大和町吉田地区の大畑山麓、林道沿いや伐採跡地に背高なタケニグサが生えていて、
茎の上部には白い花が咲き始めていました。
この植物は大型になると草丈が3mほどにもなりますし、茎が中空で竹に似ているところから
「竹似草」と呼ばれるようになった、とする説が一般的です。
茎や葉柄を千切ると橙黄色の汁が出ますが、我が村ではこれがヨードチンキのようだとして
「チンキグサ」と呼んでいました。子供同士で手や足に付けて遊びましたが、親からは
「毒だから傷口に付けるなよ ! 口に入れるなよ ! 」と言われていましたね。
二枚とも2017.7.7撮影
茎や葉柄を切ると出てくる汁は有毒で、プロトピン、ホモケリドニン、サンギナリンなどの
アルカロイドを含んでいて、舐めたりたり誤食すると、吐き気を催したり、酒に酔ったような
気分になったり、重篤な場合は体温が下がって呼吸困難に陥るとか。
反面薬草として外用されることもあったようです。
生の茎葉を切って出てくる汁を、水虫やたむしなどの患部に直接塗ると薬効があるそうです。
2017.7.7撮影
ケシ科タケニグサ属の多年草で、本州~沖縄に自生し、草丈は1~3m。
裸地に最初に現れる先駆植物で、低地~山地の日当たりの良い道端や伐採跡地などに自生する。
茎は中空で、太いものは直径3cmほどになり、傷つけると橙黄色の汁が出る。
葉は互生し、葉身は広卵型で長さ10~30cm、キクの葉のように浅く羽状に裂け、裂片の先は丸い。
やや長い柄がある。葉表は無毛、葉裏は白毛が密生する。
花期は7~8月で、 茎頂に大きな円錐花序をつくり、直径1cmほどの小さな白花を多数付ける。
花には花弁はなく、萼片も開花と同時に落ちる。雄しべは多数あり、葯は線形で花糸は糸状。
花柱は短く、柱頭は2裂する。
果実は長さ1.3~3cmのへら形、種子が4~6個入る。
種子は長さ1.5~2.2mm、表面に凸凹のある褐色で、種沈が付く。
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