読書日和

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安倍首相、モンゴルを訪問

2013-04-03 20:10:38 | 政治


先日、安倍晋三首相がモンゴルを訪問しました。
モンゴルは台湾やブータンやトルコやインド、パラオ、ASEAN(東南アジア諸国連合)らと並ぶ大の親日国。
外交的にも大成功を納めたようで何よりです。

このモンゴル訪問、(日本のテレビ局等マスコミはあまり報じませんが)狙いは明らかに「対中国包囲網」でした。
先の衆議院選挙で民主党政権に終止符が打たれ、安倍晋三首相率いる自民党政権になってから、対中国の包囲網が着々と築き上げられています。

まずは麻生太郎副総理兼財務相のミャンマー訪問。
安倍新政権の閣僚の最初の訪問先がASEAN加盟国のミャンマーであることは、外交的に大きなメッセージとなりました。
3年4ヵ月に渡った民主党政権下ではまず期待出来なかった、外交の劇的な変化です。

続いて岸田文雄外相が1月9日から14日までに訪問したフィリピン、シンガポール、ブルネイ、オーストラリアの4ヶ国(フィリピン、シンガポール、ブルネイはASEAN加盟国)。
1月8日の会見では「アジア太平洋地域の平和と安定を維持、確保していく上で、ASEAN諸国、豪州との連携が重要だ」と語りました。
これは明らかに中国を牽制したもので、アジア太平洋地域には平和と安定を脅かす国があり(中国のこと)、ASEANやオーストラリアと連携して横暴の限りを尽くす覇権主義国家・中国を押さえ込むという旨の発言です。

そして安倍晋三首相が1月16日から19日までに訪問したベトナム、タイ、インドネシアの三ヶ国(いずれもASEAN加盟国)。
麻生太郎副総理兼財務相のミャンマー訪問から始まり、岸田文雄外務大臣、安倍晋三首相へと繋がっていった、見事なまでの「対中国包囲網」の系譜。
民主党政権時代には全く期待出来なかった外交の活発化。
この三人によるASEANの国々との関係を強化する外交は、「自由と繁栄の弧」とも呼ばれる、「対中国包囲網」を形成する外交です。
これらのASEANの国々が中国を包囲する「弧」の形になっていることからこのように呼ばれています(世界地図で見るとよく分かります)。

TPP(環太平洋経済連携協定)への交渉参加表明は、中国共産党の新体制である「習近平国家首席、李克強首相」の布陣がスタートしたその日にぶつけてきました。
TPPの外交的な注目点は中国がこの協定から除外されていることです。
中国共産党新体制スタートに間髪入れずにTPP交渉参加をぶつけてきたところにも対中国を見据えた外交戦略的意図を感じました。

そして今回の安倍晋三首相のモンゴル訪問。
上記に挙げた国々とともに世界地図を見てもらうと分かるのですが、完全に中国を包囲する形になっています。
モンゴルは中国の真上に位置しているし、「自由と繁栄の弧」の国々は中国の下側を取り囲んでいます。
私は未だかつてここまで親日国との連携を強固にする外交を見たことがないし、こういう外交をずっと待っていました。
表向きは「中国は大事な隣国」と言いつつも、実際には着々と包囲網を築いていく、これこそが「外交」です。
悪夢のような民主党政権によって壊滅してしまった日本外交がこんなに早く立て直せるとは思わなかったし、これだけ積極的な外交が展開されていることを嬉しく思います。
日本のマスコミは相変わらず「偏向報道(偏った報道のこと)」によってこういった外交戦略の意図を隠したり、もしくはかつてのような報道の公平性を無視した大バッシング報道を仕掛けてくるかも知れませんが、それに負けずに頑張っていってほしいと思います。

「スコーレNo.4」宮下奈都

2013-04-02 22:34:01 | 小説


今回ご紹介するのは「スコーレNo.4」(著:宮下奈都)です。

-----内容-----
自由奔放な妹・七葉(なのは)に比べて自分は平凡だと思っている女の子・津川麻子。
そんな彼女も、中学、高校、大学、就職を通して4つのスコーレ(学校)と出会い、少女から女性へと変わっていく。
そして、彼女が遅まきながらやっと気づいた自分のいちばん大切なものとは……。
ひとりの女性が悩み苦しみながらも成長する姿を淡く切なく美しく描きあげた傑作。

-----感想-----
この小説を知ったのは「書店ガール」(著:碧野圭)がきっかけです。
書店ガールの作中で
「ツイッターをやっている書店員たちが共同戦線を張って盛り上げ、売れた文庫もある。宮下奈都の『スコーレNo.4』がその典型だ」
とあり、興味を持ちました。
Twitterで書店員の方々が「秘密結社」なるものを結成し、大好きな本として全国の書店(その数約100店舗)で大プッシュして共同戦線を張ったという作品。
現場の書店員さん達がそれだけ推す作品ということで読んでみたいなと思うようになりました。

