里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ヒツジグサ 日形の溜池

2019-06-19 | 日記
一関市花泉町日形地区北部、丘陵地の集落道を緩やかに上っていくと、道下に小さなため池
が見えます。砂利敷きの林道がそこに下っているので、池畔に湿地植物でも生えていないか
と立ち寄ってみると、水面に白い花のようなものが点々と見えます。
近くでよく見ると、小さなスイレンの花のようなつくりなので、スイレンの仲間でしょう。




                             二枚とも2019.6.11撮影

植物図鑑で確認すると、スイレン属の「ヒツジグサ」ですね。
世界的に見ると、スイレン属は温帯から熱帯にかけて40種ほどが知られていますが、我国に
自生するのはヒツジグサ1種のみです。スイレン属には園芸種が多くあって、これらは全て
明治以降に持ち込まれた外来種です。

名の由来は、未の刻(午後2時頃)に咲くと言うことで名づけられたようですが、実際には
午前中から咲いているようです。因みに、私が撮影したのは12時頃です。


                                 2019.6.11撮影

スイレン科スイレン属の多年生の浮葉植物で、北海道〜九州に分布する。
主に貧~中栄養または腐植栄養質な溜池や湖沼、止水した水路などに生育する。
水底の泥中に太い塊状の根茎があり、先端から葉が束生する。
葉には浮葉と沈水葉の2型があって、沈水葉は幅広の矢じり形~半円形で、長さ15cmほど。
浮葉は楕円形~卵形で長さ10〜20cm、基部は心形で、水面に浮かぶ。
花期は6〜9月、花は根生する長い花柄の先に1個頂生し、白色で直径5cmほど、日中に開い
て夜になると閉じる。花弁は8〜15個、雄しべは多数、萼片は4個。 花の中央に柱頭盤があり、
周辺に8個の低い半円状の柱頭がある。
開花は2~3日続き、雌性先熟で、1日目は雌しべが熟し、2日目には雄蕊が熟す。
花後、花柄は螺旋状に捩れて水中に没し、沈水状態で結実する。成熟すると浮袋の役目をする
仮種皮に包まれて浮上し、散布される。種子は直径3mmほど。


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