ワインの温度管理はソムリエとして重要な仕事です。
ソムリエでなく愛好家でも気にしなければいけません。
仮にワインセラーで「丁度いい温度」に設定していても、グラスやデキャンタに入れることで温度上昇は起こりますし、時間経過でも上がっていきます。
その点を考慮していたとして、道具による温度変化の「差」は意外に気にしていない人も多いようです。
例えば小さな細めのグラスでは温度上昇は少なく、中でも底の部分が円錐状のものはより小さな変化。
大きなグラスで太めのものは外気接触部分が大きくなるわけですから上昇しやすく、底が平らなものは更に加速度的に上がります。
デキャンタも同様。
細長いのは上がりにくく、「ウルトラデキャンタ」と呼ばれるような「カーリングのストーン」のような形状のものは早く上昇するのです。
「温度が上がりやすいから最初の温度を低めで」とすると、最初が冷たすぎることもありますので、若干の工夫は必要です。
ヨーロッパのような低湿度のところでは大丈夫かもしれませんが、今夏の日本の様に室内温度も湿度も高い時期は特にそうです。
それ以外の要因ですと、エアコンの近くや大人数が店内にいるときも上がりやすいですですね。
先日「ウニコ」の投稿で「オーナーのアルヴァレスさんと食事した」と書きましたが、その時のソムリエもデキャンタしたものを氷の入ったワインクーラーで調整していました。
ちなみに冬はエアコンの風が当たるところでは「室内は寒いのに温度が上がった」となります。
「めんどいなあ」と言わずに(高価なワインの場合は)スポーツ感覚で温度調整に励んでください。
(ピッタリ〇〇度でなければならないという事ではありません)
あ、これは一本を大人数で開ける場合は関係ありませんね。
さて今日9日は土曜日。
忙しくなればいいのですが、まだまだ空いています。
お待ちしています。
樋口誠