里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

アメリカザイフリボク 赤紫色の実

2023-06-11 | 日記

松島町東部、海岸沿いの集落道を西へ歩いて行くと、堤防方向への細道があり、これを入
って行くと生垣を廻らした一軒の民家があります。生垣はけっこう荒れていて、その一角
に赤い実が生った小高木が一本あり、よく見ると未熟な実もたくさん付いています。

赤紫色に熟した実の直径は10mmほど、葉は小さめの楕円形で、縁に細かい鋸歯がありま
すから、バラ科のザイフリボクか外来種のアメリカザイフリボクの何れかでしょう。
赤紫色に熟した実を何個かつまみ食いすると、果肉はやわらかく甘酸っぱい味がします。
実の中には芥子粒のような極小な種が5~6個入っています。
帰宅後に樹木図鑑等で樹種を調べてみましょう。

                             二枚とも2023.6.6撮影

我家の樹木図鑑をめくってみましたが、ザイフリボクは載っていませんでした。
やむなくネット検索で調べると、6月に実が赤紫色に熟すのはアメリカザイフリボクで、
在来種は10月頃に実が熟すとあります。そうすると、私の写真の木はアメリカザイフリボ
クということになります。アメリカザイフリボクは6月に実が熟すことから「ジューンベ
リー」とも呼ばれ、一般にはこちらの方が通りが良いようです。

ジューンベリーはバラ科ザイフリボク属の落葉広葉樹で、樹高は0.5~8mと種々あるよう
です。分布域は北米の大西洋沿岸で、およそ25種あるようです。
我国へ持ち込まれたのはその内の数種で、花も実も楽しむ庭木として植栽されました。
苗木の生産では、在来種のザイフリボクに接ぎ木したり、実生苗を育てたりしたため、ジ
ューンベリーと呼ばれながらも、その素性はまちまちなようです。

                             二枚とも2023.6.6撮影

バラ科ザイフリボク属の落葉広葉樹で、庭木として植栽されるのは樹高3~5mの小高木。
日当たり良く、水はけの良い場所を好む。
ザイフリボクを漢字表記すると「采振木」で、白い花を采配に見立てたもの。
樹皮は滑らかな淡褐色で、縦筋が入る。
葉は互生し、しばしば短枝の先に2~数枚付く。葉身は楕円形~卵形で長さ3~7cm、
先端は小さく尖り、基部は円形。縁には細かい鋸歯が多数ある。葉表は深緑色で、葉裏は
灰緑色。葉柄は長さ1~2.5cm。
花期は4~5月、開花は葉の展開前で、枝先に白色の花を7~10個つける。
花弁は5個、楕円形~長楕円形で長さ1cmほど。雄しべは20個ほど、花柱は5個。
果期は6~7月、直径6~15mmのナシ状果で、赤紫色~紫黒色に熟す。



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