「2時にゼミに行かないといけないから、早い飛行機で帰るわ」
という長男、学生の気軽さでまだチケットはとっていないらしい。
そして次女、昼過ぎの飛行機でいよいよ東京に向かう。
部屋の按排をしてやりたいので、私も同行する・・・親バカなので、ついでに彼女が世話になる大学を見て、
さらについでに親バカちゃんりんで入学式に行ってこようと考えている。
“子どもを社会にお返しする” そういう表現を、子離れに対してすることがある。
今朝、次女と末っ子が二段ベッドの上と下で寝ている様や長男の寝ぞうを見て、
その言い回しが頭に浮かんだ。
いやそれよりも“ピーターパン”のウエンディのように 「子ども部屋を卒業する」 そんな “時” がきたんだ。
親の手を借りずに歩きだす時 すごいなあ……よく、ここまで無事に育ってくれたなあ……
働き出すわけでもなく、何大げさなことを言うもんだが・・・。
「部屋一人で使えるんだよね?」と不思議そうな表情の末っ子が、早速本棚をいじっている。
「東京に行った時、俺一人でさ、使いたい放題で…でも、今思うと、あのころ気持ち荒れていたと思うよ」
とぽつりと長男が言った。
妹が次々と彼の元に集まることになり、気分が大分違ってきたようだ・・・そうか、きょうだいがいるってそういうもんなんだ。
長女も、次女も、兄がいるから、姉がいるから、と何の躊躇もなくその道を選べたのだろう。
部屋は狭くなるし、きっと喧嘩もするだろうけれど、長男も長女も、次女の決断の時に当然のように 「一緒に住む」 と反応した。
彼らにとっては当たり前のことだったようだ。
そんな話を聞くと、末っ子が笑って暮らせるようにと身ぶるいしてしまう。
さあ、旅立ちの朝だ。
約束してほしい 幸せになると、 それが、 私があなたたちに望む “願い” です。