登米市東和町、山裾の集落道をゆるやかに下って行くと、ちょっとした空地があったので小
休止しましょうか。休んでいて思い出したのは、数年前に近くで見た植物のこと。
すぐ傍の道路下に、アメリカイヌホオズキかその仲間と思しき植物が群生していたのです。
この仲間は県内においては1年草に分類されますが、たくさんの果実が実るので大抵は翌年
も同じ場所に生えてきます。種の同定をしたかったのですが、当時はこの仲間の相違点をよ
く理解しておらず、それ以降数年にわたって宿題にしていたものです。
三枚とも2022.11.17撮影
道路法面を下ってその植物が群生している場所まで行くと、一帯には10ケ所ほどに株が点
在していて、長径1m以上もある茂みになっている大株もあります。
草丈を上に伸ばすよりも、分枝しながら横に枝を張るような茂り方をするからでしょう。
まず花を観察すると、直径10~15mmほどの白花で、花弁が後方へ反ることはありません。
この仲間では大きめの花ですね。またアメリカイヌホオズキは淡紫色の花が多いので、別
物かも知れません。黒く熟した果実を観察すると、イヌホオズキのような艶無しではなく、
やや光沢があるもののアメリカイヌホオズキほどの艶はありません。
大株になること、花が白花で大きめなこと、黒熟した実にやや艶があること、以上のこと
からオオイヌホオズキと同定します。
二枚とも2022.11.17撮影
ナス科ナス属の1年草又は多年草で、中南米~南米原産の帰化植物。渡来年代は不明。
現在では本州以南に広く分布し、道路法面、耕作地周辺、河川敷などに生える。
茎は直立するが、枝が多数分岐して横に張り出し大株になる。
葉は卵形で全縁または波状の鋸歯があり、下面全体に細毛を密生する。
花期は8~11月、総状花序をつける。花は白色、ときに紫色を帯びる。直径は8~15mm
で5深裂し、裂片は基部近くまで切れ込み幅が狭い。
果実は球形で黒熟し、直径7~10mm、やや光沢がある。中に60〜120の種子を入れる。
種子は淡黄褐色で長さ1〜1.3mm。
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