聞かされたことは、
驚いてしまう出来事だった。
ああ、あの子は、
幸せに縁遠い子なのかな?
立ち直って欲しい…
あああ、元気で長生きしなくちゃ
こういう時に居てやれるように…
とんと親に連絡をしなくなった長男、大人になったんだなあ・・・・・・
彼は研究者の道を歩もうとしている。
私にはちんぷんかんぷんな世界だが、自分に足りないところを補うのを厭わない気質のある彼は、
「おもしろいんだよ」 と自分のやっていることを、理解力の衰えた親にきらきらとした目をして話す。
話される内容はあんまりわからないけれど、あのきらきら光る目があるならいいのじゃないかと思っている。
この年末、娘二人からはこちらに戻ると連絡があった。
何しろ旅費が高くなる時期のこと。決めたらさっさと手配しないとえらいことになる。
で、長男はどうするのかと思ったら、ひとり東京に残るそうだ。
帰ってくればいいのにと言ったら、
なんでも論文を年明けまでに仕上げなければならないそうで、その論文を次の受け入れ先の先生に見てもらうという手続きなんだそうだ。
親からすれば、学生の分際の子どもだましの論文だろうと想像しているが、
このところその世界の学会で、長男がかかわっている研究を発表するというチャンスをいただいているようだ。
サッカーの指導者になりたい、どうしてもあそこに入りたいと一浪して進学した今の大学。
合格がうれしくてうれしくて、でもやっぱり力が足りなくて、3年生になって望んだ場所に回ることが出来ず、
今の専門、今のゼミに進んだ。
そこには力が足りなくてそこに来たのではなく、学年で最優秀学生賞を取りその場所を選んだ同級生達と一緒になった。
必修でも単位を落としてしまうような抜けさくな長男に比べると、打てば響くような同級生の活躍は、上には上がいるもんだと、
同じ年頃の子を持つ親としてうらやましい半分で、話を聞いていた。
一緒に修士課程に進んだ何人かは教授の期待も大きく、当然長男と同様に研究者の道を選ぶものと思っていた。
わからないものだ…学部生から数えると4年。 来春まだ先に進むと宣言したのは、その中では出来の悪かった長男ひとりになってしまった。
ここで進路を就職に選んだ女の子の話は、また別に語りたい。 それはとても考えさせられたから・・・。
研究者 とは、雲をつかむような仕事のようだ。
自分が手をかけている研究が、役に立つものになるかどうかはわからないのだ。
人生をかけて研究しても、なんの成果も出ないかもしれない。
それでも、今見えていることに手を付けないと無駄かどうかも判断できないのだ。
誰かがとことんかかわってどういうものかがわかってくる ということらしい。
長男のやっていることは、あの 「二番ではだめですか?」 と言われたコンピューターが大きな役割を担っている。
莫大な費用が掛かっている・・・らしい。 そのコンピューターにかけても1日、1週間と時間のかかる計算をやらせているから、
これを人がやるとなると月や年の時間がいるそうだ。
途方もない話だ。
と、ここら辺までくると、おわかりだろう・・・どうやら、この息子、経済的に恵まれるということとは無縁の業界に足を踏み入れたようだ。
親がかり…でなくなるのは、いつのことなんだろう?????
ふううううう 元気で、 長生きして、がんばろうっと !!
雪の積もる道を歩いて行ったところは、末っ子の学校。
「進路講演会」なるものが開かれるということで、「一応」「念のため」もしくは「とりあえず」行ってみた。
1年生だけではなく上級生の親御さんたちと合同のため、当然だが内容はセンター試験が近づいている3年生向けというものだった。
私自身はこれが4回目となり、どうなったって子どもの道は続いていると確信を手に入れている身には、少々滑稽に見える説明もあったが、
そうはいっても情報を手に入れる姿勢は学校に示すべきとしっかり担任に存在をアピールしてきた。
いやあ、それはいいのだが、
寒かった!
道立高校の暖房設備をどうにかしてほしいなあ~~。
広い体育館にパイプ椅子が並べられていて、そこで聞いたのだが、
コートは脱げず、手をすり足をすりの状況で、質問なんかどうでもいい早く終わって暖かいところに行きたい!と思い続けていた。
なんでも体育館の左側の暖房が動かず、10時から始まる講演会に合わせ先生は7時に来てスイッチを入れたらしいのですが、
ついに体育館が温まることがなかったようです。
「自分で何とかしてくれ」システムだから、かっちりしなければいけないということをすっかり忘れて出かけてしまった!
もうこういう集まりは無いようだが、次に行くときはスキーウエア着てホッカイロにひざ掛け、おまけにホットコーヒー持っていくぞ!
ああ、それにしても寒かったなあ。
当たり前だが 「雪が降る」 と 「雪が積もる」 は違う。
当地の初雪はたいてい10月の末から、11月の初めごろ。
この雪は当然積もるようなことはない。
大体11月の間は、雨が降って気温が下がると雪になって少し気温が上がると融けてを繰り返し、
12月の初めのころに 「根雪」 になる。
それが、
まだ11月の半ばというのに、積もっているじゃあないか?
しっかり積もっているじゃあないか?
このまま 「根雪」 になるつもりなのだろうか?
まさか・・・・・でも、これ、融ける かなあああ?
落ち損ねていた銀杏が雪の上に絨毯を作っていた。
あわてて引っ張り出した冬靴の重さが、季節の到来を伝えてくれる。
それにしても、やっぱり冬靴はあったかいや!
とうとう札幌市内でも雪が降った。
マンションのありがたさで、我が家はまだ暖房を使っていない。
でも、そろそろ旦那が寒そうなそぶりを見せるので、器具のコンセントは入れてある。
灯油の値上がりがたまらない・・・。
どうやったって北海道の冬に暖房は必需品だから、使わないわけにはいかない…
でも、我慢できるだけ我慢したい。
だって、請求が夏場の3倍の金額に跳ね上がるんですもの!
あああああ、でもね、
雪が降った・・・そうも言ってられない季節が、とうとう手の届くところまでやってきたようだ。