雄勝町半島部の峠崎のモミ林には、たくさんのツクバネが自生しています。
海にほど近い、小高い丘の頂稜部に多く見られました。
まだ黄緑色の葉が多く残っていますから、容易に見つけられます。
落葉樹なのにいつまで葉を付けているのでしょう ?
ツクバネの実は東松島市の宮戸島や、大和町の蘭山山麓で観察したことがあるものの、
いずれも落葉後でしたから、葉を観察するのは初めてです。
樹木図鑑等によると、分布域は本州~九州となっているものと、関東以西の本州~九州
になっているものの二通りあります。
どちらかと言えば、暖かい地方に多い樹木なのでしょう。
この自生地は海岸まで直線距離で数百メートルですから、宮城県内においては温暖な
地域と言えるでしょうね。
二枚とも2015.11.29撮影
ビャクダン科ツクバネ属の半寄生落葉低木。樹高は1mほどで雌雄異株。
関東以西の本州~九州に分布し、乾いた尾根や急斜面を好み、主にマツやモミなどの
針葉樹の根に寄生する。アセビやドウダンツツジに寄生する場合もある。
撮影地は尾根筋で、マツやヤマツツジ混じりの雑木林内。
葉は対生し、葉身は長卵形あるいは卵状披針形で長さ3~7cm、先端は尾状に伸びて尖る。
葉質は薄く、縁に鋸歯はない。基部は楔形で、殆ど無柄。
花期は5~6月で、雄花序は枝先に付き、散房状で花弁は無い。雌花も枝先に付き、
淡緑色で直径5mmほど、基部に羽根状の長さ3~4cmの苞を4枚付ける。
果実は堅果で長さ7~10mmの楕円体、先端の羽根状の苞は遅くまで残る。
果実は春頃まで枝先に付いたままで、強風で散布される。
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