【個人的評価 ■■□□□□】(6段階評価 ■□□□□□:最悪、■■■■■■:最高)
全世界待望のチョウ・ユンファ主演最新作を早速観に行った。
今回、ユンファが演じるのはこの物語の主人公、シンガポールの海賊サオ・フェンである。
なのにタイトルが「パイレーツ・オブ・シンガポーリアン」でないのは何故だろう?変わったタイトルだ。
この映画の冒頭は、凄惨な海賊容疑者たちの処刑シーンで幕をあける。そこで一人の少年が、正義の海賊ユンファを呼ぶ歌を歌い始めると、100人くらいはいる海賊容疑者たちが大合唱するのだ。しかし歌詞を間違っている。ヨーホーヨーホーではなく、ユンファーユンファーが正しい。
さてタイトルに続き、舞台はさっさとシンガポールへ。ここで、「プライドと偏見」のオスカー候補にして、「ドミノ」でトニー・スコットと息のあったところもみせた注目の女優キーラ・ナイトレイが登場。ユンファ映画のヒロインに抜擢されるとは大物女優になったものだ。
ともかくキーラとオスカー俳優ジェフリー・ラッシュというユンファに負けず劣らずの格の二人が、海賊サオ・フェンを迎えにいくと、我らがユンファは威風堂々と登場。
まるで直前まで、関羽の象を前に「人間こそ神だ。運命を支配できる。」「しかし運命は思い通りならない」「出たとこ勝負さ」といった会話でも交わしていそうな雰囲気である。
エリザベス(キーラ)とバルボッサ(ラッシュ)を迎えて、「乾杯だ。俺の哀れな右足に」とは言わないし、久しぶりにあったバルボッサに「3年だ!3年も待ったんだ!」と巻き返しを唾はきながら訴えたりもしない。
ハリウッド進出以降得意とする、余裕の笑み、100万ドルの微笑(香港ドル)を浮かべた堂々とした態度である。
後ろ姿で登場するところは、もしかしたら後ろ姿の写真しか撮らせなかった賭神(ゴッドギャンブラー)コウさんへのオマージュかも知れない。
一方で畏れ多くも我らがユンファさまから大事な海図を盗み出そうとした、生意気な青二才(ウィル・ターナーという役名)をしばって水に漬けておくというサービスまでみせる。この青二才を演じているヘナチョコ俳優は、ハリウッドでは割と売れている奴らしい。できればこの青二才に「米は俺たちにとって親と同じなんだ」とか説教しながら床に落ちたチャーハンを食わせてやってほしいところだ。
さてそうこうしていると、ユンファたちの秘密アジトにイギリスかどこかの軍隊がなだれこんでくる。バカなやつらだ。ユンファさまがその程度の修羅場でビビるとでも思っているのか。
といっても往年のキレ味はどこへやら、動きの鈍いユンファさん。
香港時代なら「ファッキュー!!」とか言ってショットガンをぶっ放したりしただろうし、当然二丁拳銃もって階段を逆さ滑り降りしながら敵に全弾撃ち込んだり、手榴弾の爆発が思いのほか大きくてマジでびびって「ありゃ火薬の量を間違えてる。気をつけよう」とかいったところだろう。だが本作では特にそのような活躍も見せず、活躍はエリザベスやウィルたちに譲るのだった。ハリウッド進出以降、若い奴らの活躍をサポート(「グリーン・ディステニー」、「バレット・モンク」)したり、大物ハリウッド俳優を引き立てたり(『「アンナと王様」の屈辱』として有名)とそんな感じの役回りが多いので仕方ない。
せっかくのアクションシーンで見せ場らしい見せ場も特にないまま、ユンファは一旦、物語から引き下がる。
ここで物語は、もう一人の主役と言っても過言ではないキャプテン・ジャック・スパロウをめぐるエピソードにスイッチする。10数人のジャックが船掃除をするコミカルなシーンもあったが、あれがユンファだったらもっと面白くなったのにと歯痒い気分になる。しかしそれは別にいい。ジャックを演じてる俳優は、アメリカではけっこう大物らしいので彼にも見せ場をつくってやらねばならない。だが許せないのは、その後のシーンだ。
ジャック、ウィル、エリザベス、バルボッサらが4人で喋りながら2丁拳銃を突きつけあうシーンがある。
おいこら、世界で一番、二丁拳銃が似合い、至近距離突きつけあいが似合うユンファ様を差し置いて、お前らだけでやってんじゃねー!!
