一関市室根町津谷川地区東部、岩手・宮城県境の山を踏査後、北へ伸びる尾根上の山道を
下って行くと、松の大木の下にスミレらしき根生葉が群生しています。
地上茎のないスミレのようで、葉を見ると鋸歯が大きめでクッキリしています。
葉の基部は心形で、深く切れ込んでいます。
これはミヤマスミレの根生葉じゃないかしら ?
実際に見たことはありませんが、図鑑にある各部位の特徴が合致します。
二枚とも2020.5.15撮影
私が抱いているミヤマスミレのイメージは「深山のブナ帯に自生しているスミレ」で、雪
の少ない太平洋側の山では見られないものと思っていました。
それが標高600mほどの地点の、松の木の根方に生えているなど信じられなかったのですが、
調べれば調べるほどミヤマスミレと思えてきます。
葉が開ききっていて、もう花茎さえ残っていませんから、花が咲いていたのは2週間以上
前だったと思われます。来年は4月下旬に登って、是非とも花を観察したいものです。
2020.5.15撮影
スミレ科スミレ属の多年草で、北海道~四国に分布し、草丈は4~8cm。
深山~亜高山帯の、湿り気のある落葉樹林下などに自生する。
花後に地下茎を伸ばして、しばしば群生する。地上茎はない。
葉は長い柄があって数枚が根生し、葉身は広卵形で長さ2~4cm、先端は尖り、基部は
深く湾入し、その両端は接近してほぼ重なる。縁には粗い鋸歯がある。
葉面には細毛が疎らに生える。葉脈に沿って白斑が入るものがある。
花期は5~6月、葉間から長さ5~8cmの花柄を出し、先端に直径1.5~2cmの花を付ける。
花色は淡紅紫色~濃紅紫色、側弁は通常無毛、唇弁の中央は白色で紫色の筋が入る。
花の後方の距は太めで、長さ6~8mm。萼片は披針形で5枚。
果実は蒴果、熟すと3裂して種子を飛ばす。
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