東西圧縮回流記

仙台青春風の旅 ブーメランのように 

小さな勇気を 2.1 西穂から奥穂

2020-10-02 | バイク・山歩き
 昨年は上高地から岳沢、天狗沢から天狗のコルを経由して、畳岩の頭、ジャンダルム、馬の背を経て奥穂高岳(奥穂)まで行った。

 今年はコロナ禍の影響と極めて個人的な理由により外泊ができなかった。やっとコロナ禍の後に動き出すことが出来た。

そこで先日9月末に、新穂高温泉から西穂高岳(西穂)を経由して奥穂へ稜線の山旅を楽しむことができた。ただし、天狗のコルからジャンダルムと奥穂高岳は昨秋に行ったので、今年は西穂高岳から間ノ岳を経由して天狗の頭から天狗のコルまで行き、唯一のエスケープルートの天狗沢を下り、岳沢小屋に宿泊する計画を立てた。

 もうすぐ紅葉のシーズンだというのに、今年は例年の穂高の山小屋のような混雑は無く、定員の半分以下で、隣に布団がないのが新鮮な驚きだった。

 写真は西穂山荘付近から西穂高岳方面を望む夕方。



 
当日は早朝4時ごろから早立ちの準備をし、西穂山荘を5時に出発し、西穂高岳を目指した。









 登山者の多くは西穂独標か西穂までとして戻ってしまい、もの好き以外はここから先の奥穂へは行かない、という両端が切り立った断崖の難ルートと言われている。

 西穂の頂上には何人かの単独行者(ソロ)と一組の夫婦が休憩していた。中には元気なオジさんがいて「そこの岩は浮いているから、気いつけや!」と皆さんに盛んにアドバイスを送る。休憩の後、まず最初に30代の若手が西穂から奥穂に向けて出発した。オジさんは「いい写真を撮りや、気いつけや!」とエールを送る。続いて60代くらいのベテランソロが「慌てて行ってもろくなことはないからな。ボチボチ行こうかな」とつぶやきながら奥穂に向けて出発した。
 何分か後、ボクが遠慮がちに奥穂に向けて下り出すと「何やオニイさんも行くんかいな・・・気いつけや!」とエールを贈られた。この元気なオジさんのお年はボクより少し上か同じくらいだ。ボクは、この歳でオニイさんと呼ばれたよ、と複雑な心境ながらも少しにんまりしながら、西穂の頂上を後にした。 (続)

コメント
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