ご覧の写真のように、欧米や北海道の広~い農地じゃ晩秋ともなれば"干し藁や干し草を巻いた(?)モノ“が 転がってる。
ちなみに、日本の田んぼの刈り取り後にも、昔は稲木と称して(稲穂が付いたまま逆さに)干し集める風景が全国どこでも見られた。温暖化で天災リスクの高まる今は穀物乾燥機が一般的となり、その風物は滅びつつある。また脱穀後に残る干し藁についても(また同じ場所の土に)鋤き込まれて、堆肥にするしか使い道がなくなってるそうだ。
なぜってフツーに家でニワトリやヤギを買う農家も激減して“敷きわら“のニーズないし、わらを練り込んだ「土壁の家」もめっきり過去の工法になったし。今は正月の“わら飾り”もコスト上、ほとんど中国で作られちまう御時世だし。昭和中期まで教育現場で大量に消費されていた“わら半紙”も、普通紙コピー機の普及で(同半紙よりはるかに上質な)リサイクルペーパーに取って代わられ…まあ絶滅したに等しいし。
しかし、欧米や北海道など、麦作農家と同じくらい牧畜農家も多い地域では、干し藁は家畜の床材として買ってもらえる。なのでご当地の麦農家は、干された藁を「ぐるぐる巻き固めて」(出荷時に備え)野に転がしとくのである。同様に牧畜農家自身も(生育の早い)夏場の牧草地で「刈り草のぐるぐる巻き」をこさえておき、冬場の餌用に(雨露除けのカバーはかけるものの)“天日“保管する。
これら「ぐるぐる巻き」の正式名称って🌾あるのだろうか。
日本だけに限って言うと、この形状からロールケーキを思い浮かべるのが大半らしく、「干し草ロール、牧草ロール」とか言うらしい。画像のように野ざらしの麦わら巻きは「麦稈(ばっかん)ロール」。片や英語圏では、藁か干し草かを問わず「ヘイ・ベイル(Hay Bale)」が一般名詞のようだ。Hayは(藁を含む)干し草全般、Baleは俵(たわら)の意である。
日本で米俵というと「藁の編み袋」のみを「俵」といい、その俵に米穀を詰めて「米俵」などと言う。しかし「ヘイ・ベイル」は「藁そのものが俵」であり出荷対象、「俵は出荷用の袋ではなく、中身の方」になるのだな。紛らわしい話だ💧
で、この「わらだわら」を丸めるのが、「ラウンド・ベイラー」と称される先進の農機。これも意味に準じれば「ヘイ・ラウンダー(=干し草を丸め固める者)」のが合ってるような気がするがw どうも「bale」には「俵にする、俵型に丸め固める」という動詞形が併存する❔ようだ。
この「ラウンド・ベイラー」、見ての通りトラクターに牽引させて使う。構造的には「紙パック式掃除機」と「普通紙プリント機」を足して2で割ったような。紙送り機構ならぬ「わら送り機構」がコンパクトにして複雑なので、毎回稼働させた後は内部の掃除が欠かせない。
ついでに言うと日本では「ベイルじゃなくロール」と呼ばれるのだから、農機は「ラウンド・ローラー」とでも呼ばれそうに思う。ところがところが、正解は妙ちくりんな和製英語「ロールべーラー」…だっつう。
そいじゃ無理やり(逆輸入的に)訳すと「ロールを俵状に丸める機械」❔❔となっちまって💧 もはやナンのことやらさっぱり分からん“謎”名称と化してるじゃねーかっwww
=了=
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