白石崇人「明治期大日本教育会・帝国教育会の教員改良―資質向上への指導的教員の動員―」(学位論文)
第Ⅳ部:輿論形成・政策参加による自己改良への教員動員
はじめに
第1章:討議会における教員の動員 ―「討議」の限界性―
1.大日本教育会における討議会開催の準備
2.討議会「児童ニ銭ヲ持タシムル利害如何」
(1)第1回討議会における議論
(2)第2回討議会における議論
(3)第3回討議会における議論
(4)経済的精神の養成方法についての模索
3.討議会「小学ニ於テ男女共学ノ可否」
(1)第1回討議会における議論
(2)第2回討議会における討議
(3)将来の男女の社会的役割を果たすための方策
第2章:「研究」の事業化過程 ―輿論形成体制の模索―
1.「研究」の規定背景
(1)明治20年代初頭における教育研究の組織化状態
(2)文部省・帝大・教育ジャーナリズム主導の改革
(3)伊沢修二の大日本教育会改革構想
2.明治21年5月改正規則の「研究」規程
(1)教育問題の専門的「研究」
(2)部門新設の意義に関する論争
(3)部門の範囲と結論処理に関する論争
3.部門会議における「研究」の方法
(1)部門会議の開催状況
(2)小学校尋常・高等・簡易科用教科書の「研究」
(3)初等教育部門会議における「研究」の方法
(4)明治21年7・8月の初等教育部門会議の成果
第3章:「研究」の事業化における西村貞の理学観 ―教育の理学的研究組織の構想―
1.西村貞の大日本学術奨励会構想
(1)学会・技芸会・教育会の連合
(2)理学と教育の関係への注目
2.西村貞の理学観
(1)西村貞の教育理論
(2)教授術への理学の応用
(3)西村の教育理論における理学観
3.西村貞と大日本教育会改革
(1)日本全国ノ輿論形成ノ本家株
(2)明治21年5月の改革における西村貞の役割
(3)明治26年12月の改革における西村貞の役割
第4章:研究組合の成立 ―教育方法改良への高等師範学校教員の動員―
1.教育学術研究と高等師範学校
2.明治26年12月における大日本教育会改革
(1)研究活動の位置づけをめぐる動き―能勢栄の提案
(2)教育談話会の結成と動向―大日本教育会の教育学会化に並行して
(3)組織改革への教育談話会員・高師教員の関与
3.大日本教育会研究組合の成立過程
(1)嘉納治五郎の大日本教育会改革構想―現職教員への研究奨励
(2)大日本教育会組合規程の制定―個人研究の組織的補助
(3)教育学術研究組織としての研究組合の設立
4.研究組合における構想の実現
(1)東京有数の指導的教員・教育研究者による組織構成
(2)研究成果の歴史的位置
(3)単級教授法研究組合の役割
① 教育会雑誌・師範学校を通した研究成果の普及
② 批評・意見交換の喚起
(4)その他の研究組合の活動