ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

澱も味のうち

2023年09月11日 00時29分49秒 | ワインの事
ワインに沈殿する澱。

長く熟成を経たものや、未濾過のワインには澱があります。

ボルドーの赤ワインが熟成して出来る澱は口の中でザラザラしますので、昔からデキャンタをする習慣になっています。

それに比してブルゴーニュの澱などはふわふわしていることが多く、あまり気にならないかもしれません。

さて、問題は若いのに澱が多いワイン。

日本のワインでそこそこ見かけられます。

ここで表題の「澱も味のうち」という言葉を使いたいと思います。

フランス・ロワール地方のミュスカデやシャンパン等でも「澱=酵母接触」で旨味が増幅することは知られていますので、経済的な理由で早めに出荷するワインには「濾過をしないで澱を残す」のは「アリ」だと思うのです。

過去にも書いていますが、数か月単位で大きく旨味が増していることが確認できます。

「いやいや、もっと早く飲んでほしい」と生産者が思うものは澱引きすればいいと思いますし、「数本買って時間差で飲んでね」的なワインは「澱も味のうち」なのですね。

お一人で飲むときはそのままでもよし、大人数で分けるときは軽いデキャンタをすればいいでしょう。

もし、機会があればやってみてください。

ちなみに「澱との接触」は3~4年位までが目安かな?と思います。


さて今日11日はカウンター2席とテーブル一卓の空き。

お待ちしています。

     樋口誠