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書籍「喪失 /モー・ヘイダー著」ミステリーファンの幸福な時間

2013-10-14 19:09:32 | インポート
書籍「喪失 /モー・ヘイダー著」★★★★
モー・ヘイダー著 ,
早川書房 、2012/12/7
(494ページ , 2.520円)





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「当初は単純な窃盗と思われたカージャック事件。
だが強奪された車の後部座席に乗っていたはずの
少女はいっこうに発見されない。
捜査の指揮を執るキャフェリー警部の
胸中に不安の雲が湧きだしたとき、
今回とよく似た手口の事件が
過去にも発生していたことが判明した。
犯人の狙いは車ではなく、少女だったのか!
MWA賞最優秀長篇賞の栄冠を射止めた力作 」

文藝春秋HPより抜粋


買い物帰りの駐車場で
車が奪われるが
その車には後部座席に少女が乗っていて
当初、犯人はそのことを知らずに
車を奪ったものと思われ
少女はすぐに返されるだろうと思われたが
なかなか帰って来ない・・・、
そして第二の事件が発生、
またも少女が乗っていた車が奪われた。


冒頭から映画を見ている様な
ミスリードと主人公達の心情が
うまく配されて読み進んでいく

誰もが何かしらの「喪失」を抱えている、
大袈裟じゃなく
自分も含めて誰もが。


それでも目の前の仕事をこなして、
しばし自分の事は忘れるが、
それらは切り離されず
折りに触れて
過去が現在と密接につながっている事を
誰もが痛感するのだ。



キャフェリー警部シリーズの5作目、
前作を読んでいないが全く問題ない、
重要な彼女の過去が
しっかりこの作品でも語られるからだ、
そして彼女以外の登場人物も
何かを抱えながら
同じ場所に集まり
一つの事件に向き合うのだ。


ミステリーとしても秀逸だ、
最後まで子供たちは助かるのか、
そして犯人は・・・、
読んでいて気が気じゃない
ページをめくるのももどかしい。


こういう瞬間が楽しみで
ミステリーを読み続けるわけで
ただなかなか面白い作品には出会えない
早く結末が知りたいのに
残り少ないページが惜しい気持ち。

サブストーリーには
女性潜水隊巡査部長フリー・マーリーの
彼女なりの事件への関わりも描かれ
何か物悲しい
人間の行動の基になるのは
やはりその人の過去が投影されている、
それが悲しく映るのは何故だろうか?


それこそが最大のミステリー。
面白かった!

★100点満点で80点

soramove
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