9月18日(水)の亜急性甲状腺炎の80歳代初めの女性が入院した。治療はプレドニン20mg/日の内服で外来治療可能だが、患者さん本人が入院治療を希望していた。
2週間前の9月3日に動悸・息切れが続くという訴えで、内科外来を受診していた。ふだんは直腸癌術後(人工肛門造設)で消化器科の外来に通院している。
心肺疾患や貧血はなかった。びまん性甲状腺腫があり、血液検査で甲状腺機能亢進を認めた(FT3/FT4高値、TSH感度以下)。内分泌に詳しい先生の外来に回していた。外注の甲状腺のマーカーが提出された。
抗TSH受容体抗体は陰性で、抗サイログロブリン抗体・抗TPO抗体も陰性だった。白血球は5700だが、CRP8.4と上昇している。
入院の約1週間前から頸部の熱感があり、4日前から39℃の高熱があった。甲状腺エコーでは甲状腺はびまん性に腫脹して両葉に低エコー域があった。甲状腺のマーカーの結果とも合わせて、亜急性甲状腺炎と診断された。
数か月前に当方も亜急性甲状腺炎の80歳代女性を治療していた。亜急性甲状腺炎は教科書的には「30~60歳に多く、男女比は1:10と女性に多い」とある。イメージは比較的若めの中年女性と思っていたが、高齢者も普通にあるのだった。