のどん底にいる彼女に、叔母の六花(ろっか)さんが勧めてきたのが「ドリフターズ・リスト」の作成。
ドリフターズとは「漂流者」という意味とのことで、ドリフターズ・リストとは漂流する者の指針になるリスト。
茫然自失状態の明日羽には、そういった「やりたいことリスト」が必要だと叔母のロッカさんは考えたようです。
お笑いのほうのドリフターズをもじっての二人のやり取りはちょっと面白かったです。

あまり乗り気ではないながらも明日羽が作成したリストとともに、物語は進んでいきます。
そのリストに沿い、引っ越しをしたり、髪を切ったりしていく明日羽。
リストはちょくちょく書き足されたり削除されたりして変わっていきます。
その過程で色々なことが起き、どん底にあった明日羽の気持ちも少しずつ変わっていきました。

幼馴染みの美容師・京(きょう)に髪を切って貰ったり、京と一人暮らしの料理対策で「鍋」を買いに行ったり。
その京に紹介して貰った美容エステに行って、そこに現れたオーナー兼エステティシャン・桜井さんの気品高さや優雅な立ち居振舞いに圧倒されたなんてこともありました。

それと、何と言っても忘れてはならないのが、叔母のロッカさんの存在。
たびたび明日羽の前に現れては、その突拍子もない言動で明日羽を振り回していました。
でもこの飄々とした感じのロッカさん、一見何も考えていないように見えて、実は明日羽のことをよく見ていてくれました。
夕御飯をご馳走になるのが目的で明日羽のアパートに来るような日も度々でしたが、何気なく明日羽の話を聞いているようでいて、その実親身になって考えていてくれたと思います。
「あすわー、いるー?」とアパートの部屋を訪ねてくるのが作中恒例行事のようになっていました(笑)

---------------
「あのさ」
ドアを押して出ていきながらロッカさんが言った。
「がんばらなくてもいいんだけども」
「うん」
「あんたは自分で思うよりがんばってるよ」
「そうかな?」
「……たぶん」
どうせなら断言してよ、と思ったときにはもうドアは閉まっていた。
---------------

とかのやり取りも良い感じでした。

失意のどん底にいた人が、再び気力を取り戻していく物語。
文体も等身大で、心の中で思っていることをそのまま吐露している感じでした。
それが明日羽の悩める心そのもので、とても分かりやすく、読んでいて色々共感するものがありました。
全く何も悩まない人はほとんどいないでしょうし、多かれ少なかれ人は何かしら悩むもの。
明日羽の場合は一度失意のどん底まで行ったのですから、立ち直るのは容易なことではありません。
そこから再び前向きになるまでが丁寧に描かれていて、「頑張れ!」と声援を送りたくなるような、そんな小説でした。


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期間限定ミラノサンド

2013-04-14 23:32:14 | グルメ


写真は「ドトール」の期間限定ミラノサンド。
「エビ・ツナトマトと半熟タマゴ」というサンドです。
私は生トマトがあまり好きではないのでどうしようかと思いましたが、メニューの写真を見たらとても美味しそうだったので頼んでみました。



食べてみたら、予想どおりとても美味しかったです
半熟たまご、ツナ、エビ、トマト、レタスという組み合わせが最高に良かったです。
生トマトはツナに練り込まれている感じでした。
なので生トマトが苦手な私でも全く問題なく食べられましたね。
やはりツナはパンに合うなと思います
そこに半熟たまごやコロッとしたエビがアクセントになっています。
美味しいミラノサンドだったのでまたそのうち食べてみたいと思います

「メロディ・フェア」宮下奈都

2013-04-13 20:33:55 | 小説


今回ご紹介するのは「メロディ・フェア」(著:宮下奈都)です。

-----内容-----
大学を卒業した私は、田舎に戻り、「ひとをきれいにする仕事」を選んだ。
けれども、お客は思うように来ず、家では妹との溝がなかなか埋まらない―
いま注目の著者が、迷いながらも、一歩ずつ進んでいく若い女性を描いた、温かく軽やかな物語。
明日、笑顔になれますように。
書き下ろし番外編を収録!