なんだそのユルさは!?そこはユンファ先生に御登場いただき、くどいが「米は俺たちにとって親と同じなんだ」とか言いながら床に落ちたチャーハンを白人どもに食わせてやってほしかったところだ。
なお、この辺のユンファが出ない長ーいシーンは途中で眠くなったりもしてよく覚えていないので、解説はこの辺でやめにする。
さてようやく、本編の主人公サオ・フェンが再登場。
海の最強女神みたいな存在らしいカリプソとかいうやつが、人間の女に封じ込められていると知ったサオ・フェン。かねてから、白人金髪で美人で若くてスタイルよくて独身だから個人的にお気に入りだったエリザベスこそ女神カリプソに違いないと勘違いしたサオ・フェンは、すったもんだの挙げ句エリザベスを手中におさめ性的に我が物にしようとする。
なんで我らがユンファが、アクションシーンも二丁拳銃突きつけ合いでも仲間ハズレにされた上、こんな勘違いエロ親父の役をしなければならないのか理解に苦しむが、反面、ユンファの男女LOVEを描いた映画がわりと少ない(「風の輝く朝に」「誰かがあなたを愛してる」「狼・男たちの挽歌最終章」など)ことを考えるとファン的には注目できるシチュエーションである。
そこで、香港で父親にしたい人第2位に選ばれたことがあり、香港では「亜洲影帝」、『アンナと王様』のポスターや予告編では「アジアの星」と紹介されたユンファ先生は、東洋人の模範としての礼義正しくダンディでジェントルな女の口説き方を我らに示してくれるに違いない・・・と思われた。
今回の彼の口説き文句はこうだ
ユンファ「できれば貴方の肉体をいただきたい。」などと言って強引にキスを奪う。
・・・なんだそれは・・・
往年のユンファ先生なら、キスしようとするがわなわなと震えながら思いとどまる・・・か又は、アイーとか言いながらニカっと笑ってチューを奪い「何よぉ」と女にぶっ叩かれながらも戯けながら退散していく・・・ハズだったのに。
「ハードボイルド 新・男たちの挽歌」で「女は男のさりげない優しさに気付かないものさ」と名言を吐いたユンファは見る影もない。
それに、エリザベスの態度も頭にくる。キスをしたユンファをはね除け、断固拒否する。
あのユンファに求められてんだぞ!だまって抱かれろ!!
そうこうしていると、演出的には下の下のびっくり箱演出で、何の前フリもなく突然二人のいる部屋に砲弾が命中炸裂し、ユンファ先生は吹っ飛ばされるのである。エリザベスが駆けつけるとサオ・フェンの体にはぶっとい木片が刺さっており、誰の目にも、もはや助からないであろうことは明白になっている。
死に方としてはあまりにあっけない。
やはりもっと熱い死に方をみせて欲しかった
例えば・・・
ウィルのため瀕死の重傷を負ったジャックとそれでもジャックのことを決して許そうとしないウィルを見て、ウィルの胸ぐらを掴み「見ろ!!ジャックはもう充分に償ったぞ!!なぜ認めない!なぜ認めないんだ!ジャックこそ・・・」と言ったところで背後から東インド会社の悪い奴にマシンガンで撃たれる
もしくは・・・
敵のタコ船長と一対一の超至近距離銃撃戦をし、お互い数発被弾し、ユンファの銃の弾が切れたのを見たタコ船長が自分の予備の銃をユンファに投げてよこし、お互いニヤっと笑い合ってから銃撃を再開して、ユンファは敵を仕留めるも、その傷がもとで死亡する
それくらいの壮絶な死に方を用意してくれなくちゃ!
