銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

泉湯(横浜・本牧)

2017-05-24 12:36:04 | 銭湯
JR桜木町駅から市営バスに乗って山下公園をそのまま海沿いに南下すると、本牧という場所にたどり着く。この本牧にある本郷町というバス停で降りて10分ほど歩くと、住宅街に泉湯がみつかる。
(交番の右を曲がると泉湯がみえてくる)
(昔ながらの素朴な外見の銭湯。しかし中は違っていた)

扉を開けて中に入ると、下足箱があるのだがスペースが小さく靴が脱ぎにくい。靴を仕舞ってそこからさらに扉を開けると、番台と脱衣場がある。それと、ここの番台は珍しく真ん中に位置する。このような番台は初めてみた。

しかしガッカリさせられたのが、脱衣場の汚さ。物が散乱しており、プライベートの家ならいいかもしれないが、商売をしていてこんなんでいいのか!と言いたいぐらいのめちゃくちゃぶり。

お金を支払い、服を脱いで浴室に入ると、先客は一人だけ。その人はカランで懸命に体を洗っていたので、その間は一人でゆったりと湯船につからせてもらった。

浴室の配置は、手前がカランで奥が浴槽なのはよくある配置だが、ここの銭湯の特徴は、やたらと手すりがついていることである。
カランにはすべて一つひとつついてるし、島カランも右側は手すりのみ。もちろん浴槽にもこれでもかというぐらいついている。
そのためか、なんだか養護施設の風呂場に来たような錯覚さえおぼえる。

そのうち先客が浴槽に入ってきたのだが、入ってまもなくすると突然立ち上がり、床の上で腕立て伏せをはじめた。かなり長く続いたあとに、今度はにわかに立ち上がって、カランの前でスクワットを開始。
見た目は70を越えたお爺さんだが、こんな元気な客がいて、わざわざ手すりを付ける必要があるのだろうか?

浴槽は、3つに分かれていて、右がバイブラっぽい感じ。上手く説明できないが、中途半端にバイブラとジェットバスが混じっているような感じだ。
真ん中が、深浴槽の白湯。左が、座湯ジェットバス。浴室はリフォームしたのかだいぶ綺麗だった。

【評価チェック箇所】
・アクセス(道程) バス停からはそこそこの近さ
・周辺の環境 住宅街
・混雑ぶり すいている
・清潔さ 浴室はとても綺麗
・接客 あまり愛想はよくない
・客層 高齢者ばかり
・脱衣所 散乱してる
・休憩所 脱衣場と兼用
・シャワーの出 ふつう
・男女入れ替え なし
・備え付け なし
・貸しタオル あり
・サウナ なし
・温度 ちょっと高いぐらい
・壁画・眺望 富士山。それと、入り口の大正時代に作られたステンドガラスが見所らしい

【案内】
住所
〒231-0865 横浜市中区北方町1-37
電話
045-622-0586
営業時間
14:00〜22:00
定休日
6日・16日・26日(日曜日の場合は翌日)
※神奈川公衆浴場業生活衛生同業組合HP転載

改正湯(東京・蒲田)

2017-05-24 07:12:09 | 銭湯 温泉
JR蒲田駅の西口に降りて、人ごみにあふれる駅前を通ると、今回は改正湯を目指した。



▲蒲田駅西口


▲商店街側


右はす向かいの道をたどると、東京工科大学がみえてくる。かなり高い建物。
日本工学院専門学校と連なり、この付近のランドマークともいえる。





その学校の脇道をたどると、東京の下町らしい住宅街の中へ。



▲一気に景色が変わるのも東京ならではという感じがする



▲ぼやけた写真になってしまったが、こちらが改正湯の正面


▲上を見上げたところ。マンションというよりテナントビルか


ここは最近リニューアルオープンしたお店らしく、入り口からして真新しい作りになっている。
こういうお店は古い銭湯のような趣はないが、新しいお店ならではのワクワク感がある。


中に入ると受付はフロント式で、昨今のリニューアルしたお店に共通する自販機はなかった
。受付に座るのは、金髪に染めた若い女性。年齢的に専門学校生か大学生あたりだろう。
貸しタオルはなく、しぶしぶ100円で購入。フロントの前が休憩室になっている。


男湯ののれんをくぐると、脱衣場はそんなに広くはないが、天井はだいぶ高い。凝った装飾も施されている。
左側がロッカーで、右側にマッサージチェアや扇風機などがある。
奥に洗面台と大きな鏡。その隣が浴室の入り口になっている。
自分が来たときは、ちょうどチビっ子たちが着替えている最中だったので、ずいぶんと賑やかだった。


