六本木でラファエル前派展を見てきた。
ラファエロ前派と思ってたが、日本語としてはラファエル前派みたい。
ジョン・エヴァレット・ミレイさん、絵が上手すぎる。
だけど、力抜いて描いたっぽい、「ジェイムズ・ワイアット・ジュニア夫人と娘のセーラ」はデッサンがおかしい。
想像だけで描いてる感じ。人体のパーツの大きさがおかしい。子供の足がすごい変だった。
ハント、という人も良かった。
ロセッティは今一。雑と言うか上手くない。
ミレイは写真みたいな絵も描いていた。スーパーリアリズムというか、細かい線をいっぱい書いてる人が他にもいてすごかった。雑草の繁みとかすごい丹念に書いてて、写真みたいなのである。
あと、ラファエル前派って、貧乏人の娘をモデルとして拾い上げて教育を授けて嫁にするような、結構いやみな事やってたらしい。
主なモデルとして6人の肖像画とか写真が展示されてたのだが、4人が同じような顔立ちで笑えた。鼻梁が目のところでへっこんでない、ギリシャ的な顔立ちの女性ばかり。皆、女性の好みは同じだったみたいで、サークル内の争いが勃発したのではないかと思われる。
説明書きを読むとやはり、そうやってインナーサークルに引き込んだ女性と上手くいかなくて振られたり、師匠の奥さんを寝取ったり、仲間内でドロドロとした愛欲の世界を繰り広げていたらしく、特にハントさんという人は卑賤な身分の綺麗な女性をモデルとしてスカウトして、奥さんにするために教育をさずけたあげく振られてしまった、と書いあって面白かった。
あと、ミレイのオフィーリアは実物みたら思ったより小さな絵だった。
また、ミレイは絵がめちゃくちゃ上手いのだが、ポストカードサイズで見るとなんかうまくないように見える。
ラファエル前派展をみて思ったのは、目に見えるものは全部書き込む、という人が何人かいる、と言うことと、印象象派との違いとしては、光を見たままに書かない人が結構いる、と言うこと。
印象派は見えるままに書いたけど、ラファエル前派は説明的な描写をしている。
暗いなかでぼやけてるはずの輪郭を綺麗に書いている、というふうに見えた。
ミレイは我が国の加藤直之さんぽい感じもした。
加藤さんの絵はザッザッと短時間で描いてる印象があるが、もしかしたら結構時間かかってるのかもしれない。
追記(4/27)
盲目の姉と妹の絵もラファエロ前派だったと思うが展示されておらず残念。
あの絵を見ると、この子たちに幸あれかし、と思う。