-----感想-----
というわけで、「スコーレNo.4」の流れから興味を持った宮下奈都さんの小説。
ちょうど「メロディ・フェア」が平積みされているのが目に留まり、こちらも読んでみることにしました。
※「スコーレNo.4」のレビューをご覧になる方はこちらをどうぞ。

今作の主人公・小宮山結乃(よしの)は、福井県にあるショッピングモールの中にある化粧品会社のカウンターで働く社会人1年目の女性。
当初彼女の希望は「花形」とされるデパートの一階フロアの化粧品カウンターへの配属でしたが、そうはなりませんでした。
しかも配属されたショッピングモールの化粧品カウンターはあまりお客さんも来ず、パッとしない場所。
そんなわけで当初の理想だった「花形」とは程遠い暇な日々を送っていました。
「ショッピングモールとデパートでは客層がまるで違い、モールのお客さんは小さい子ども連れの家族やお年寄りがメインで、化粧品カウンターを目当てにモールへ来るお客はあまりいない」という彼女の分析はたしかにそうかも知れないなと思いました。
ただ一緒に働く先輩の馬場さんという人は結乃の5倍の売り上げを誇る「凄腕」でお客さんからの信頼も厚く、極端にお客が少ないわけでもないようです。
それとこういった職場で働く美容部員を「ビューティーパートナー」と呼ぶのも初めて知りました。

この結乃がビューティーパートナーとして働きながら出会う、色々な人達。
毎日夕方になると現れてスツールに座りこんで、何も買わないのに一人で喋り倒していく浜崎さんというガサツな感じのおばちゃん。
化粧にも全く興味を示さない人でした。
その彼女がある日、「あかるい口紅がほしいんや」と結乃に相談してきたことがありました。
この浜崎さんに似合う口紅を選ぶエピソードはなかなか良かったです。
結乃も「口紅一本がひとを支える」という気持ちが沸き立ち、少女の頃から大切にしてきた「口紅が好きだった」という思いを再認識するのでした

それからカウンターには寄らないのに、毎日鉄壁のメイクをして化粧品カウンターを睨みつけるように歩いてくる謎の女性が、ある日結乃に話しかけてきたこともありました。
その凄まじいメイクぶりから結乃が彼女のことを「鉄仮面」と呼んでいたのはウケました(笑)
鉄仮面のようなメイク、どんなものなのでしょうかね
実はこの人の正体が意外で、物語の重要な人物になっていました。
「化粧」とは何なのかを考えさせる人でもありましたね。
結乃は彼女のことを心の中で「そこまでメイクで武装しなくたって…」と評していました。

そして、妹の珠美(たまみ)との溝。
なぜか化粧を嫌い、結乃の「ビューティーパートナー」という職業にも良い顔をしない珠美。
一見わだかまりが消えて仲良くなったかと思いきや、化粧の話が絡むとまたすぐにギクシャクしてしまうんですよね。
珠美がなぜ化粧を嫌い頑なにスッピンにこだわるのかは興味深かったです。

結乃の働くショッピングモールで毎日17時20分になると流れる「メロディ・フェア」という曲。
「Who is the girl with the crying face
Looking at millions of signs」
作中でたびたび登場するこのフレーズ、興味を持ちました。
物語的にもこれが流れると早番の先輩・馬場さんは先に職場を上がり、また誰かしら印象的な人物が登場したりと、「節目」的な役割を果たしている曲でした
そして物語の一番最後に登場した「メロディ・フェア」。
この使い方が素晴らしく上手かったです
てっきり作中で何度も登場するから「メロディ・フェア」というタイトルにしたのかと思いましたが、ラストのページで一気に印象が変わりました。
そうか、ここで登場する「メロディ・フェア」を生かすために作中何度も「メロディ・フェア」が流れていたのかというくらい、見事な終わり方だったと思います


