昨日、45歳女性が咽頭痛(違和感)・発熱で受診した。耳鼻咽喉科の受診を希望したが、発熱があるため発熱外来に回された。
3日前に神奈川県から仕事で当地に来ていた。2日前から咽頭痛・38℃の発熱があった。咽頭発赤があるが、化膿はない。溶連菌迅速検査・アデノウイルス迅速検査は陰性だった。
神奈川県から来たということで、担当医はインフルエンザ迅速検査と新型コロナウイルス抗原検査も行ったが、両者とも陰性だった。
血液検査では白血球10200・CRP11.4と炎症反応の上昇を認めた。胸部CTで右肺上葉に斑状の浸潤影を認めた。新型コロナウイルスのPCR検査も行う予定だが、どうでしょうかと相談を受けた。
PCR検査提出に依存はないが、一側の浸潤影・白血球上昇・病初期からCRPが高いことからは、通常の肺炎と判断される(確率的な問題で確定はできない)。肺炎としては軽症になるので、抗菌薬内服の外来治療でいかがでしょうかと伝えた。1週間分の処方をして、数日で解熱しない・呼吸苦が加わるなどの時はすぐに受診するようお話したそうだ。
首都圏から東北に来て発熱すると(さらに肺炎があると)、相当に警戒されることになる。
肺炎があれば典型的には、両側すりガラス影・白血球正常域~低下・CRP5程度の軽度上昇(病初期)が新型コロナウイルス感染症と認識しているが、確定はもちろんできない。
発熱・咳だけだと(極端な)嗅覚・味覚障害でもないと区別はつかない。コロナウウイルスの検査は抗原もPCRも、陽性は確定だが、陰性は疑いのままなので(否定できない)、経過をみるしかない。