大和町西部、山地の作業道を上がりきると下に浅い谷が見えるので、杉林の中を下って行
くと小さな湿地の頭に出ました。この辺りは古い時代の大規模な地滑りの跡地で、概観す
ると東向きの斜面なのですが、そこに何箇所もの小山があったり、小さな湿地があったり
で、その間を縫って浅い沢が何本か流れています。
小さな湿地を渡って対岸の小山へ取り付くと、小さな尾根があって、一帯は杉混じりの雑
木林になっています。そこに地味な色のキノコが、6~7本点々と生えています。
一本抜き取って傘裏を見ると、ヒダではなく管孔ですからイグチの仲間でしょうね。
帰宅後にキノコ図鑑で調べてみましょう。
二枚とも2023.7.22撮影
キノコ図鑑で代表的なイグチであるヤマイグチを検索し、その前後のページをめくってい
ると、私の写真のキノコによく似た写真があって、オクヤマニガイグチとあります。
解説文を読み込むと、傘の色がオリーブ色~オリーブ褐色、柄も傘と同系色でしっかりと
充実した質感とあります。傘裏の管孔は白~帯黄褐色とありますから、オクヤマニガイグ
チでほぼ間違いないでしょう。似たキノコにコビチャニガイグチがありますが、こちらは
傘の色がもっと暗色のようです。なお、どちらのキノコも食用にはならないようです。
2023.7.22撮影
イグチ科ニガイグチ属の中~大型キノコで、夏~秋に発生する。
ブナ、シデ、コナラ、アカマツなどの林や、それらの混生林の地上に発生する。
傘は半球形~饅頭形~盾状で直径5~11cm、縁はやや波打つ。傘色はオリーブ~オリーブ
褐色で、中央部がやや濃色。表面に粘性はなくビロード状。肉は質堅く厚い。
苦味が強く食用にはならない。
柄は逆棍棒形~円柱形~ときに基部が細くなり、直径は1~3cm、長さ7~11cm。
色は傘と同色かやや淡色、条線がある。
胞子は長さ8.5~17µmの紡錘形。
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