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「幻想郵便局」堀川アサコ

2013-04-12 22:12:20 | 小説


今回ご紹介するのは「幻想郵便局」(著:堀川アサコ)です。

-----内容-----
就職浪人中のアズサは「なりたいものになればいい」と親から言われてきたけれど、「なりたいもの」がわからない。
特技欄に”探し物”と書いて提出していた履歴書のおかげでアルバイトが決定。
職場は山の上の不思議な郵便局。
そこで次々と不思議な人々に出会う。
この郵便局には、あなたの失くした物が届いてる。
生きることの意味をユーモラスに教えてくれる癒し小説。

-----感想-----
「ブクログ文庫本ランキング、読書メーター読みたい本ランキングダブル1位」と書かれた帯、さらに装丁がとても綺麗だったことから読んでみたくなり、手に取った一冊です。

山の上にある「登天(とうてん)郵便局」を舞台にした、とても不思議な物語。
安倍アズサはある日そこで働くことになったのは良いものの、出てくるのは不思議な人ばかり。
そして同時にとても心温まる雰囲気です。
かと思うとミステリーの要素もあり、なかなか読み応えのある物語です。

「あの辺りに、死んだ人が行く郵便局があると、聞いたことが…」

「登天郵便局は、とどのつまりは地獄の一丁目」

これらの言葉からも、登天郵便局が普通の郵便局ではないことが分かります。
郵便局とは似て非なるものであって、少なくとも現世の生活に必要な場所ではないとのことです。
冥界と現世の境界に建っていて、この世とあの世をつなぐような役目を持っています。
山のてっぺんという不便な場所にあるのもそのためのようです。

そんな不思議な場所で出会う、何とも不思議な人々。
そして不思議な人々が織り成す、面白く心温まる、時にミステリアスな物語。
登天郵便局には死んだ人が来るのはもちろんですが、たまに生きた人が来ることもあります。
登天郵便局を「本当に心から必要」と思った場合には、生きている人でもたどり着くことが出来るようです。

作品に登場してきた人物との唐突な別れもありました。
元々死んでいる人が成仏していった場合もありますし、生きている人とのまさかの別れもありました。
それらは爽やかなようで、やはりちょっと寂しくもあって、「成仏」を通して人の命について考えさせられました。

そして物語の最初から最後まで絡んでくる、「怨霊」の島岡真理子さん。
真理子さんは平成七年に起きた殺人事件で殺された「怨霊」のため成仏することが出来ず、登天郵便局に来ても毎回追い返されてしまいます。
その真理子さんがなぜかアズサのことを気に入ってしまい、つきまとわれることになるのですが…
真理子さんが殺された殺人事件は未解決のままで、迷宮入りしてしまっています。
アズサのほうも真理子さん殺人事件に興味を持ち、当時のことを色々と調べたりします。
登天郵便局での面白おかしく心温まる物語と同時に進む、真理子さん殺害の真相の追及。

やがてクライマックスでまさかの人物によるものと分かるのですが、本当に不思議な物語だったなと思います。
片や登天郵便局という現実離れした場所で心温まる物語が繰り広げられたり、片や殺人事件の真相追及という物凄く現実な要素が絡んできたり。
何とも不思議で面白い、素晴らしく読み応えのある作品だったと思います


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格の違い

2013-04-11 19:50:05 | 政治
最近北朝鮮の暴走、ミサイル発射問題を受けて北朝鮮のニュースが増えていますが、同国を巡ってはもう一つ「拉致問題」という重要な問題があります。

それは昨年の秋、当時の野田佳彦首相が内閣改造をした時のこと。
それまで拉致問題担当大臣であった松原仁氏が解任されるという驚くべき人事がありました。
松原仁氏は反日左翼思想な人ばかりの民主党ではかなり珍しいまともな議員さんで(民主党にはほとんどいないです)、北朝鮮の拉致問題にも初期の頃から真剣に向き合ってきた人です。
その松原仁氏を拉致問題担当大臣から外したのを見て、私は野田佳彦首相は拉致問題と真剣に向き合う気はないと感じました。
おそらく拉致被害者家族会の方も失望したのではないかと思います。

