「悪人」★★★★オススメ
吉田修一著
420ページ、1.800円
書店へ行く楽しみのひとつは、
新刊の平積みをざっと眺めること。
分厚い新刊がこの今回の本、
手に取るとにやけてしまいそうになる、
好きな作家の新刊が
こんなにも厚いと
それだけで嬉しくなるからだ。
さて、読み終えてタイトルの「悪人」について考える。
世の中に確かに
ナチュラル・ボーン・キラーズみたいな
悪人も居るだろうけど、
殆どはその意味では善人というか、
悪人そのものっていう人は少ない。
そしてこの本では
追い詰められた揚げ句に
悪人となってしまう人間が描かれている。
この切ない感じはどうだ、
なんかやるせなく、どうしようもなく、
バカバカしく愚かだ。
読みながらも、心の中で
「ウワァー」と叫び出したくなる。
それ以外どうしようもないのだ。
この本を読んで
「共感した」とはなかなか言い難いだろう、
だって孤独な剥き出しの心が描かれて
ひとつ間違った方向へと疾走していくとき、
自分は果たして大丈夫かと考える、
大丈夫だよな、と思う。
でもここに描かれる美しい魂が
ほんの少しの偶然と狂気でとても残念な結果となるのは
何だか怖くて仕方ない。
誰かに必要とされたい、
誰かと何気なく笑っていたい、
週末を誰かと一緒に過ごす安心感。
何気ないものが、いくつもの危うい選択を
なんとか日常の範囲内で踏みとどまらせてくれているのだ
きっと。
「悪人」
心の中の「悪人」の種を意識しつつ
綱渡りしているのが現代の私たちなのかもしれない。
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吉田修一著
420ページ、1.800円
書店へ行く楽しみのひとつは、
新刊の平積みをざっと眺めること。
分厚い新刊がこの今回の本、
手に取るとにやけてしまいそうになる、
好きな作家の新刊が
こんなにも厚いと
それだけで嬉しくなるからだ。
さて、読み終えてタイトルの「悪人」について考える。
世の中に確かに
ナチュラル・ボーン・キラーズみたいな
悪人も居るだろうけど、
殆どはその意味では善人というか、
悪人そのものっていう人は少ない。
そしてこの本では
追い詰められた揚げ句に
悪人となってしまう人間が描かれている。
この切ない感じはどうだ、
なんかやるせなく、どうしようもなく、
バカバカしく愚かだ。
読みながらも、心の中で
「ウワァー」と叫び出したくなる。
それ以外どうしようもないのだ。
この本を読んで
「共感した」とはなかなか言い難いだろう、
だって孤独な剥き出しの心が描かれて
ひとつ間違った方向へと疾走していくとき、
自分は果たして大丈夫かと考える、
大丈夫だよな、と思う。
でもここに描かれる美しい魂が
ほんの少しの偶然と狂気でとても残念な結果となるのは
何だか怖くて仕方ない。
誰かに必要とされたい、
誰かと何気なく笑っていたい、
週末を誰かと一緒に過ごす安心感。
何気ないものが、いくつもの危うい選択を
なんとか日常の範囲内で踏みとどまらせてくれているのだ
きっと。
「悪人」
心の中の「悪人」の種を意識しつつ
綱渡りしているのが現代の私たちなのかもしれない。
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