里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

オオシマザクラの紅葉

2017-02-03 | 日記
宮戸島の里浜貝塚は全体としては南北200m、東西800mの規模をもつ大きな
遺跡で、その西エリアは丘陵上にあって、西貝塚または台囲だいがこい)地点と
呼ばれています。ここに5ヶ月前に観察した、オオシマザクラの大木があるので
寄ってみました。ソメイヨシノの紅葉は既に多くが散っていますから、こちらの方が
長持ちかもしれませんね。もっともそれが種の傾向なのか、宮戸島の土地柄な
のかは判りませんが・・・




                           二枚とも2016.11.18撮影

オオシマザクラの名の由来は、伊豆大島に多く自生していることから名付けられました。
桜餅を包んでいる桜の葉は、このオオシマザクラの葉を塩漬けしたものです。
それでは桜葉の最大の産地は伊豆大島かと思ったのですが、実はそれが違って、伊豆
半島の松崎町なんだとか。



我国で最も多く植栽されている桜はソメイヨシノでしょう。
そのソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガンを交配してできた園芸品種で、早咲きで
有名な河津桜は、オオシマザクラとカンヒザクラの自然交配種と言われます。
交配で優良な品種が生まれているわけですから、筋の良い木なのでしょうね。


                                2016+.11.18撮影

バラ科サクラ属の落葉広葉樹で、樹高15mほどの高木。
房総半島~伊豆諸島など関東の沿岸南部に分布し、海寄りの丘陵~山地に自生する。
宮城県の宮戸島に、隔離分布しているのが知られている。
成木の樹皮は灰紫色で、若木の樹皮は紫褐色、共に横長の皮目が目立つ。
葉は互生し、葉身は倒卵状楕円形で長さ8~13cm。重鋸歯縁で鋸歯の先が芒状になる。
葉先は尾状に尖る。両面とも無毛で、桜餅の葉はこの若葉を塩漬けにしたものである。
葉柄は長さ1.5~3cm、蜜腺は葉柄の上部にあり、しばしば最下の鋸歯の先にも小さな
紅色の腺体が見える。
花期は3月下旬~4月上旬で、前年枝の葉腋に散房状に数個の花が付く。
開花は葉の展開と同時。花は白色、ときに淡紅色で直径4cmほど、芳香がある。
花弁は5枚で、先は切れ込む。萼片5、雌しべ1、雄しべは多数。花柄は2~4cm。
果実は核果で、直径1.2cmほどの球形、5~6月に黒紫色に熟す。





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