とは言うものの、絶命シーンはやはりユンファ先生の独壇場。
目をぎらつかせ苦痛に耐えつつ、台詞を一語一語熱く吐き出しながら愛する女のために最期に何かを残そうとするのである。
チョウ・ユンファほど様々な映画で親友か恋人か家族のため命を投げ出してきた男はいない。
「風の輝く朝に」で片思いの女とその恋人のために
「男たちの挽歌」「男たちの挽歌2」では親友のため
「友は風の彼方に」でも友情のため
「過ぎゆく時の中で」では息子のため
「狼・男たちの挽歌最終章」では愛する女のため
最近でも「NYPD 15分署」「グリーン・ディステニー」などで、見事な死に様、いや生き様を見せつけまくったユンファ。
やはりお前は死ぬことでしか自分を表現できない不器用な男なのか・・・と、胸に迫るものがある迫真のクライマックス。ユンファは愛するエリザベスに海賊船長の座を譲り、息を引き取るのである。
こうして映画は主人公の死という、悲しいながらも感動のラストを迎えた。
しかし不思議なことに、その後エピローグが90分くらい続くのである。変わった構成である。
その後のエピローグやこれまでの意味不明な展開から察するに、どうもこの映画では死んだキャラクターがころころと生き返ってくるのが日常茶飯で起こっているらしい。
例の青二才俳優が演じるウィルなども敵に殺されながら、平気な顔で生き返ってくる。何やってんだ・・・死ぬなら死ぬで、自らが歌うバラードでもバックに流しながら死ねばいいのに。軟弱バカが
だったらユンファを生き返せ!!とも思うのだが、考えてみたらユンファならそんなめんどくさい設定なんかいらない。サオ・フェンの双子の弟がニューヨークで中華料理店を経営しているにきまっているからだ。いつ双子の弟がでてくるのだろうと期待しながら、90分くらいつづく長ーいエピローグを観賞したが、期待は見事に裏切られた。
長ーいエピローグのあとエンドクレジットとなり、その後、さらにその物語の10年後が描かれる。
エリザベスが子供をつれて海岸を訪れると、水平線上の朝日のあたりにぴかっと光って現れる帆船。
もしや、ユンファが還ってきたのか!!!と大期待させておいて、そこに現れたのは例のへなちょこ俳優が演じるウィル・ターナーであった。
ここは当然、朝日を浴びながら100万香港ドルの微笑を漂わせたサオ・フェンを出さなきゃ感動できないだろう!!わかってねーな
さてこの『パイレーツ』シリーズ、『挽歌』シリーズや『ゴッドギャンブラー』シリーズと比べたらうんこのようなシリーズに過ぎないが、久々のユンファのドル箱シリーズとなるだろうか?
サオ・フェンの双子の弟が大活躍する「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド2」を早く見たいものだ。
*****
なお上記の記事で意味不明なところがありましたら、以下の私の記事を読めば多少の参考になるかと思います。ただし「挽歌2」の結末まで異様に詳しく書いてありますので、あしからず。
男たちの挽歌2 映評 <第四章 ユンファ(ケン)編の前編>
男たちの挽歌2 映評 <第四章 ユンファ(ケン)編の後編>
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全世界待望のチョウ・ユンファ主演最新作を早速観に行った。
今回、ユンファが演じるのはこの物語の主人公、シンガポールの海賊サオ・フェンである。
なのにタイトルが「パイレーツ・オブ・シンガポーリアン」でないのは何故だろう?変わったタイトルだ。
この映画の冒頭は、凄惨な海賊容疑者たちの処刑シーンで幕をあける。そこで一人の少年が、正義の海賊ユンファを呼ぶ歌を歌い始めると、100人くらいはいる海賊容疑者たちが大合唱するのだ。しかし歌詞を間違っている。ヨーホーヨーホーではなく、ユンファーユンファーが正しい。
さてタイトルに続き、舞台はさっさとシンガポールへ。ここで、「プライドと偏見」のオスカー候補にして、「ドミノ」でトニー・スコットと息のあったところもみせた注目の女優キーラ・ナイトレイが登場。ユンファ映画のヒロインに抜擢されるとは大物女優になったものだ。
ともかくキーラとオスカー俳優ジェフリー・ラッシュというユンファに負けず劣らずの格の二人が、海賊サオ・フェンを迎えにいくと、我らがユンファは威風堂々と登場。
まるで直前まで、関羽の象を前に「人間こそ神だ。運命を支配できる。」「しかし運命は思い通りならない」「出たとこ勝負さ」といった会話でも交わしていそうな雰囲気である。
エリザベス(キーラ)とバルボッサ(ラッシュ)を迎えて、「乾杯だ。俺の哀れな右足に」とは言わないし、久しぶりにあったバルボッサに「3年だ!3年も待ったんだ!」と巻き返しを唾はきながら訴えたりもしない。
