里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

カキノキ 橙色の実

2022-11-29 | 日記

登米市東和町、山裾の集落道を下って行くと、山側のなだらかな斜面に大きなカキノキが
あって、たくさんの実が生っています。多くの枝に万遍なく実が生っているので、この木
では実が採られずに放置されているようです。もったいないですね。
この辺りの山にもクマはいますから、柿を目当てに里に下りて来なければ良いのですが。

                             二枚とも2022.11.17撮影

実の形から大和柿か、その系統でしょうか。かつては苗木を買ってきて植えたりもしまし
たが、殆どが自家消費ですからあまり拘らずに、美味しい柿があるとその種を畑脇に埋め
て発芽させ、その中から良さそうなものを苗木にしたりもしました。
期待したような実が生らなければ、優良品種の小枝を接ぎ木していましたね。

大和柿は渋柿で、実は上の写真のような釣鐘型をしています。愛宕柿とよく似た形をして
いるものの愛宕ほど大きくはなりません。現在は徳島県や愛媛県など主に四国で栽培され
ている品種です。外皮は鮮やかな橙色で、果肉もほぼ同色です。干し柿専用の品種として
改良が行われ、現在では種無しが主流になっています。

                             二枚とも2022.11.17撮影

カキノキ科カキノキ属の落葉広葉樹で、原産地は中国の揚子江流域。樹高10mほどの高木。
我国へは、奈良時代頃に渡来したという説が有力。現在では本州~九州で栽培されている。
樹皮は茶褐色で、不規則に細かく裂けて亀甲状になる。枝は褐色で皮目が多い。
葉は互生、葉身は広楕円形〜卵状楕円形で長さ7〜15cm、先端は急に尖り、ふちは全縁。
葉表には光沢があり、葉表主脈と裏面全体に短毛が生える。
花期は5〜6月、新枝の葉腋に淡黄色の花をつける。雄花は数個ずつつき、長さ5〜10mm
の鐘形、花冠は4裂し、裂片はそり返る。雄しべは16個。
雌花は葉腋に単生し、長さ15mmほどの広鐘形で花冠は4裂する。緑色の萼も深く4裂、萼
はそのまま実のヘタになる。雌しべは1個、退化した雄しべが8個ある。子房は無毛。
果実は液果で果期は10〜11月、橙色に熟す。甘柿と渋柿があり、渋はタンニンによるもの。
果実中に4~8個の種子が入る。種子は半月形で長さ15~20mm。



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