世間では目下、「新札発行」の話題で持ち切りだ。新札発行と聞いて、想うイメージは「時代の節目」。
そして……われらアラ還男子が、人生を振り返って覚える「時代の節目」の一番は、ズバリ1989年。和暦で「昭和64年」とも「平成元年」とも称する"アノ1年"でなかったろうか❔
のちに「バブル経済の絶頂期だった」と結論されることになる、栄華とマボロシの「夢の1年」。あれほど目に見えてクッキリ浮き立った1年間は、それから平成&令和の世を経てすら一度たりとも訪れたことが無かった。
平成に本格突入するやバブルは崩壊し、苦難の「失われた30年」が幕明ける。平成は「戦争なき時代」だったが、一方で『オウム真理教事件』に代表される残忍で無差別な人災や『東日本大震災』に代表される容赦のない天災に揺れて、揺れて、揺れまくった。とてもぢゃないが「平成の世」なんて言えない時代だった。バブル景気の崩壊や"小泉劇場"を目撃してきた昭和人なら、誰もが抱く感慨だろう。
そして、それに連なる『令和のコロナ災禍』、毎年のようにタテ続く自然災害‥‥。年金制度やマイナンバー制度の空回りと、(国家に対する)信頼の失墜。
ぶっちゃけ、ニッポン市民の大半は、こう感じる。巨大バブル経済がハジけて以来、ずうう~っと時代は「アレからイイこと無いなァ💧」、と。 結局のところ、アレ以降は名だたる大企業さまと、そこで働く"勝ち組"正社員らのみが羽振りヨロしく栄え、潤(うるお)いまくっただけだった。
高度成長期やバブル期のように、国民全体=誰もが「景気よかったよなっ♪」「バンバン儲かったよなあ❕🎵」と口をそろえてた時代が……カンペキ途絶え、死に絶えてしまったのだ。これ以上の『国民が抱える不幸=国難』は他にあるまい。そりゃあ出生率も、先行きの暗さを(敏感に)感じ取って大暴落するに決まってる。
ならナンで、当時を生きたシニア世代は"このCM"の聖地を訪れたがらない❔のか。
最後の終電が出て、駅構内をロックアウトした未明の深夜に、エキストラの"利用客"を大勢歩かせて撮った……という制作の苦労話を(のちのち)伝え聞かされた。
放映当時10歳以上だった、今45歳以上のシニア世代なら知らぬ者はいないだろう。何せ当時は まだネット社会もスマホも存在せず、地上波TVに映るコンテンツこそが新鮮なトレンド情報のすべて。生き生きと息づいて魅惑のオーラ放ち、バラ色に輝いて見えてた❕…のだから。
さらに時代を遡(さかのぼ)り、70年代の人気CMには日産自動車がロングラン放映した『ケンとメリーのスカイライン』が。このCMシリーズのロケ地からは『ケンとメリーの木』なる観光名所が生まれ、2024年の今なお、70歳前後の旅行好きにとっちゃ「死ぬまでに訪れとくべき"青春の巡礼"スポット」になってる。
当然、ホントならこのクリスマスCMのロケ地=JR名古屋駅の新幹線コンコースもまた、国内観光の「知る人ぞ知る人気スポット」に数えられてなきゃイケないハズだ。
…なのに。
実は実は、この牧瀬里穂演じる少女が(暮れに上京先から帰ってきた)カレシを"ワクワク💗ドキドキ🎵待ち伏せる"、駅舎コンコースの「まさに❕その1本に限定される」柱の周りが、CM視聴世代の旅行客らでゴッタ返したことは……過去に一度もない❕❕❔
なぜ? 余りに不思議すぎたので、ロケ地を調べることにした。
当ブログ主はJR名古屋駅まで(公共交通機関でもクルマでも)約20分という至近距離に住んでる。名古屋駅自体が名古屋エリアの北西のハズレに位置してるのと、中京地区は首都圏や関西圏と違い、住宅事情がコスパ良く"都心"から半径20キロ圏でも財布に無理なく住めてるせいだ。
なのであるが本記事では、閲覧者の大半が名古屋エリア以外の各地に散らばる読者諸氏である点を考慮。あえて、リアル名古屋駅の”探訪”レポは決行せず、北海道民だろうと海外居住者だろと、どこの誰でもスマホさえあればバーチャルに疑似散策できるGoogleマップ(Googleストリートヴュー)上にて調査を敢行してみた。
まずはCM映像から、"牧瀬里穂の柱"の座標情報を拾う!
