Dream Gate ( 中野 浚次のブログ )   

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芸術の秋です!! 細川 護熙展 ―陶と書― 見てきました

2011-10-08 | 人物

       2011・9月23日~11月3日   香雪美術館(阪急御影下車すぐ)

 

 

夜来の雨もあがり小晴日和の一日。
神戸・御影にある香雪美術館で催されている『細川護熙―陶と書―』展を見に行ってきました。

細川護熙(ほそかわ・もりひろ)さんといえば、ご存知のはず。60歳で政界から退いた元首相。
母方の祖父母が昭和の初めに神奈川県・湯河原の別荘を、還暦からの住家に定めて小さな畑をひらいたのが1998年。
しばらくして、ろくろ場や窯場はおろか茶室までしつらえた。
自らが理想とする『晴耕雨読』の暮らしのなかから生まれた焼き物、書などおよそ80点が展示されてました。

たとえば細川さんの筆による『明日は御座なく候』がある。
この蓮如の“ことば”が、細川さんの座右の銘だとか。
「気持ちの赴くまま、焼き物をつくったり、筆をもったり、畑仕事をしたり、『明日これをしよう』ではなくて、できるだけその日のことだけを考えてますね」
一日一日を大切に心がけることこそ大事だという、信念が“書"から見てとれる。

ところで湯河原のご自宅を「不東庵」と名づけ、窯を築いてもう10余年。
「不東庵」は、中国・唐の玄奬が「もう、東には戻らない」と固い決意で西のインドに向かった、という故事にちなんだものらしい。

わたしもぜひ見習うべきだ。「もう、東(←東京)へは行かない」と。(笑)

きくところによると、細川さんの一日は5時起床。庭の掃除ではじまる。
食事は二食だけ。「腹六分目」を心がけている。
たいてい夜9時には床につく。夜の外出は厳禁だそうだ。

"晴耕雨読”だの”悠々自適”な暮らし向きは、われわれ凡人には理想郷にひとしい。
むしろ四字熟語ではないが、"貧乏ヒマなし”のほうがピタリと符号が合致する。
毎日、毎日なんだかんだと世俗的なことに追いまくられてるのが「現実」なんです。

 


          
「赤楽茶碗」(=2003年)


「絵唐渓茶碗」(=2006)


今回出展されているものから、わたしのお気に入りの2点です。

ほかに漆絵『さくらんぼ』にも注目しました。1個だけが描かれた「さくらんぼ」がとても愛らしく、そして温かさがありました。
額装のデザインも自ら手がけたという。
「つくりたいものがどんどん増えてくるんです」
油彩画も2年ほど前から試みはじめたそうだ。

土や書といった無垢な素朴との対話を通じて、細川さんの心が宿った静かな世界に浸った一日であった。 

 


香雪美術館は広大な敷地のなかにある。
元は朝日新聞を創刊した村山龍平氏の邸宅だった。

邸内には「玄庵」と「香雪」の茶室が2席ある。
茶室棟の玄関(←編笠門=画像)は、まるでどこかの山寺にたどりついたような錯覚さえおぼえます。
緋毛氈の野外席(←画像)で、野鳥のさえずりをききながら薄茶を楽しめる。

 

 薄茶 和菓子で一席 650円 

 

編笠門 

   

   


その日、「HARBS」で昼食したあと、阪急御影駅へ。
閑静な住宅街を通りぬけて、御影石の塀がめぐらされた国指定登録文化財の「香雪美術館」へは徒歩で5~6分。
美術館の前はクスの木が鬱蒼と茂った弓絃羽神社がある。このあたりは散策してみるのもイチオシのところだと思います。

阪急・御影には有名なケーキ店「高杉」の本店、洒落たレストラン「セセシオン」など、グルメ探訪にも素敵なエリアです。

「細川護熙展」は11月3日(祝日)まで。  興味のある方はぜひ!!

 

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