なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

エムポックス

2024年12月14日 | 感染症

 12月12日(木)に感染対策合同カンファランスが地域の基幹病院であった。当院は感染対策加算2の病院で、感染対策加算1の病院の指導を受ける立場だ。

 年に4回のカンファランスと1回の実技に参加することになっている。ただ当院は感染対策加算1の病院2か所と連携しているので、それぞれとカンファランス2回+実技2回参加している。

 11月に別の病院の実技に参加したので、今回は出席しなくてもよかった。テーマがエムポックスで大学病院感染症内科の先生の講義と実技を行うというので、参加することにした。(発熱・皮疹の患者さんが受診した時の対応を具体的に考える、というもの)

 エムポックスは、以前サル痘monkey poxとされていたが、本来の感染主はげっ歯類(ネズミ、リスなど)だ。たまたまアカゲザルでウイルスが発見されたためにサル痘となって、サルも迷惑な話なのだった。

 エムポックスは主に接触感染だが、空気感染もあるそうだ(詳細は不明)。2022年は男性同性愛者に広まって、性感染症の様相を呈した。その後は家族内感染などがあり、フェイズが変わってきている。

 症状は、発熱の頻度は約50%で、皮疹が90%という。ただ感染後の日数により症状が変化するので、ウイルス感染の非特異的な症状(倦怠感、頭痛、関節痛など)だけだとこの疾患を想起できない。

 検査は保健所対応なので、鑑別の水痘帯状疱疹ウイルス・麻疹・風疹の検査も含めた検体を保健所に送ることになる。検体は皮疹(水泡内液・水疱底の擦過・かさぶた)と血液・尿を採取して、既定の梱包(3重に)で送る。

 県内ではまだ1例も出ていない。疑いを持った段階で検査も含めて、大学病院に紹介する方がよさそうだ。

 

 講義と実技(具体的な対応を参加者に訊いてから、正解を開設)は笑いありの楽しいものだった。とりあえず、「エムポックス診療の手引き 第2.0版」をダウンロードした。

 

 (ひまわり医院ホームページから)

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