ハリウッド進出以降得意とする、余裕の笑み、100万ドルの微笑(香港ドル)を浮かべた堂々とした態度である。
後ろ姿で登場するところは、もしかしたら後ろ姿の写真しか撮らせなかった賭神(ゴッドギャンブラー)コウさんへのオマージュかも知れない。
一方で畏れ多くも我らがユンファさまから大事な海図を盗み出そうとした、生意気な青二才(ウィル・ターナーという役名)をしばって水に漬けておくというサービスまでみせる。この青二才を演じているヘナチョコ俳優は、ハリウッドでは割と売れている奴らしい。できればこの青二才に「米は俺たちにとって親と同じなんだ」とか説教しながら床に落ちたチャーハンを食わせてやってほしいところだ。
さてそうこうしていると、ユンファたちの秘密アジトにイギリスかどこかの軍隊がなだれこんでくる。バカなやつらだ。ユンファさまがその程度の修羅場でビビるとでも思っているのか。
といっても往年のキレ味はどこへやら、動きの鈍いユンファさん。
香港時代なら「ファッキュー!!」とか言ってショットガンをぶっ放したりしただろうし、当然二丁拳銃もって階段を逆さ滑り降りしながら敵に全弾撃ち込んだり、手榴弾の爆発が思いのほか大きくてマジでびびって「ありゃ火薬の量を間違えてる。気をつけよう」とかいったところだろう。だが本作では特にそのような活躍も見せず、活躍はエリザベスやウィルたちに譲るのだった。ハリウッド進出以降、若い奴らの活躍をサポート(「グリーン・ディステニー」、「バレット・モンク」)したり、大物ハリウッド俳優を引き立てたり(『「アンナと王様」の屈辱』として有名)とそんな感じの役回りが多いので仕方ない。
せっかくのアクションシーンで見せ場らしい見せ場も特にないまま、ユンファは一旦、物語から引き下がる。
ここで物語は、もう一人の主役と言っても過言ではないキャプテン・ジャック・スパロウをめぐるエピソードにスイッチする。10数人のジャックが船掃除をするコミカルなシーンもあったが、あれがユンファだったらもっと面白くなったのにと歯痒い気分になる。しかしそれは別にいい。ジャックを演じてる俳優は、アメリカではけっこう大物らしいので彼にも見せ場をつくってやらねばならない。だが許せないのは、その後のシーンだ。
ジャック、ウィル、エリザベス、バルボッサらが4人で喋りながら2丁拳銃を突きつけあうシーンがある。
おいこら、世界で一番、二丁拳銃が似合い、至近距離突きつけあいが似合うユンファ様を差し置いて、お前らだけでやってんじゃねー!!
なんだそのユルさは!?そこはユンファ先生に御登場いただき、くどいが「米は俺たちにとって親と同じなんだ」とか言いながら床に落ちたチャーハンを白人どもに食わせてやってほしかったところだ。
なお、この辺のユンファが出ない長ーいシーンは途中で眠くなったりもしてよく覚えていないので、解説はこの辺でやめにする。
さてようやく、本編の主人公サオ・フェンが再登場。
海の最強女神みたいな存在らしいカリプソとかいうやつが、人間の女に封じ込められていると知ったサオ・フェン。かねてから、白人金髪で美人で若くてスタイルよくて独身だから個人的にお気に入りだったエリザベスこそ女神カリプソに違いないと勘違いしたサオ・フェンは、すったもんだの挙げ句エリザベスを手中におさめ性的に我が物にしようとする。
なんで我らがユンファが、アクションシーンも二丁拳銃突きつけ合いでも仲間ハズレにされた上、こんな勘違いエロ親父の役をしなければならないのか理解に苦しむが、反面、ユンファの男女LOVEを描いた映画がわりと少ない(「風の輝く朝に」「誰かがあなたを愛してる」「狼・男たちの挽歌最終章」など)ことを考えるとファン的には注目できるシチュエーションである。
そこで、香港で父親にしたい人第2位に選ばれたことがあり、香港では「亜洲影帝」、『アンナと王様』のポスターや予告編では「アジアの星」と紹介されたユンファ先生は、東洋人の模範としての礼義正しくダンディでジェントルな女の口説き方を我らに示してくれるに違いない・・・と思われた。
今回の彼の口説き文句はこうだ
ユンファ「できれば貴方の肉体をいただきたい。」などと言って強引にキスを奪う。
・・・なんだそれは・・・
往年のユンファ先生なら、キスしようとするがわなわなと震えながら思いとどまる・・・か又は、アイーとか言いながらニカっと笑ってチューを奪い「何よぉ」と女にぶっ叩かれながらも戯けながら退散していく・・・ハズだったのに。
「ハードボイルド 新・男たちの挽歌」で「女は男のさりげない優しさに気付かないものさ」と名言を吐いたユンファは見る影もない。
それに、エリザベスの態度も頭にくる。キスをしたユンファをはね除け、断固拒否する。
あのユンファに求められてんだぞ!だまって抱かれろ!!
