次女が久しぶりに電話をしてきた。
ガールズトークを母親と楽しんで、バイトにえいやっと行くつもり・・と踏んだ。
案の定、バイト先の彼女曰くの“不思議ちゃん”の話がぼろぼろぼろぼろ出てきた。
終わってみれば大笑いのできる“珍事”なのだが、突然訪れるその出来事は対応に戸惑うことが多いようだ。
そして、昨今の大雪の様子に話が及んだ。
「おっかしいよ!東京のひと!!予報で大雪って出ているんだから、それなりの対策しないと!!」
「時間多めに取ったって、普通の靴はいて、手袋もしないでさあ!!」
「バスなんか雪の日には来ないんだから、歩くつもりで家でないと!」
とまあ、次から次にけたたましく雪慣れしていない東京人の様子を聞かせてくれた。
私もテレビで見ていて不思議だなあと思ったのは、
あれだけ積雪があるのにチェーンも使わず、ノーマルタイヤで車を出しているその肝っ玉だ。
あれでは雪国の人間でもハマった車を動かすことができない。無理だわ!
スコップも持ってないようだし、救出もできないでしょう??
九州での断水も、気象庁は水道管の凍結破裂の注意を呼び掛けていたという、
むき出しの水道管はあっという間に凍る。
水抜きして空気を通しておかないと破裂してしまう!
家の中を通っている水道管でさえ、暖房が切れ家が冷えてしまうと危ない。
ということで「私は大丈夫なんじゃない?」といったが、
うちの旦那様は先日の年末年始、長期留守にするということで
住み始めて一度も落としたことのないこの家の水を抜いてから、東京に向かった。
マンション全体が留守になって建物が冷えるということはまずありえないことなのだろうが、
前の古い家では、使うたびに水を落とさないといけなかった経験から万全を期した。
帰って水が出ないと、もうそれだけで嫌ンなっちゃうんだ、これが!!
自然を見くびっちゃいけない。
人間は自然の中で暮らすために、その知恵をふんだんに使って無事に過ごしている。
それが都会暮らしの長い人には通じなくなっているようだ。
娘の話もそこにいきついた。
「仕方がないのにさ!舌打ちするのさ!!」
「電車が止まったって、バスが動かなくなったって、ずぶぬれになったって、仕方がないじゃない?雪なんだから!」
「まるでディズニーランドみたいに並んでもさ!雪なんだからさあ」
「暖かくなれば全部解消するんだから、少し待てばいいのに、それができない!!」
「バカじゃないの?」
「東京も少し雪の期間があると、みんな正常になると思うわ」
春になれば、雪は、みいんな無くなります。
零度を超えれば、雪も氷りも無くなります。
こちらの人間は「零度を超えているから温かい」という言い方をします。
それに悪いことばかりじゃないです。
雪が積もれば、夜でも雪明りで仄明るいし、気温も穏やかになります。
街の汚れをみんな雪が吸い取ってくれ、春に水で流せばきれいになります。
何より犬と子どもは大喜び!
娘の大学の友人が、生まれて初めて雪だるまを作ったと自慢してみせてくれたそうだ。
そのあまりのみすぼらしさに、彼女はほめる言葉が見つからなかったらしいのだが、
楽しい経験ではないか!?うん、悪いことばかりではない!!
秒単位で猛スピードで予定をこなすことが一番の都会の人には、
怒りのやりどころがない自然の出来事は、ありえないことなんだろう・・・・・・?
舌打ちも大きくなり、回数も増えるのかもしれないが、
あああああ、憂鬱になるよなあ、そんなところって!!
こんなこともあるさ!と開き直る勇気も持ってほしい・・・それって結構かっこよいと思う。
となんだかんだと1時間以上もトークして娘はバイトに向かって行った。
固定電話の料金は親もちだから安心して長電話をしてくる。
実は、ちょっとムズムズと嬉しい時間だ。