浴室に入ると、ほかの銭湯と比べてやや広めの作り。左右の壁際にカランがあり、真ん中にも島カランが二つ。右手前の端っこには、立ちシャワーがあるのだが、なんと4つもある。その一番すみっこは、染髪用である。髪染め禁止の銭湯が多い中で、かなり珍しいのではないか。


しかしこの立ちシャワーがなかなかの曲者で、最初は扱いに苦労した。
ハンドルをひねると、お湯や水が出るのだが、そのままだと下に向いた蛇口から出るだけ。シャワーのヘッドからは出てこない。
真ん中に引っ張り上げることができる丸い金具があるのだが、これかな?と思うと、それを引っ張っただけではすぐに落ちてしまう。
そうこうするうちに、お湯を出すハンドルを回してから金具を持ち上げて回すと上で固定される仕組みであることが分かった。しかし解説は一切なく、みんな最初は戸惑ったのではないかと思う。


それとヘッドは大きいのに水圧は弱く、温度が一定しない。これでリニューアルした設備なのかと思うと、ちょっと納得がいかない感じがした。
この不満はカランも同じで、シャワーはスーパー銭湯のようにボタンを押すタイプなのだが、すぐに止まってしまう。節水対策には良いかもしれないが、ほかの銭湯とおなじ感覚で使うとストレスの感じるカランだ。
みんなどうしてるのかと思うと、隣の人は足でボタンを押しながらシャワーを流し続けて髪を洗っていた。はた目から見ると、決してお行儀のよい姿ではない。


そうしたストレスとトレードオフするかのように、文句なく素晴らしいのが浴槽だ。
特に蒲田と言えば黒湯が有名だが、例に漏れず改正湯も黒湯。しかもここは黒湯に加えて、黒湯+炭酸泉と、浴室には金魚や鯉の泳ぐ水槽まである。
この組み合わせを堪能できるのは、日本でもここぐらいではないか。


浴槽は大まかな形を言うと緩やかな扇状の形をしていて、その中でさらに白湯と黒湯に分かれる。
タイルの色が水色のところが白湯で、全体の4割ほど。黄色が黒湯で、全体の6割ほど。
そこから白湯はシルク湯とジェットバスに分かれている。シルク湯は小さな四角形で、ジェットバス(全身マッサージ)はその周りを取り囲むようにL字になっている。


その隣は黒湯で、黒湯でも三種類ある。黒湯の炭酸泉と普通の黒湯、黒湯の水風呂だ。
黒湯の炭酸泉は、白い泡がそこかしこに浮いていたので、ぱっと見汚い感じがしたが、足を入れたら温度がぬるくて、あれ?と思うと、炭酸泉であることに気づいてびっくり。


その隣が黒湯で42℃ほど。さらに一番右端で小さな浴槽になるが、水風呂の黒湯。温度はマイルドでほとんど温度調節されてないのかもしれない。
この水風呂が源泉(冷鉱泉)だと思われる。


さらに、その湯船全体の上に無数の金魚や鯉の泳ぐ水槽がある。
温度は炭酸泉と水風呂をのぞくと42℃。まずまずの温度だろう。
水槽で泳ぐ金魚を間近で見ていると、口をパクパクさせる姿などけっこう可愛いなと思えて、見入ってしまう。そんな感じでいつの間にか長湯をしてしまい、42℃とはいえのぼせてしまった。


客層は、若い人がかなり目立つ。年配者もいるが、ここでは圧倒的なマジョリティーではない。
やはり都心でリニューアルしたとあって、傾向として若者が多い。昨今は銭湯といえば高齢者ばかりの印象があるが、施設を新しくしたり、あるいは新しい試みをすれば、若者を引き寄せることができる。
このことを改正湯は証明してくれてるのではないかと思う。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 JR蒲田
経路 東京工科大学近く
周辺の環境 住宅街や飲食店
●空間演出
建物外観 マンション銭湯
壁画・眺望 タイル絵の富士山
置物 水槽
照明 明るい
統一感 ある
★設備
休憩所 フロント前
脱衣所 綺麗で天井が高い
シャワーの出 悪い
浴槽 種類が豊富で黒湯に炭酸泉
温度 42℃
棚 あり
サウナ なし
男女入れ替え なし
■サービス
接客 ふつう
清潔さ 綺麗
貸しタオル なし(100円購入)
備え付け なし
◆人
受付 若い女性
客層 年齢層はバランスがよい


【案内】
住所
大田区西蒲田5-10-5
電話番号
03-3731-7078
定休日
金曜日
営業時間
15:00~24:30
交通機関
JR線 蒲田駅 より徒歩 8分
※太田浴場連合会ホームページ転載