そろそろ

路上音楽情報紙『ダダ』編集発行人・青柳文信のブログ

ギルドD55さんは、タコマからカーマン工場へ。進化は、さらに進む。

2009-11-07 21:57:19 | お茶の水博士と歩く楽器街


 楽器フェアに行ってきたっす。年々、各出展者の思い
入れも小さくなっているようで、華のある出し物はなくな
ってきている。だけど、1日で沢山の音楽関係者に会え
るので行かない訳には行かない。そして、各社の最新
鋭の楽器に出会えるしね。

  このブログの読者向けでは、カーマンに工場が移っ
てからの最新のギルドD55の事を書くべきか(目印は、
グローバーではなくなった小さな金色の金属ペグ)。フ
ェンダー傘下入り後の合理化は、さらに進んでいる。そ
の方向性は「即戦力」のギターと見た。

  出荷時の音は、タコマ時代より、カーマンの最新鋭
器の方が、「慣れた音」に。ネックのラミネート材も向上
が見られる(硬い材質を挟み込む事で、初期の暴れを
抑えた)。

 ペグも金属性でありながらも小振りなものが選ばれる。
その結果、音は、より繊細で、演奏時の安定性は向上
した(ギルドらしい演奏した時のヘッドの下がりもなくな
った。笑。ストラップをつけて立って演奏した時、ネックが
ずるっと下がるアレがない。笑)。ネックのヒール部分の
木材も薄くなっている。これによって、音の繊細さも増し
たのだろう。

 品質の向上があり、即戦力としての改善は徹底して進
められた。面白い所では、ヘッドの化粧板がエボニーにな
った(さすがフェンダー。金、持ってんぞってね)。

 楽器としてのポテンシャルは、ぐんぐん伸びた。そして、
その分、かつてのギルドらしさは、どんどん薄れた。でも、
「よい楽器」にはなっていると形容できる。現行のマーチ
ンD28と店頭で弾き比べたら、プライスまで視野に入れ
つつ、多くの人がこちらを選ぶだろう。もう、この流れは、
オールド・ギルドファンが何と言おうと止められそうにない。

 青柳さんとしては、もう行く所まで、行ってくれという感じ。
そして、行き着いた所で、その時に、70年代の無骨なD55
好きのために、ギブソン社と似た発想で「トゥルー・ビンテー
ジ」のようなモデルを出して下さいな、と申し上げたい。

 飲み物のコーラだって、1966年の青柳さんが中学時代に
飲みまくった頃と同じ味ではないのだ。ロングセラー商品と
いうものは、大なり、小なり、悩ましい選択をしながら時代に
寄り添って行く。ギルドD55さんも、そういう楽器になったと
とらえよう。

 そして、自分の演奏スタイルにあったD55さんに出会えた
人は、それを喜び、これから手に入れる人は、工場、時代に
よる音やデザインの違いを意識して、欲しいものを絞って探
せばよいのではないか。ギルドD55さんも、そういう時代に
入った。だって、ギブソンのJー45を買う時だって、「50年代
の後期から60年代前期のネックの太さは、若干、太めでピ
ックガードは大きいけれど素材は薄い。それが60年代の中
期になるに従って、ネックが細くなる。それにともない音はジ
ャギッとしてきて」と時代によるテイストを意識して試奏に入
るよね。めんどくさいけれど、それと同じなんだよね。

 ファンは、どこまで、時代と楽器がシンクロして行くか楽しも
うではないか。

       路上音楽情報紙「ダダ」編集発行人・青柳文信
               http://pub.ne.jp/solo_solo/

追記・観覧車は、パシフィコ横浜の出口から見えたもの。神田
のたくさんのギター屋の店員さんも言っていたけれど、横浜は
やはり遠いよね。たまに行くのも小旅行ののりもあっていいけ
れど。でも、知り合いと話し込んだり、イベントを見たりしている
とすぐ、時間が経過してしまう。また、池袋でやってくれないか
な。そうすれば、2日かくらいかけてじっくり見るのにね。

追記2・今日もお外で歌います。志木にしようか、朝霞台、和光。
う~ん、それとも新宿まで遠征しようか(笑)。もし、青柳さんと
セッションしたい人は10時30分までに携帯にメールを下さい。
そうすれば、あなたの街に直行します(笑)。では。道で。