ホテル時代の初期の頃は顧客管理と称して、お客様のお好みや召し上がったものをノートに書き込んでいたものです。
今でも多くの所が実践していることだと思います。
時代は進歩しましたから、ノートでなくPCなどでデータベースを作り上げているのではないかと思います。
しかし、私はある時期からそれをバッサリとやめました。
同じ月内で2度目の予約の場合は前回のものはメモしますし、領収書を毎回所望される方の正式な社名等もメモしていますが、好みなど毎回使うデータとしての記録はしません。
何故かと言うと・・・・・
好みは変化する=過去に見たゲストで「一生好みが変わらない人はいない」と自信を持って言えます。
初めて連れてくる同席者には前回と同じものを食べさせたい=データを見て勝手に変えられるのは嫌、と言う経験
顧客ノートに載っている人が顧客か?=顧客は全ての人に潜在的に潜む可能性=書いていない人は管理できない、となる
書いてなくても覚えている人こそ「お馴染み」=顧客
確かに「あ、覚えてくれているんだぁ!」と感心します。
しかし、その日は時間が無かったり、風邪を持いていたり、昼にマラソンを走って腹ペコだったり・・・・
本当はいつもと違うものを食べたかったのに、「折角覚えてくれてるんなら」止む無く「じゃあ、それにしよう」とお客様が気を使っていることもあるのですね。
データを使う場合は都度の確認作業が必要です。
でなければ「書かない」決心も大事な気がしています。
何日か前にも書きました。
「マネをしないでください」
私の独りよがりかもしれませんし、アルバイトさんの多い店では必要な作業かもしれません。
当たり前ですが、頑張って記録してらっしゃるところが悪い訳ではありません。
でも運用は間違えると残念なことになる。
経験として、書いておきたい事象です。
樋口誠