銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

松美湯(横浜・吉野町)

2017-05-20 18:12:43 | 銭湯
横浜市営地下鉄吉野町を下車して南に歩き住宅街に入ると、松美湯はある。ここは横浜市南区で、東に関内。南に根岸がある立地だ。




▲定休日の金曜日は、陶芸教室も開いているらしい


▲かつてコーヒー店も開いていた痕跡


松美湯にたどり着いて中に入ろうとすると、なにやら女性の声が聞こえてくる。なんだろうと思っていると、年配らしき女性が小型犬を連れて犬に話しかけている声だった。
ここの銭湯の関係者なのか客だったのか分からないが、銭湯の中から犬を連れて出てくるはビックリ。犬を入れても大丈夫なのか?! 


下足箱にサンダルを入れて中に入ると、最初に目につくのが陶芸作品の数々。陶芸教室を開いているだけあって、作品がたくさんある。
しかし、全体的にみるとなんだかごちゃごちゃしてる印象だ。
照明は暗く、空気までセピア色に染まってる感じである。


ここはフロント式で、フロントには50代後半ぐらいの男性が座っていた。テレビのニュースを食い入ってみてて、ほとんどこちらに顔を向けない。
お金を支払い脱衣場に入ると、それなりの広さがある。しかしフロント前同様に、なんともいえない暗さを感じる。やはり銭湯は、接客も照明も明るくなくちゃ!と思った。


ロッカーは、壁際にあって、壊れたぶら下がり器、マッサージチェア、ベットタイプのマッサージ機などがある。それとやたらと鍵のついてないロッカーが散見されたのだが、壊れたままなのだろうか?


浴室は、残念なことに非常に汚い。経営者の姿勢を問われる状況だ。
ただ、銭湯の配置はおもしろい作りで、入ると真ん中に浴槽がある。縦長の丸い形。それと浴室奥には薬湯。薬湯は、42℃ぐらいで、真ん中の白湯は結構熱い。温度計は49℃だったが、さすがにそこまでは熱くなかった。たぶん46℃前後だろう。


カランは男女の仕切壁にあって、端っこにハンドシャワーがある。このハンドシャワーがまた全然お湯が出ない。
そんな感じで、とにかくおしなべてガッカリ感が強い銭湯だった。


それから浴室を出ると、体を乾かすために脱衣場の横にある扇風機を回したのだが、これはスゴい!
老朽化した扇風機ながら風力はめちゃくちゃ強力。
すごく古い代物なのだが(なにせブランドがNational)、これは他の銭湯にもほしい! 髪があっという間に乾く。夏ならばドライヤーいらずだ。


しかし、ほかは突っ込みどころ満載の銭湯であった。
実際に客数は少なく、先客は二人だけ。ほかにすれ違うこともなかった。


現在、横浜ではないが東京の銭湯は年間40件ほどの銭湯が潰れているという。
日にちに換算すると、10日に1件の割合だ。
ここ14年間では4割もの銭湯が消えたという。
そこには諸事情があるのだろうが、一方で物価統制冷という競争が働かないためか、他の業界と比べて残念な対応や仕事ぶりを感じることも少なくない。


ちゃんと顔や目を合わせる接客や、きちんと掃除すること、不必要なものは捨てるなど、最低限のサービスにつとめるだけでもお客さんを呼び戻すことはできるのではないかと思う。
人のことをとやかく言える立場ではないが、銭湯が好きなだけに余計、こういう銭湯と遭遇すると残念に感じてしまった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス 
最寄り駅 市営地下鉄吉野町
経路 そのまま住宅街の中へ
周辺の環境 住宅街
●空間演出
建物外観 地味な建物 
壁画・眺望 小さなタイルで作られたモザイク画。西洋の山岳田園風景
置物 陶器
★設備
休憩所 コーヒーも出してくれるらしいが…
脱衣所 それなりの広さがある
シャワーの出 非常に弱い
浴槽の種類 白湯、薬湯
サウナ なし
温度 46℃、薬湯は43℃ぐらいか?
棚 なし
男女入れ替え なし
■サービス
接客 よくない
清潔さ 悪い
貸しタオル あり(30円)
備え付け なし
◆人
受付 50代ぐらいの男性
客層 高齢者