そうこうしていると、演出的には下の下のびっくり箱演出で、何の前フリもなく突然二人のいる部屋に砲弾が命中炸裂し、ユンファ先生は吹っ飛ばされるのである。エリザベスが駆けつけるとサオ・フェンの体にはぶっとい木片が刺さっており、誰の目にも、もはや助からないであろうことは明白になっている。
死に方としてはあまりにあっけない。
やはりもっと熱い死に方をみせて欲しかった
例えば・・・
ウィルのため瀕死の重傷を負ったジャックとそれでもジャックのことを決して許そうとしないウィルを見て、ウィルの胸ぐらを掴み「見ろ!!ジャックはもう充分に償ったぞ!!なぜ認めない!なぜ認めないんだ!ジャックこそ・・・」と言ったところで背後から東インド会社の悪い奴にマシンガンで撃たれる
もしくは・・・
敵のタコ船長と一対一の超至近距離銃撃戦をし、お互い数発被弾し、ユンファの銃の弾が切れたのを見たタコ船長が自分の予備の銃をユンファに投げてよこし、お互いニヤっと笑い合ってから銃撃を再開して、ユンファは敵を仕留めるも、その傷がもとで死亡する
それくらいの壮絶な死に方を用意してくれなくちゃ!
とは言うものの、絶命シーンはやはりユンファ先生の独壇場。
目をぎらつかせ苦痛に耐えつつ、台詞を一語一語熱く吐き出しながら愛する女のために最期に何かを残そうとするのである。
チョウ・ユンファほど様々な映画で親友か恋人か家族のため命を投げ出してきた男はいない。
「風の輝く朝に」で片思いの女とその恋人のために
「男たちの挽歌」「男たちの挽歌2」では親友のため
「友は風の彼方に」でも友情のため
「過ぎゆく時の中で」では息子のため
「狼・男たちの挽歌最終章」では愛する女のため
最近でも「NYPD 15分署」「グリーン・ディステニー」などで、見事な死に様、いや生き様を見せつけまくったユンファ。
やはりお前は死ぬことでしか自分を表現できない不器用な男なのか・・・と、胸に迫るものがある迫真のクライマックス。ユンファは愛するエリザベスに海賊船長の座を譲り、息を引き取るのである。
こうして映画は主人公の死という、悲しいながらも感動のラストを迎えた。
しかし不思議なことに、その後エピローグが90分くらい続くのである。変わった構成である。
その後のエピローグやこれまでの意味不明な展開から察するに、どうもこの映画では死んだキャラクターがころころと生き返ってくるのが日常茶飯で起こっているらしい。
例の青二才俳優が演じるウィルなども敵に殺されながら、平気な顔で生き返ってくる。何やってんだ・・・死ぬなら死ぬで、自らが歌うバラードでもバックに流しながら死ねばいいのに。軟弱バカが
だったらユンファを生き返せ!!とも思うのだが、考えてみたらユンファならそんなめんどくさい設定なんかいらない。サオ・フェンの双子の弟がニューヨークで中華料理店を経営しているにきまっているからだ。いつ双子の弟がでてくるのだろうと期待しながら、90分くらいつづく長ーいエピローグを観賞したが、期待は見事に裏切られた。
長ーいエピローグのあとエンドクレジットとなり、その後、さらにその物語の10年後が描かれる。
エリザベスが子供をつれて海岸を訪れると、水平線上の朝日のあたりにぴかっと光って現れる帆船。
もしや、ユンファが還ってきたのか!!!と大期待させておいて、そこに現れたのは例のへなちょこ俳優が演じるウィル・ターナーであった。
ここは当然、朝日を浴びながら100万香港ドルの微笑を漂わせたサオ・フェンを出さなきゃ感動できないだろう!!わかってねーな
さてこの『パイレーツ』シリーズ、『挽歌』シリーズや『ゴッドギャンブラー』シリーズと比べたらうんこのようなシリーズに過ぎないが、久々のユンファのドル箱シリーズとなるだろうか?