物語は「No.1」「No.2」「No.3」「No.4」からなる四部構成。
この4つのスコーレ(学校)を通して主人公・津川麻子の成長する姿が描かれています。

「No.1」は、中学生。
麻子は12歳と11ヵ月、中学に入って3ヶ月が過ぎたところ。
妹の七葉は一学年下で、小学六年生。

物語は麻子の視点で語られていきます。
とても淡々とした文章です。
そして文庫本の裏表紙に書いてあったとおり、淡く切なく美しい物語です。
文章は淡々としているのに、すごく瑞々しさのある物語なのが特徴的です。

「No.2」は、高校生。
高校一年の麻子が抱く、従兄の槇と、妹の七葉を巡る心の葛藤がメインでした。
麻子は、いざという時の七葉の行動力や意思の強さにはかなわないということを悟ります。
そして七葉から離れたいと思うようになります。
七葉に対して強い劣等感を持っていました。
「だけど私は負けているのだ。七葉のそばにいたら、きっとずっと負け続ける気がした」
小さい頃からよく同じものを好きになる姉と妹、そして勝つのは毎回妹のほう。
そんな妹から離れたいと思い、大学進学を機に麻子は家を出て一人暮らしをすることに。

「No.3」は、序盤が大学生でその後は社会人になります。
大学三年になった麻子は就職活動を開始。
自分が何をしたいのか漠然としている麻子でしたが、得意の英語を生かして輸入貿易会社に入社することになりました。
配属になったのは靴を輸入する部門でしたが、すぐに「靴屋」に出向になってしまいます。
そこで現場を経験してこいということでした。
しかしその現場に馴染めず毎日思い悩む麻子。
「心の底から何かを愛したり欲したりすることのできる人と、そうはできない人がいる。私は後者だった」
靴というものを愛することが出来ず、それ故に仕事に対してもやりがいを見出だせずにいました。

やがていつの間にか靴屋で働きだして一年が過ぎようとしていました。
毎日、仕事に対して自信が持てずに働いていた麻子でしたが、実はいつの間にか成長しつつありました。
実家がマルツ商会という骨董品屋で幼い頃から色々な骨董品を見て育った麻子は、「物を見る目」は人一倍優れたものを持っていました。
それは靴屋の店長はじめ同僚達も認めるところで、最後のほうでは素晴らしい靴屋の店員さんに成長していました。
何に対しても自信の持てない麻子が、周りからその力を誉められて、初めて仕事に対して光明を見出だしていました

「No.4」は、社会人三年目。
出向先の靴屋から戻ってきた麻子は、本社での事務仕事に思わぬ苦戦を強いられていました。
二年間の靴屋での経験で芽生えつつあった自信が再びしぼみかけていました。
そんなある日、麻子はイタリアに出張に行くことになります。
同僚の先輩二人に付いての出張で、そこで麻子は靴の買い付けをすることになりました。
そのイタリアで、ついに仕事のやりがいと自分への自信を見出だす麻子。
「靴を選びながら、なんと気持ちのいい仕事だろうかと何度もため息を漏らしそうになった」
「No.4」では、仕事でも恋愛でも大きく飛び立っていきました。
妹の七葉へのコンプレックスもなくなり、ようやく自分に自信を持てるようになった麻子の、なんと清々しい心境かと思いました

一人の女性が中学一年生から25歳になるまで乗り越えてきた、様々な困難や苦しみ。
恋に敗れたこともあったし、毎日を漠然と希望も持てずに過ごす日々もありました。
そんな麻子がついに羽ばたいていった「No.4」。
私は嬉しかったです。
なんて瑞々しい物語なのでしょうか。
なんて美しい物語なのでしょうか。
とても線の細い文章が、主人公、麻子の儚さを表していて、そこに美しさがありました。
湖から水をひと掬い掬い上げて、そこにキラキラと日の光を当ててくれるような物語
書店員さん達が熱烈に支持するのも納得の名作だと思います。


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珍しい光景

2013-04-01 19:48:05 | ウェブ日記
この前、ラーメン屋で女子に三人も遭遇するという珍しいことがありました。
これは滅多にないことです。
しかも後から来た女子二人組はかなりきゃぴきゃぴした感じで、どう見ても今をときめくギャルです
およそラーメン屋に入ってくるとは思えない感じの雰囲気なので驚きました。
なかなか強力な香水を付けていたため、その二人組が通り過ぎていったらラーメン屋では滅多にないことなのですが、香水の香りがブワッと漂ってきてそれがラーメンの香りとごちゃ混ぜになり、私はなに食わね顔をしつつ心の中で苦笑いしました
まあたまにはこんな日もあるんだなと思いました。

さらに驚いたのがその後で、女子二人組のうちの一人が味の好みを注文する際、「味濃いめ、脂多めで」と言っていて、私は「えっ」と耳を疑いました
味濃いめで脂多めなんて男の私でも頼まないのに(私は脂少なめにすることが多いです)、こんなきゃぴきゃぴしたお洒落系女子が?
どう見ても銀座中央通り辺りが似合いそうな雰囲気なのに?と呆気に取られましたね。
これが世に言う「意外な一面」というやつなんだなと思いました。
まあいくらお洒落系女子といえど、たまには友達と連れ立ってラーメン屋に入りたくなることもあるのだと思います。
私的にはそのほうが健全な感じがして良いような気がしますね。
ふとした拍子に普段纏っている女子力という名の鎧を取っ払うといった感じでしょうか。
意外な一面というのも悪くはないと思います。