【案内】
住所
〒232-0042 横浜市南区堀ノ内町2-140-1
電話
045-742-1126
営業時間
16:00〜22:30
定休日
毎週金曜日
※神奈川公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ転載

平安湯(横浜・鶴見市場)

2017-05-20 09:46:02 | 銭湯 温泉
今回訪れたのは、東京都蒲田や神奈川県川崎市に隣接する横浜市鶴見区の平安町。少し歩けば海が見える土地柄だ。
京急鶴見市場駅から海側の方面に向かって歩き、駅伝で有名なゴム通りを横切ると、どういうわけか自由の女神がみえてくる。
その通りから住宅街の中に入ってしばらく歩けば、平安湯があらわれる。ここらへんはちょっとクセのある道路である。


▼写真だと分かりづらいかもしれないが、かなり大きな自由の女神。街のシンボル的存在だ。しかし、ここはいわゆるラブホテル



白いタイル張りの建物で、奥側には和風の屋根と煙突がみえる。入り口はすっきりした感じで、清潔感がある。


▼奥の建物が和風


▼手前が現代風



下足箱に靴を入れて扉を開けると(自動扉とあるが手動でないと開かない)、休憩所と受付のフロントが目の前に飛び込んでくる。
フロントは、普通のおばちゃんという感じの人だったが、とても愛想のいい女性だった。
自分が入店したときは、常連客らしい男性と楽しそうに話をしていた。


左側にある男湯ののれんをくぐると、脱衣場もゴチャゴチャしたものがなくすっきりしており、こういう空間は素晴らしい。
人はけっこう入っていて、人気のほどが伺える。


浴室の扉を開けると、さっそく足下のタイルが黒ずんでいる。
入って手前右側のところが冷鉱泉(源泉の水風呂)で、濃厚な黒い源泉を使っているために、人の動きにあわせて成分が床に付着してしまったのだろう。


サウナは左奥手前にある。カランは、左右の壁際と、島カランが二つ。浴室は広く感じる。


奥にある浴槽は、三つで、右側が深浴槽の温泉。真ん中が主浴槽となるのか、一番大きい白湯。
バイブラに、電気風呂。電気風呂は、良心的にもスイッチを押さないと稼働しない。今まで電気風呂と知らずに足を入れてどれほど痛い思いをしてきたことか。
左側は温泉と同じ大きさで二人ほどが入れるジェットバス。


黒湯の温泉は温度計が44℃とあって、だいたいそれぐらいなのだが、白湯の方はおそらく41℃ぐらいだろう。長湯ができる温度だ。


温泉のほうは冷鉱泉(水風呂)と異なって、なぜか薄い黒(循環式か?)。緑と表現したほうがより近いかもしれない。
思い出すのが浅草にある蛇骨湯で、色合いがまったく同じだ。臭いは、蛇骨湯のほうが強かった気がする。


しかし、こうした住宅街のど真ん中で、温泉のある銭湯に出会えるとは思ってもみなかった。
関東はどこを掘っても温泉(冷鉱泉)が出るとは言われているが、こうした住宅街密集地では掘るのに相当苦労があったのではないか。


建物は全体的に少し古い感じはするが、きちんと手入れがされていて綺麗な印象である。屋根も高く、開放感がある。
ここ最近の銭湯では、もっとも満足度の高い銭湯だった。


【評価チェック箇所】
・アクセス(道程) 少し遠い
・周辺の環境 住宅街
・混雑ぶり けっこう混んでる
・清潔さ きれい
・接客 愛想がよい
・客層 中年が多いか
・脱衣所 ふつう
・休憩所 フロント前にある
・シャワーの出 ふつう
・男女入れ替え なし
・備え付け なし
・貸しタオル あり
・サウナ あり
・温度 少し熱め
・壁画・眺望 壁画はなし


【案内】
住所
〒230-0031 横浜市鶴見区平安町1-70
電話
045-502-4126
営業時間
15:00〜23:00
定休日
不定休
※神奈川公衆浴場業生活衛生同業組合HP転載