そこから衆議院の解散、そして衆議院選挙を経て、安倍晋三首相率いる新政権が発足しました。
安倍晋三首相は全政治家の中で最も拉致問題の解決に積極的な人で、まず拉致問題担当大臣に古屋圭司氏を起用。
古屋圭司氏もまた安倍晋三首相や松原仁氏らと同じく、初期の頃から北朝鮮の拉致問題に真剣に向き合ってきた人です。
そしてその後安倍晋三首相は拉致問題解決に向けて、党派を超えた専門チームを結成。
そこに松原仁氏の名前がありました。
これを見て私は野田佳彦氏と安倍晋三氏の格の違い、拉致問題解決への本気度の違いを実感しました。
特に問題も起こしていないのに松原仁氏を切った野田佳彦氏と、党派を超えて松原仁氏を招き入れた安倍晋三氏。
どちらがより拉致問題と真剣に向き合っているか、誰の目にも明らかです(鳩山由紀夫氏と菅直人氏の二人はもはや論外)。
この拉致問題ひとつを例に見ても、日本のテレビや新聞の反日左翼マスコミが言う「首相は誰がやっても同じ」というのは大嘘で、誰がやるかはとても重要なのを如実に示していると思います。

暴走する北朝鮮

2013-04-10 20:20:15 | 政治
最近、北朝鮮の暴走が止まらなくなっています。
過激な言動は日々エスカレートする一方です。
アメリカを火の海にするだの、日本も攻撃対象だのと、かつてないほどド派手に暴走していますね
今日は日本に対して「東京、横浜、大阪、名古屋、京都」の地名を具体的に出して、「戦場になる」などと恫喝をかけてきました。
また日本はもちろん、グアムのほうまで射程に収めるという中距離弾道ミサイル「ムスダン」をいつ発射してもおかしくない状況と見られています。
なので日本政府も警戒を強め、万が一の場合に備え小野寺五典防衛大臣が自衛隊に破壊措置命令を出しています。

ちなみにいくら何でも本気で戦争を仕掛ける気はないとは思いますが(戦っても勝ち目がないため)。。。
ミサイル自体はかなり高い確率で打ってくると思います。
なぜかというと、これだけド派手に暴走してしまっては、今さら引っ込みがつかないからです。
いわゆる「メンツが潰れてしまう」というやつで、もはやミサイルを打つ以外に選択肢がないというのが実情ではないかと思います。
金正恩(キム・ジョンウン)第一書記の親父さんを上回るような暴走ぶりには困ったものです。

日本にとっては迷惑以外の何者でもなくて、日本の上空をミサイルが通過する場合が一番困りますね。
しかも今回は前回の「人工衛星と称する事実上の長距離弾道ミサイル」の場合と違ってどのようなコースで飛ばすかが分からないのでなおさら厄介です。
部品が落ちてきたり、下手をするとミサイル自体が墜落してきたりといった可能性がゼロではない以上、万全の体制を敷く必要があります。
幸いなのは首相が危機管理に強い安倍晋三首相、防衛大臣もいつぞやの民主党田中直紀氏のような「素人大臣」ではないことで、この点は本当に良かったと思います。
いつミサイルが発射されてもおかしくない状況なので引き続き警戒に努めてほしいと思います。

色んな育児

2013-04-09 22:47:44 | ウェブ日記
ここのところ、ブログ友達にちょっとした出産、育児ラッシュが起きています。
1歳8ヵ月の息子さんを育てるお母さん、1歳5ヵ月の甥っ子さんの育児に協力するお姉さん、1歳1ヵ月の娘さんを育てるお母さん、つい先日娘さんを出産されたお母さんなどです。
育児の形態は2通りで、専業主婦として育児に専念されている方、保育園にお子さんを預けて復職される方に別れています。
皆さんブログやツイッター等で情報発信されていて、奮戦ぶりが伝わってきます。
そんなわけで「育児」についてちょっと思いを巡らせている今日この頃です。

