一関市花泉町、丘陵地の狭間の集落道を下って行くと、道路脇に一段高い平坦地があって、
その法面にたくさんの濃桃色の花穂を付けた、背高の植物が群生しています。
花穂はたくさんの粒状の小花からなっていて、垂れ気味に咲いていますからオオケタデで
しょう。かつては農家の敷地周りや、畑の周囲などに何本か咲いているのをよく見かけた
ものですが、最近はほとんど見かけなくなりましたね。
この平坦地は、今は雑草に覆われていますが、かつては民家が建っていたものと思われ、
そこでこぼれ種から発芽して、年々株数を増やしていったものと推測されます。
二枚とも2021.9.3撮影
オオケタデは中国南部~東南アジア~インドが原産地で、我国へは江戸時代に薬草として
渡来し、その後観賞用に栽培されるようになったようです。
現在では逸出して、草地や河川敷、耕作放棄地などに生えている地域もあるようです。
オオケタデには薬効があって中国では葒草(こうそう)と言い、毒虫に刺されたときは、生
葉をもみ潰した青汁を患部にすり込むと良いようです。
また花序を葒草花(こうそうか)と言って、腹痛や下痢に用いるようです。
果実は水葒草子(すいこうそうし)と言い、化膿性の腫れ物には乾燥したものを粉末にして、
水で服用すると効果があるようです。
二枚とも2021.9.3撮影
タデ科イヌタデ属の1年草で、中国南部~インド原産の帰化植物。草丈は100~200cm。
茎は直立して節ごとに多くの枝を出す。太い部分は直径2~3cmあって、全体に斜上する
白毛が多い。葉柄は長さ2~10cm。葉身は広卵形~広楕円形で長さ10~25cm、先端は尖
り基部はほぼ円形、両面に密に毛がある。葉縁には密に縁毛があり、裏面には腺点がある。
葉柄の基部には筒状の托葉鞘があり、縁には長い毛がある。
花期は8~9月、茎頂や枝先に薄桃色〜濃桃色の穂状花序を出し、その先は垂れ下がる。
花序の長さは3~7cm、小花の花弁に見える部分は萼で、先端が5裂する。
花被片は白色の楕円形で長さ3~4mm、雄しべは7個で、萼より突き出す。
蕾、花、花後がすべて同じような色合いなので、花期が長いように見える。
果実は扁平な円形の痩果で直径3mmほど、花被に包まれたまま光沢のある黒褐色に熟す。
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