社会科学上の不満

政治・経済上の不満のハケ口(左翼出入り禁止)
外交と防衛、歴史と現状についての不満のハケ口。(観念論の方は出入り禁止)

小の虫を生かして大の虫を殺す

2007-06-05 10:54:43 | マスコミ批判
 昨日は0時までにPCの前に座れなかったので、本日分は昨日分を含め2本のblogを作成します。
 
 「談合」が取り上げられてから長い年月が経過します。今から4半世紀前の経済学の試験が「談合」でした。しかし、自分が談合する場面に接すると、本当に自由入札が良いのかという疑問を感じました。私が携わってきたのはコンピュータを中心としたシステムの入札です。ここに自由入札にそぐわない大きな現実があります。入札は、役所で行われます。民間の場合は「コンペ」と言う形が多く、提案内容と見積もり金額とで業者を選定します。しかし、役所は建前上入札の仕様書を自分たちが作成するため、見積もり金額のみの自由入札となります。しかし、役所でシステムの入札の仕様書を書くことができる方はほとんどいません。現実には業者がその仕事の内容を調査・分析し、仕様書の下書きを行います。そして、入札となるわけです。自由入札の名目で資金力のある業者が参入してくると、驚くべき低価格で落札されます。しかし、この仕様書に記載された内容以外のイレギラー処理や別処理(イレギラーとは比較にならないほどの比率)があります。全部仕様書に記入することは不可能ですし、タダでそこまでする業者はありません。
 低価格で落札した業者は、実際に仕様書どおりには仕事を進めるとそのシステムを運用できないことになります。この状況がコンピュータシステムの場合ほとんどです。銀行が合併でシステム変更した場合に発生したトラブルと似たようなケースです。
 ではなぜ表ざたにならないのでしょうか。一つは役所の隠蔽体質が上げられます。しかし、多くの役所は、システム部を抱え、彼らが修正を行っているのです。この修正にかかる人件費は二重投資みたいなことになっています。業務内容を調査・分析した業者が落札した場合、よほどのことがなければこのような二重投資は必要ありません。役所の現場にしてみれば、現場のことをよく理解している業者に落札してもらわなければ、明日からの業務に支障をきたすこととなるわけです。
 そのため、ホストコンピュータ(サーバーシステム)の交換は、現在契約している業者になってもらいたいわけです。しかし、マスコミは無責任自由入札を高らかに叫びます。このような「連度」を無視した発想ですから、目の前の小さな金額に気をとられ本来の目的を損なう結果となるのです。
 本当に自由入札を謳うのであれば民間のようなコンペ方式とすべきです。まさに「小の虫を生かそうとし、大の虫も小の虫も殺してしまった」と言う結果が、驚くほど多数あります。お抱えのシステム要員で修正を行うなど、具の骨頂です。しかもシステム修正が終了するのは導入後2~3年ほど経過してからです。その間、非効率な(旧システムが使用できれば良いのですがそうでない場合も多い)手作業で業務をこなしている場合も多々あります。
 介護保険の仕組みがいい例です。介護保険が始まる当時、久米宏氏のニュースステーションで、「業者からお茶いっぱいご馳走なっていけない」と盛んに報道していました。その結果現場を知らない官僚が机上だけで介護保険の仕組みを組んだため、大手は保険料金の安いが需要の一番多い「家事介護」から撤退してしまいました。この金額では経費が捻出できないためです。おのずと零細企業が「家事介護」を中心に業務展開をしていますが、本年の値下げにより多くの介護業者が無くなって(廃業・倒産)きています。私の知人の会社では、社長の給料は彼が昔やっていた、生命・損害保険入会の手数料だそうです。本業では給料が出せなくなったそうです。
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亡命は北の崩壊の始まりか

2007-06-05 00:15:07 | 外交と防衛
 青森県に漂流した北朝鮮の亡命者は、北の崩壊の始まりかと疑念を抱く方が多いと思います。私もその一人です。韓国への亡命が少数ではなく数百万人単位で公然と行われた場合、韓国はどのような反応を示すのでしょうか。北朝鮮がキューバのように亡命を公然と認めた場合韓国はどのようなシナリオがあるのでしょうか。これは可能性は低いにしろ考えておくべき事です。
 今回の亡命で北朝鮮の国民が日本経由(日本海経由)で亡命を図ることが増加すると予想できます。また亡命者が増加すればそれに工作員を紛れ込ませ破壊工作を行うのが、追い詰められて国家の常套手段です。これに対抗する手立てを考えておく必要があります。ムダにすめばこの上ないことです。
 亡命の新たなルートの話題は急激に広まります。これを押さえ込むことは北朝鮮といえども困難です。4000万人弱しかいない国家で1000万人が亡命した場合、国家の崩壊です。一旦始まればこれを止める手立てはありません。
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