上記2通りの育児ですが、両方とも苦労があるなと思います。
まず専業主婦として育児に専念されている方は、体力的に大変そうというのが一番にあります。
育児日記を見ているとワンパクな息子さんを微笑ましく思いつつ、ワンパク過ぎて手を焼いている様子が伝わってきます。
1歳8ヵ月の男の子、日々色々なものに興味が出てきて男の子らしく遊びも活発になっていくので、面倒を見るほうはかなり大変そうです。
これからはさらに体力勝負になりそうだとも言っていました。

それから保育園にお子さんを預けている方は、精神的な苦悩が伝わってきます。
1歳5ヵ月の甥っ子さんの育児に協力するお姉さん、1歳1ヵ月の娘さんを育てるお母さん、二人とも辛そうでした。
やはり保育園に預けると泣くようで、どちらも大泣きしたとありました。
特に去り際は大泣きになるようで、こちらを指差しながら泣いていたというのは何だか胸が痛みました。
1歳からの保育園はその環境に慣れるまでが相当大変なんだろうなと思います。

どういった形であれ、子供を育てるのはとても大変だと思います。
そして母は強しであり偉しだと改めて思います。
あと一番凄いのは甥っ子さんの育児に協力している人で、毎日保育園の送り迎えまでしているのが偉いです。
母親さん的にも身近に協力してくれる人がいるのは心強いのではないかと思います。

私が子供の頃は拡大家族でお祖父ちゃん、お祖母ちゃんも元気でよく子供の面倒を見て貰っていたのですが、最近は核家族化が進んでそういうのも難しくなっていますからね。
それに伴って育児の形態も変わってきています。
「待機児童」なんて言葉も昔はありませんでしたし。
何はともあれ、「子供は宝」と言いますし、育児奮戦中の方々はぜひ頑張っていってほしいなと思います。

「バイバイ、ブラックバード」伊坂幸太郎

2013-04-07 21:26:01 | 小説
今回ご紹介するのは「バイバイ、ブラックバード」(著:伊坂幸太郎)です。

-----内容-----
星野一彦の最後の願いは何者かに〈あのバス〉で連れていかれる前に、五人の恋人たちに別れを告げること。
そんな彼の見張り役は「常識」「愛想」「悩み」「色気」「上品」―これらの単語を黒く塗り潰したマイ辞書を持つ粗暴な大女、繭美。
なんとも不思議な数週間を描く、おかしみに彩られた「グッド・バイ」ストーリー。
〈特別収録〉伊坂幸太郎ロングインタビュー。

-----感想-----
合計6編からなる、連作短編集。
そのうちの5編は「郵便小説」といって、毎回抽選で当選した50人の人だけに小説が郵便で送られてくるという珍しい形態をとっていたようです。
なので一つの本として出版されるまでは各短編を読めた人は毎回その50人ずつだけとなります。
見事当選し、ある日家のポストに伊坂さんの短編小説が送られてくるのはワクワクしそうな気がしますね

そして内容ですが、これはとても伊坂さんらしい作品だったなと思います。
何気なく出てきた人の名前が実は伏線になっていて、後半の重要な場面でまさかの登場を果たしたり。
何だか「ゴールデンスランバー」でのある場面を彷彿とさせるものがありました。
それが短編の中で繰り広げられるので非常にスピード感のある物語でした。

物語の中心人物は、星野一彦という男と、繭美という身長190cm、体重200kg超という謎の大女。
星野一彦がある失敗をして、その制裁として〈あのバス〉に乗せて連行するまでの間、星野を監視する存在です。
〈あのバス〉がどこへ向かうのか、そして繭美が所属しているのはどんな組織なのかも謎のまま物語は進んでいきます。
ただ〈あのバス〉に乗せられたら最後、二度と帰ってこれないという恐ろしいことが繭美の口から語られていました。

