中々進まず、まだ読んでいる途中だが、なかなかとんでもない小説のようだ。
主人公の探偵たちは一時的に身を隠すため、売春婦たちを騙してアパートに潜り込むのだが、ボストンからサンフランシスコまでやってきて200ドルしか持ってこなかったので金に困り、売春代金の集金に来る元締めから金を奪う事を思いつき、元締めとボディガードをあっさり殺してしまう。
別にピカレスクロマンではない。この殺人も売春婦たちが八つ当たりで元締めに殺されないよう助けるためだ、という理由がつけてあって、あくまでも主人公は正義漢として描かれている。
無茶苦茶である。
いちおう、殺人の後主人公は嘔吐して罪悪感を覚えていることは表現されているのだが。
そのあとも、悪党らしい大金持ちの家に忍び込むため、ガードマンをあっさり殺している。
ずっと以前に同じシリーズの「初秋」という作品を読んだ事があるが、こんな荒っぽい無茶苦茶な小説ではなかった。これじゃハードボイルド風のファンタジーだ。
漫画のほうがよほど、しっかりとストーリーを練っているように思う。
この作者は、食事のシーンとかの描写がうまかったので、それを楽しみにしたい。