なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

絞扼性腸閉塞疑い

2024年09月02日 | 消化器疾患

 40歳代前半の女性が腹痛で外来を受診した。ふだんは高血圧症で市内の病院に通院している。なぜ当院を受診したかはわからない。

 午前7時に朝食をとっていて、午前8時半ごろに突然腹痛が生じたそうだ。(発症時のことをしつこく訊くと、突発らしい)体格のいい方で、腹部所見がとりにくい。最終生理は3日前に終了したそうだ。

 腹痛が生じてからは持続痛になっている。腹部全体が痛くて、歩くと響く。突発だと「破れる、捻じれる、詰まる」になる。圧痛は上腹部と下腹部にあり、局在がはっきりしない。

 反跳痛があり、筋性防御はたぶんないと思うが迷った。消化性潰瘍の既往はなく、体型的に胆嚢結石を疑ったが、どうも所見が違う。

 胸部X線・腹部X線で腹腔内遊離ガスがないのを確認して、バイタルは安定しているので、血液検査を確認してから造影CT予定とした。

 白血球18900・CRP0.9と超急性期の炎症像だった。肝機能検査は異常がなかった。肝胆道系ではない。

 造影CTを行うと、まず虫垂は正常だった。肝臓周囲と腸間膜に軽度に腹水がある。そして、子宮の背側に拡張した小腸が一塊になっていた。内ヘルニアからの絞扼性腸閉塞と思われた。

 消化器科医にもCTを診てもらって、それ以外は考えにくく、外科に搬送依頼ということになった。地域の基幹病院外科に連絡すると、受けてもらえたので、すぐに救急搬送した。

 

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