当時のCM録画をリファインさせた前出動画を何度も何度も観返すと、当時の駅舎1F西側 =『太閤通口』新幹線コンコースは令和初期までの名古屋駅ビルから、現在の名古屋を象徴する超高層ビル『JRセントラルタワーズ』へと大増築させるトランスフォーム事業を受け、ずいぶんと見違えった構内スペースに生まれ変わってる。
いちばんパッと見に"見違えってる"ところは改札口周り。
かつての改札員ボックス列より10メートルほど「下車客から見て前方へ=コンコース広場の側へ」新たな自動改札機の列が(ズラされて)並び替えられた。その"張り出した"新ラインに合わせて「現在の改札口ゲート」が造られ直し、実に広大な空間だったコンコースも若干、狭くなった。そうでもしないと、名古屋で降りた利用客の列で出口改札機の前が詰まり、流れるように客を吐き出せなかったことへの緩和が図られたのだ。
…だが。
この歴史的な景観のトランスフォームを経ても、改築事業の前後で「変えずに継承されたモノ」がある。それは、床。…以前からフロア全面に敷き詰められてた四辺=数メートル大の石板タイルは、その過程で剥がされず、床面は張り替えられなかった。ただしCM撮影時に改札口前に敷かれてた『丸〇に菱形◇』のタイル紋様が1列分だけ、改札ゲートの拡張により剥がされて無くなっている。
一方、視覚障碍者用に敷設されてた黄色の点字ブロック。こっちは大改修で1枚も剥がされることなく、令和の今も35年前のバブル全盛期……あの頃のまま※ 残されてる。※もちろん、ブロック板自体の老朽化を補うための張り替えは経てるが、1枚1枚の位置は寸分たりとも変えられてない。
そしてこの事実こそが、本記事の捜索においては「奇跡」にも等しい最大の❕ 手がかりとなってくれたのだ。なぜってたまたまの偶然だろうけど、件(くだん)の名CMには、画面タテ方向のブロック列(=Y軸)と、同ヨコ方向のブロック列(=X軸)が映り込んでたから。
まさに、徹底的な決め手ぢゃないか❔❔
この二本の "直角に交差してた"軸さえ今も現存してるなら、35年前の牧瀬里穂が背にして隠れたアノ❕ 柱の位置が「令和の新幹線コンコースの どこなのか❔」、正確に知ることができる。まず、Y軸=前後に並んでた点字ブロック。
そして、X軸=左右方向の点字ブロック。
以上の二点から、CMに映ってた「アノ❕柱」の位置を割り出すと……あまりにも意外な結末が待ってた❕❔❔
ナンと、"牧瀬里穂の柱"は模造ギミック。実際の名古屋駅には存在してなかった。
Googleストリートビュー。リアルな現地に出向かなくても「目的地までの経路や目印、目的地の建物(出入口/窓/階)や周囲の状況」までも仔細に確認できてしまうため、今では特殊詐欺や強盗の下見に使う「悪用」も珍しくない。迷惑千万な時代になったものだが、これがJR駅などの公共空間となるとストリートビューもますます拡充される一方なんだな。
JR名古屋駅の構内とて例外じゃなく、駅前広場~中央コンコース~併設の商業モールから連絡する地下道、果ては各番線の列車ホームにまで「網の目のように"バーチャル歩き"できる」レベルを実現してる…❕ 下掲の地図中、赤い✕を付けたビュー地点が 昔の=CMに映ってた『新幹線 南改札口』。現在の『新幹線のりば(南口)』ゲート前である。
さっそく、「その地点に立つ」。バーチャルに辺りを「見まわし」床に設置された 例の二本の点字ブロック線を確認。
すると、だ。 ナナ、何と❕❔ かのCMの中で立ってたと判明した(正確な)地点に……柱なんて立ってない。
今さら知ったが、あの"牧瀬里穂の柱"は演出のために模造されたハリボテ細工。撮影のときだけ床面に置かれた大道具セットだったんである💧
そうか。だから❕か。
だからあんなに話題の的になった人気CMなのに、その撮影スポットが観光名所にならなかった。JR名古屋駅の新幹線コンコースに出向いたところで、牧瀬里穂が隠れた柱など無いから。
かくて、過去一度も"観光地"化してない理由は突きとめられた。だが拍子ヌケ💧と言うか、中京に暮らしてきたシニア市民としちゃ(その真相が)切なく、虚(むな)しい限りだ。往年のCM名場面の舞台が、名古屋には実在しないイリュージョンだったのだから。
結論に代え、JR東海に言いたい。"牧瀬里穂の柱"を今秋以降、臨時でいいから再設置してくれ!!!
逆に言や、そうだろう❔ 思い残すはホント、それだけだ。
今年2024年は、CM放映から満35周年の節目。高さ2メートル半ほどのダミーの角柱を特注するくらい、たいした出費にならんと思う。それだけのコストで、JR名古屋駅の集客力と言うか起爆力、ネットも介して相当に増幅できると思う。ましてや、あそこがチョイ混雑したところで新幹線の乗降客に混乱が生じる(?)とは思えんし。
つか、要はだね。今年 置かなかったら、ターゲット層(=CMシーンに惹かれてる世代)を名古屋に呼び込むタイミングを永遠に失う。次の、40周年待ちじゃ遅い。どう考えたって 今でしょ❕❕❕ ぜひ、真剣かつ早急に企画し、実現させてほしい。
=了=
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