あ～の～な～あぁぁぁぁ！

　今日は予定のないお休みだ。まあ、予定がある日というのも、父の通院だったりキヨちゃんの買い物だったりなのだから、予定のない休みこそ私の休みだ。
　とはいえ、朝父の朝食があるので朝寝は出来ない。いつものように粥とみそ汁と牛乳を持っていった。今朝は熱も下がって気分が良さそうだった。食欲に期待が出来る。
　ところが持っていくと
　「父ちゃん、お粥嫌じゃ。パンが食べたい。」
と言った。
　「そう。ほんならちょっとだけ待ってな、用意するけん。」
そうは言ったものの、若干不安が横切る。確かに急にそう言い出す事もあるので、菓子パンを買ってはいたが、うちにはキヨちゃんがいるのだ。念のためにキヨちゃんに聞いてみる。
　「え～。父ちゃんゆうべ（夜中）いらんって言うたけん、母ちゃん食べた。」
案の定そういう答えが戻ってきた。
　「急いで買うてくるけん、待っとって。」
そう言い残し、髪もろくに梳かさずコンビニへ車を走らせた。
　こんな田舎でもちょっと走るとコンビニがあって助かる。とりあえず食べられそうなパンをチョイスして、急いで戻った。
　ところが、急いで部屋に行くと父はみそ汁半分と牛乳、そしてお粥を完食していたのだ。
　「へえぇ・・・？粥食べれたん？」
　「だって母ちゃんが食えとうるさいけん。」
結果オーライだ。食べてくれて嬉しいのだ。しかし、しかしである。何で私は走ったのだ？何でわずか数分を待てないのだ？
　「母ちゃん、うち買いに行くって言うたでえ！」
そう怒るとキヨちゃんは、こう開き直った。
　「あ～あ～。父ちゃんのせいで母ちゃんは怒られてばっかりじゃ。」
あ、あ、あの～あ～の～なあ！あなたのせいだと私は思うのだけど。
　どっぷりと疲れた私はそれからキヨちゃんと墓参りに行った。戻りは畑にキヨちゃんを残して急いで戻る。平熱ではあったが、だめ押しの点滴を予約する。
　それからかぼちゃと山芋をふかして羊羹を作った。父用のおやつである。お天気がいいので掃除して、トイレグッズやポータブルトイレ、尿器を消毒して天日干しした。拭き掃除・・・に到る前に、少し元気の出た父が歩き始めたので、しばし休憩。羊羹を一口食べる。結局それから見舞客や何やで拭き掃除はあきらめた。
　そのまま、９６歳になる父の姉に羊羹を差し入れる。喜んで食べているばあちゃんの爪が伸びていて、土いじりをしたらしい汚れが爪の中にあった。き、気になる・・・。結局我慢できずに爪切りして、手指浴した。
　昼食はそうめんを一口と牛乳。そして叔母が差し入れてくれたクリのお団子をひとつ食べた。ほどなく往診の医師が来て点滴開始。今私が点滴を抜き終えた。
　さて、これから拭き掃除をするか・・・。しかし、キヨちゃんにもキヨっさんにもやられるわ！特にキヨちゃんには・・・。

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