ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

「懐の深い」産地です。

2017年05月16日 01時52分45秒 | ワインの事
リオハ。

スペインの代表的、というか昔はスペインと言うとリオハと言うくらいの産地です。


昨日のワインメーカーズディナーはそこの老舗「CVNE」=クネ社のものでした。

多くの人にはテンプラニーヨ種(現地ではテンプラニージョともテンプラニーリョ、どちらでも良いようです)から作られる「樽熟の長い赤」のイメージが強い産地です。


確かに有名なのはそうなんですが、実は「RIOJA」(こう書いてリオハと読みます)の原産地名で作られるワインの幅は相当に広く・・・・

例えば昨日お出しした5種は全てリオハ名をラベルに表示していますが、すべて別のタイプです。

最初にお出ししたのは遠いアンダルシアのシェリーを少量ブレンドした辛口の白。

切れ味が良くフレッシュだけれど、奥行きのある味わい。

シェリーをブレンドしていたのは昔からの造り方ですが、最近復活させたようです。

二番目にはガルナッチャ種の赤。

ローヌで有名ですが、スペイン原産の種でローヌに負けない芳醇さと力強さを持ち、リオハにありがちな長い樽熟は程よくセーヴされています。

三番目にはビウラ種からの樽熟白。

これまた芳醇で樽からの影響はしっかりありますが過剰でなく、丸くて豊か。最初の白と好対照です。

4番目には「これぞリオハ」のテンプラニージョのグランレゼルヴァ。

樽とボトルを合わせて5年以上の熟成ののち出荷の大物です。

しかし、果実味は失わずに余計な角はとれて既に美味しく・・・

そして5番目は貴腐ワイン。

その昔、戦争で男手を取られ、女性だけで収穫したものの赤ワイン用優先で白品種は忘れていたところから始まった「偶然の産物」の復刻版。

ボルドーやハンガリーと違う「綺麗な貴腐」です。


私も楽しくなる「リオハ」の夕餉(ゆうげ)でした。


他にも沢山のワインが生み出されます。

EU圏の原産地呼称としては珍しいことですが、それが産地の個性。


いずれもレベルの高いものです。


どうも「新しい産地」に目が行きがちなワインの世界ですが、老舗産地の意地を感じた昨晩。

先述の5種はしばらくの間、そむりえ亭でもお出しします。

どうぞお試しください。


さて今日はお休みを頂戴しますので、明日17日にお待ちしています‼‼


           樋口誠