soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「元職員」ここには何も無い

2008-12-02 21:19:14 | 読書の時間
「元職員」★★★
吉田修一著



男はバンコクまでファーストクラスで来て
5ツ星ホテルに滞在している、
ここまで読んで
「春、バーニーズで」の様な
意味のないコジャレタ小説なのかと
危ぶむ。

もう少し読み進む。

読みながら思う、
バンコクの「今」を文章で伝えるのは
難しい、何故なら
10年前から変化のない部分を持ちながら
見た目は劇的に変化しているからだ。

こちらもバンコク渡航20回以上、
安易な描写じゃ、納得できない。


だから、今、見たまま、
感じたままを書き記しても、
次の瞬間にはしっくりしない
違和感が残るのかもしれない。

偶然の出会いと
短い休暇のちょっとした出来事、
次第に分かる主人公の背負っているもの。

その気持ちは分かるような気もするし
人はこんな風に何かの深みに
はまっていくのかもしれないなとも。

だけど、納得できないのだ、
これでは、全く。
だから何なんだ、という
「やっちまったなー」的な脱力感、
ここには何も無いのだと。

この表面的で奥行が感じられず、
わずかにザラットした感じさえない。

吉田修一の新作が出ると知り
ネットで予約して、本が届くのを楽しみにして
待っていた。
その楽しみな時間だけだったかな、
次も楽しみにしてるから
次はよろしく。

★100点満点で55点

soramove
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評価は厳しいけどこれは期待の裏返し、
最近好きな作家がいないので、頑張ってもらいたい。

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