藤沢周平の時代小説が好きです
繰り返し、繰り返し読む作品がいくつかある
新聞記事で時代劇専門チャンネルで映像化された「橋ものがたり 約束」が
期間限定で映画館で上映されると知り、矢も楯もたまらず行くことにした
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/e2/1e0cf30701b9eeba6d4c9a2479fd97cb.jpg)
期待しないことにしている
藤沢周平作品の映像化では、期待しすぎてがっかりすることを繰り返している
「期待しないんだ」と、一緒に行くと言い張った旦那様にも繰り返し言っていた
一番感じたのは、テレビドラマとして作られたものを映画館で見る違和感
作り方が違うんだなあと、
家の中で、テレビでみたらなんとも感じないんだろうが、
映画館の暗い中、大きなスクリーンで鑑賞するには、演出も、美術も、
編集も、なんというか…ちょっと違うと感じたのです
脇役は結構いい役者さんが固めて藤沢作品の空気を醸し出してくれていたが、
主役の二人がいささか足りないというか、多いというか、
ただ、この「約束」という物語は、無垢な子ども時代からはじまり、
大人の世界の苦労を通り抜けて再会するという、成長物語だから、
若いころの透明な空気はなければならない
難しい配役だったろうし、役者二人にとっても難しい役だったろうと思う
藤沢作品は、そっと手をついた、その手から感情があふれることがある
そんな「情」が足りなかった
だが、終盤、お蝶がふすまの陰で泣き出し、母親のお民が手を合わせたとき、
思わず涙が出てきた
原作がすごいから、物語の力で持っていかれた
あれこれ抱いた不満も吹っ飛ばしてくれたようです
やっぱりいい…もう一度「橋ものがたり」読み直そうと思います