このところ訃報記事の連続で心が痛む。
小山三さんが94歳で逝かれた。中村屋四代を支えられ、歌舞伎の生き字引をまた失ってしまった。
生前に『小山三芝ひとり語り』を著された。それによると十七代勘三郎が選んだそうだが”小山三十種”というのがあるという。
わたしには忘れがたい舞台が二つある。
『文七元結』の角海老のお抱え花魁と宇野信夫の『巷談宵宮雨』の大詰めに出る酔っぱらいの芸者は絶品である。
出てきただけで舞台に古風な芝居の味が溢れていた。江戸の日陰に生きる女の人生をさりげなく感じさせてくれた。
小山三のような役者は、これから出ないであろう。
一つの時代がおわった感じをひとしお感じられる今日この頃である。
画像は楽屋で、児太郎さんと戯れているところ。小山三さんの手 をごらんください。”女形魂”がこんな時でも~。
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