星野の最後の願いは、付き合っている五人の恋人たちに別れを告げること。
…要するに五股というわけで、この星野というのもろくな男ではないです
ただその星野と比べ物にならないくらい規格外なのが繭美で、前述した大女ぶりに加え性格は粗暴、口も悪く、どの短編でも周囲のことなどお構い無しにやりたい放題好き放題の振る舞いを見せています(笑)
まさに「傍若無人」という言葉がピッタリな大女で、「私の辞書に○○という言葉はない」が口癖でもあります。
その大女ぶりと悪辣ぶりから、星野は繭美のことをプロレスの名悪役、「アブドーラ・ザ・ブッチャー」に例えていました。
しかもこの繭美、実際に辞書を持ち歩いていて、会話の中で何か特定の言葉が出るとおもむろに辞書を取り出し、実際にその言葉が塗り潰されているのを見せて「見ろ、私の辞書に○○という言葉はない」と言い放つ特徴ありまくりのキャラクターです。
この強烈なキャラの繭美が星野の付き合っている五人の女性への別れ話に同行していくわけですが…
やはりこんな人がいたのではまともな別れ話になるはずもなく、どの短編でも繭美のハチャメチャぶりが際立っていました。
そしてそのおかげで物語が予測不可能な面白さを帯びていたと思います。

短編が進むにつれて、やがて近付いてくる〈あのバス〉で連行される日。
本来絶対絶命の状況のはずなのに、繭美という強烈なキャラのおかげで何とも面白おかしい内容になっていました。
会話も軽妙で、段々繭美の粗暴さに慣れてきた星野と繭美のやり取りはなかなか笑えました。
実に伊坂さんらしい、テンポの良い面白い作品だったと思います


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絵文字使いまくりの時

2013-04-06 14:48:30 | ウェブ日記
普段はそれほど多くの絵文字を使わない私が、一年に一度ド派手に絵文字を使いまくる時。
それが東京マラソンの時です。
今年の東京マラソンでは以下の5つのフォトギャラリーを作りました。

東京マラソン2013 仮装大賞なランナーたち その1
東京マラソン2013 仮装大賞なランナーたち その2
東京マラソン2013 仮装大賞なランナーたち その3
東京マラソン2013 仮装大賞なランナーたち その4
東京マラソン2013 胸のときめいたあの瞬間

この中でたくさんの絵文字を使ったわけですが、せっかくなのでどんなものを使ったのか振り返ってみようと思います。
普段あまり使わない絵文字を中心に並べてみます。

 へび
蛇の仮装で使用。今年は巳年(へび年)なので結構仮装している人がいました。

 クマ
「ONE PIECE」に出てくるハートの海賊団の「ベポ」の仮装やゆるキャラの「くまモン」の仮装などで使用しました。

 ドレス
ウエディングドレスの仮装で使用。

 落ち込んでいるカエル
ウエディングドレスの仮装の人がまさかの男でショックを受けたため使用しました(笑)

 パンダ
パンダの仮装で使用。

 拍手
自衛隊員さんが27kgの重りを背負いながら走って完走し、ギネスブックに認定されたので拍手です。

 サッカーボール
サッカーのユニフォームの仮装や、サッカーボール自体に仮装している人に使用。

 ピースサイン
ノリノリでピースサインしてくれる人に使用しました。

 星
東京スカイツリーの公式マスコットキャラ、「ソラカラちゃん」の仮装に使用。

 野球ボール
野球のユニフォームの仮装で使用。
阪神タイガースや読売ジャイアンツ、横浜DNAベイスターズなどがいました。

 赤おに
赤おにの仮装で使用。

 バナナ
バナナの仮装で使用。

 生ビール
生ビールの仮装で使用。
朝日スーパードライやらノンアルコールやら、色々ありました。

 三連音符
東京マラソンの生きる伝説、「十字架の人」(その正体は「ザ・チャンバーズ」というバンドのボーカル、 ララバイさん)が今年もマラソン完走後にライブで熱唱したらしいので使用。
あの方は規格外の伝説的超人ですね(笑)
ギターを弾いてゆずの「栄光の架け橋」を熱唱しながら走っていた人にも使用しました。

 目がハートマーク
セクシーな仮装に魅了された場合に使用。

 鉛筆
鉛筆の仮装で使用。
まさかこんなのに仮装する人がいるとは思いませんでした(笑)