サオ・フェンの双子の弟が大活躍する「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド2」を早く見たいものだ。
*****
なお上記の記事で意味不明なところがありましたら、以下の私の記事を読めば多少の参考になるかと思います。ただし「挽歌2」の結末まで異様に詳しく書いてありますので、あしからず。
男たちの挽歌2 映評 <第四章 ユンファ(ケン)編の前編>
男たちの挽歌2 映評 <第四章 ユンファ(ケン)編の後編>
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このような粋なレビューを書けるように精進していきたいものです。
だって、マダム・チンのほうが強烈だったんですも~ん。
流石にユンファが出てきたときには、「おっぉぉ!」の存在感を感じたのですが、そっか、コレはサオ・フェンの物語だったのか・・・。気付かなかった。
感動の視点、ありがとうございました。
「アモーレス・ペロス」が秀逸だと思います。是非。
彼が主人公になった感想はおそらくここだけでしょう(笑)。私がファースト・ガンダムの主人公は、シャアだと言い続けていたら、信じてくれた人もいたので、いつかは主役だと思って貰える日が来るかもしれません(笑)。
ところで、TBを2回送ってもそちらに反映されませんでした。また、時間を空けてやってみます。
反映は後からだったのですね。
本編のことよりユンファの過去の栄光のことばっか書いちゃいましたけどね。そっち考える方が面白いし・・・
>kossyさま
マダム・チンもインパクトあったのですが、クライマックスで傍観決め込み、勝った方につこうという日和見主義を露見した、顔だけのコケオドシでした・・・
ユンファだったらクライマックスの戦い、他の海賊みたいに傍観せず、たった一人でも友を助けにいっただろうに・・・
>sakuraiさま
そうです。サオ・フェンの物語です。
なのにエンドクレジットの名前の順番を担当の人がうっかりミスしたみたいですね。
正しい順序は
Chow Yun-fat
Pirates of the Caribbean At World's End
Johnny Depp
・・・
ですね。
>海音さま
今作でもユンファ登場シーンに「ユンファが来る!」とかかけてくれたら、誰も彼が主役であることを疑わなかったのですが・・・
♪一人で死ぬ~か~よ~奴も奴もよぶ~
狙いさだ~め~る~ユンファがターゲット~
ユンファ!ユンファ!ユンファ!
なおユンファに恨みを持つ香港黒社会からの防衛のためTBを承認制にしておりました。ご迷惑おかけしました。
これにこりずまたTBいただけますと有り難いです。
チョウ・ユンファを主演にしてみると、こういった見方ができるのかと、レビューとても面白かったです♪
本当にユンファ様を差し置いて、あの2丁拳銃のシーンはユルかったですね~。。^^; 私も同感です!
せっかくチョウ・ユンファが出演しているのに、彼の超絶アクション・シーンが見られなかったのは本当に残念でした。。
ところで、今気づいたのですが、Stud!o Yunfatのユンファはチョウ・ユンファからきてるのかしら?
しんさんはユンファの大ファンだったんですね♪(^^)
はいStud!o Yunfatはユンファ先生より勝手にいただきました。
二丁拳銃のシーンはなぜあそこにユンファを乱入させなかったのか、良識を疑います。
もっとも最近のユンファは二丁拳銃は重くてさぁ・・・とかさびしい発言をしていたりしますが
ジョン・ウーの「赤壁」降板とか、さびしいニュースばかりのユンファ先生です