図書館に行く日だった
駅から線路沿いの道は混んでいるので、いつも一本裏に回って向かう
大通りに入る手前で視界に白杖が入った
白杖を使う人がいる…と思ったときに、
私のわきを通り大通りに左折しようとしたタクシーがいた
視界の隅にあった白杖が、ゆっくりと止まりかけている車に向かっている
そう思った…そこから初めてその方向に顔を向けたら、
とんとその人が車にあたった アッと思った
後ろに下がったので大丈夫とほっとしたのもつかの間
車だと気が付いていないのかまた前に進んだ
結構びっくりしたから動くのが遅れた
それでも行かなくちゃと走り出したとき、
向こう側で工事をしていた男の人がコーンをまたごうとして
私の方を見ているのに気が付いた
本当はどうしたらよいのかわからないが、とっさに体を抱えるようにして
耳元で「車がいます こちらからわたります」と言って誘導した
「ここから歩道になります」と言ったら、
「もうここからは大丈夫です」と言われたので安心して手を離した
白杖を頼りに歩かれる人のご苦労を思った
そしてきっと周りに寄せる大きな信頼も思った
そういう世間でありたいと思う
そういう人でありたいと思う
車にあたるまえから目に入っていたのに止められなくて
申し訳ないと感じている
安心して歩けるように、次に白杖が目に入ったら気を付けたいと思っている