先日、このニュージーランドのワインがわずかな量を生産するロゼの話を書きました。
しかし、このワイナリー本領は赤にあります。
プロヴィダンス.プライベートリザーヴです。
丁寧に丁寧を重ねて自然の力と人の優しさで造られたこのワインはカベルネフラン、メルロ、マルベックのブレンドです。
カベルネフランを使用が多い事から「ニュージーランドのシュヴァルブラン」と言われたり、メルロも使っておることから「ル.パン」と並び称されたりです。
私がこのワインの出会ったのはかなり前になりますが、当時の日本のワイン界では神様のような存在であった麻井宇介先生が惚れ込んだ、というお話を聞いてからです。
先生は残念なことに2002年にお亡くなりになられましたが、まあ、私達のような若輩にも嫌な顔一つせず色々な質問に答えてくれたことが忘れられません。
その先生が、いいお年になってから遥か遠方のニュージーランドで畑仕事から手伝いたくなるワイン、がプロヴィダンスだったのですね。
なんて思っていたら最近このワイナリーのオーナーのジムが「息子」と公言する桑田真澄さんも惚れ込んで、なんと2010年のプロヴィダンスの全シリーズに「桑田ヴィンテージ」として名が刻まれていますし、背番号18も浮かび上がります。
タマタマですが私も桑田さんと頂く機会があり、彼の情熱を感じた所です。
ニュージーランドは南島のソーヴィニヨンブランとピノノワールがあまりにも有名ですが、実は元来北島のマタカナも銘醸地だったのですね。
で、南島のワインにも共通することですが「エレガント」なのです。
このワインはボルドーブレンドですが他のニューワールドの同じタイプによくある「重さ」や「過熟感」はありません。
そう言う点では「物足りない」と思う人もいるかも知れません。
が、が、ですよ!!
数秒経ってからの長い余韻の始まり、深い滋味は中々目にするものではありません。
2010年を今グラスで開けています。
一杯4000円しますから、そむりえ亭としてもかなり高いワインです。
しかし価値は感じて頂けると確信します。
あまり一つの銘柄を褒め称えることの無い私ですが、麻井先生へのオマージュも含めて今日は賛辞を送りたい、と思います。
どうぞお試しください!!!