 富士山
富士山の仮装で使用。

 にわとり
にわとりの仮装で使用。

 お猪口と酒
酒の仮装で使用。「大吟醸」な人もいたような気がします。

 牛
牛の仮装で使用。

 ケーキ
デコレーションケーキの仮装で使用。

 トラ
トラの仮装で使用。

 着物
着物姿の人に使用。

 いちご
日本一のいちご生産地、栃木県真岡市をPRしていた人に使用。

 カエル
カエルの仮装で使用。

 グッド
フーテンの寅さんの仮装、「73歳は楽しいぜ」のタスキまでかけていたので使用。

 パンダがガンッ!
悪そうなパンダの仮装で使用。本当に悪そうな感じでしたよ

 ラブラブ
夫と妻で夫婦仲良く走っている場合などで使用。

 河童(カッパ)
河童の仮装で使用。

 うさぎさん
うさぎさんの仮装で使用。

 ワンちゃん
ワンちゃんの仮装で使用。


こんな感じで、普段あまり使わない絵文字を中心に並べてもこれだけたくさん使っていました。
これに普段からよく使う絵文字が加わるので相当な数の絵文字を使いまくっていたというわけです。
まあ年に一度くらいはこんなことがあっても良いのではないかと思います。
gooブログの魅力の一つである「豊富な絵文字」もフルに生かせますし。
まだ使ったことのない絵文字も多数あるので、それらもいずれ使ってみたいなと思います

サーベラス社に続々と上がる反発の声

2013-04-05 22:08:48 | ウェブ日記
※「西武ホールディングスと筆頭株主が全面対決」の記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。
※「サーベラス、地獄の番犬 ~ハゲタカ外資が本性を現す時~」の記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。
※「西武HDがサーベラス社のTOBに正式に反対を表明」の記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。
※「西武HDとサーベラス社の対決の行方」の記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。

現在、西武鉄道やプリンスホテル、プロ野球の埼玉西武ライオンズなどを保有する西武ホールディングスに対し、「敵対的TOB」を仕掛けているアメリカの投資会社、サーベラス。
敵対的TOBとは相手が反対しているのに株の買い増しを強行する「敵対的な株式公開買い付け」のことで、企業の乗っ取りや経営への影響力増大を目的としたものです。
サーベラス社の場合はもともと西武ホールディングスの筆頭株主で株式全体の32.4%を保有しているのですが、同社はこれをさらに買い増し、株主総会での影響力が一気に強まる「株式保有率3分の1超え」を狙っています。
株式全体の3分の1以上を持つ株主は株主総会での特別決議を否決できるようになります。
またこの「敵対的TOB」自体は成立が確実な情勢のため、最大の焦点はサーベラス社が影響力を増した状態で迎える6月の株主総会となります。
なぜサーベラス社が西武ホールディングスの筆頭株主なのか、またなぜこのような行為に及んだのかは今までの記事に書いてきたとおりです。
「サーベラス、地獄の番犬 ~ハゲタカ外資が本性を現す時~」の記事が一番詳しく書いたかと思います。

ハゲタカ外資・サーベラス社が要求してきた中で一番波紋を呼んだのが西武鉄道の赤字路線(西武秩父線、西武山口線、西武多摩川線など)の廃止でした。
これには西武HDも猛反発していて、公共性の高い社会インフラである鉄道路線を一気にいくつも廃止にすることによる人々の生活の混乱、地域経済への影響などを考えれば当然です。
そして私は冒頭リンクの記事で「関係する地方自治体(東京都と埼玉県)の方々がどんどん声を上げていくべき」と書いてきましたが、どうやらその動きが活発になってきたようです。

まずは西武鉄道の赤字路線の廃止や西武ライオンズの球団売却の要求に対して埼玉県の所沢市長が激怒。
所沢市は西武ライオンズの本拠地でもありますし、いきなりの無茶な要求には市長も怒り心頭かと思います。
次いで東京都の東村山市、小平市、国分寺市、東大和市の四市長が共同で記者会見を開き、サーベラス社の要求する「西武鉄道の赤字路線の廃止」に抗議声明を出しました。
いずれの市長も人々の生活の混乱、地域経済への影響を深刻に受け止めて動いたのだと思います。
4月3日には東京都の東村山市、小平市、国分寺市、東大和市、武蔵野市、府中市、小金井市の七市長が西武鉄道路線の存続を求める要望書を西武側に提出しました。
東村山市、小平市、国分寺市、東大和市は「西武国分寺線、西武多摩湖線、西武山口線」の存続を求めていて、武蔵野市、府中市、小金井市は西武多摩川線の存続を求めているとのことです。
そして昨日、4月4日は埼玉県の所沢市、飯能市、狭山市、入間市の四市長が西武秩父線などの不採算路線や西武ライオンズを維持、存続するよう西武側に要望書を提出しました。
さらに昨日は埼玉県秩父市の市議会が西武鉄道と西武ホールディングスに対し西武秩父線の存続を要請する決議を全会一致で可決したとのこと。
同市は周辺の横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町らと共に10日に西武側に西武秩父線の存続を求める要望書を提出するようです。

以上のように、サーベラス社の無茶な要求に対し続々と上がる反発の声。
ここ数日でかなりの広がりを見せてきました。
数えてみると合計16の自治体から抗議の声が上がっているようです。
関係する地方自治体がどんどん声を上げてサーベラスにプレッシャーをかけたほうが良いので、これは良い傾向です。
サーベラスのような強欲ハゲタカヘッジファンドには「げっ、こんなに周り中敵だらけなのか…」と思わせることが重要で、あっちもこっちも敵だらけとなれば多少は及び腰になる可能性が出てきます。
ただし、「鉄道路線の廃止や球団の売却は求めない」などと一連の問題を否定しているのとは裏腹に、「敵対的TOB」を着々と進めているのは紛れもない事実。
最新のニュースでは当初4%ほど買い増して36.4%にするとしていた株の買い増し目標を大幅に増やし、株式全体の過半数に迫る45%近くまで引き上げると言ってきました。
社名のサーベラス(ギリシャ神話の”地獄の番犬ケルベロス”の英語読み)が示すとおり、地獄の番犬が完全に本性剥き出しで襲い掛かってきています
ハゲタカはあくまでハゲタカで、「株式保有率3分の1超え」を達成し、それどころかさらに株を買い増して西武HDに揺さぶりをかける方針に全く変わりはないようです。
当初、6月の株主総会で元金融庁長官の五味広文氏ら3人を西武HDの社長や取締役に選任しようとしていたのも「8人に増やす」などと言っていますし、本性を現したハゲタカ外資は本当に始末に負えないです
何しろ「保有している1000億円超の西武HD株を出来るだけ高値で売り飛ばして儲けたい」というのが一連の行為の動機ですしね。。。
こんなハゲタカに8人も取締役を送り込まれたら本当に大変なことになってしまうと思います。
またここまで本性剥き出しで襲い掛かってきた以上、もはや6月に開催される株主総会に向けて、西武ホールディングスとサーベラス社との間でプロキシーファイト(株主総会での委任状争奪戦)が勃発するのは避けられそうにないですね。

注目は、猪瀬直樹東京都知事もこの件に懸念を示していること。
東京都で七つもの市が動いているので都のトップとして言及したようですね。
直接ではなかったですが鉄道の公共性の観点から暗にサーベラスのやり方を批判していました。
埼玉県の上田清司知事も動いているようですし、これらは有り難い助太刀ではないかと思います。

ただしハゲタカ外資・サーベラス社が金儲けの欲望の一点のみで動いている以上、大人しく引き下がるということはまずあり得ないです。
なので引き続き関係する地方自治体の方々がどんどん抗議の声を上げて、西武HDを援護したほうが良いと思います。
そうすれば西武HDもサーベラス社に「あなたの行いに対しこんなに多くの抗議がありますよ」と言えますし、それを世間に対してアピール出来ます。
「ハゲタカ包囲網」を形成して、多くの自治体からサーベラス社に「No!」の声をどんどん突き付けていったほうが良いと思います。
そうでないとこの外道ハゲタカ外資に利益をむさぼり尽くされ、西武ホールディングスがズタボロにされてしまいます。