おっちーの鉛筆カミカミ

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『僕の、メキシコでの再生』(後編)

2006年05月17日 02時26分13秒 | メキシコ日記
 次に、Cerro Huachipaの公演について書こう。
 公演名、”Naufragos(ナウフラゴス)”、日本語に訳すと、「漂流者達」というこの芝居、出演した僕が言うのもなんだが、とても良く出来ている。
 日本の一流企業に勤めるビジネスマンと、ペルー人の船員……二人の乗る船が、沈没する。そして、二人は小さな無人島に辿り着く。それから、二人の、この島を巡る容赦ないバトルが始まる……。
 話はこの二人の、生き残り・島の占有権バトルのやりとりに終始するが、その過程が、言葉の問題や、異国間の争いの問題を連想させ、面白い。いや、もっと単純な、エンターテイメントの視点から見るだけでも、面白い。
そして、ラストは……、いつかこの芝居に巡り会うかもしれない皆さんのために、秘密にしておく。
 僕はそんな芝居で、意外と重要な位置を占める(……と、自分では思っている……)木の役を演じた。
 木の役は、茶色い木のマスクを被っているものの、常に客に対して正面を向いている為、お客の反応が分かり易い。
 今回の公演の会場が、全3回中2回、中学校や、病院内の小学校で、子供相手だったせいもあると思うが、お客の反応は、とても良かった。
 そしてその反応は、会場によって全く違う。これも面白い所だった。
 今日ものすごくウケて、子供たちが終わってから真似をして、「流行」ってしまったような場面も、別の会場ではあまり反応なく、逆に、前回、全く反応のなかった所で歓声があがる。
 ここで、お客の反応を当たり前の様に書いているが、これは、メキシコで行ったからこその反応である。日本でやったら、ここまでは反応は良くないと思われる。
 他の国のことは良く知らないが、ラテンアメリカという場所は、本当に路上演劇の舞台をやるのに適している場所だな、と思った。
 観客の反応がじかに返ってくる。ノリが良い。お客のコントロール方さえ身に付けてしまえば、こんなにパフォーマンスして気持ちの良い地域はないだろう。
 それは、子供相手だけでなく、大人が相手の場合でも、である。
 “Naufragos”のメキシコでの初回は、大人も子供も色んな人が集まる広場で(前述の“マラソン”形式。写真はその時のもの)やったのだが、ちょっとの事で笑ってくれる。凄く集中して、入り込んで見てくれる。日本だと、通りすがりに、「あぁ?何かやってんのか?」くらいで目をやる程度なのが、メキシコ人だと、魅入ってくれる。もちろん、通り過ぎてしまう人もいるのかも知れないが、そういう人はあまり目立たない。楽しむ事に日本人より積極的・主体的だなあ、と思った。……そう、好奇心が旺盛なんですよ、きっと。

 メキシコ出発の1、2週間前、僕は、本当に自分がメキシコに行っていいのか?と悩んでいた。助成金もおりている、本格的な国際交流の場。そんな場に、半病人の僕が行っていいものか、と。
 本当はもっと有意義な旅にしてくれる、相応しい人がいるのではないか……自分で立候補しておきながら、そんな思いが常に頭の片隅にあった。
 しかし、とにかく、僕は行ってみた。それで、道が開けた。何とかなった! 日本人以外の友達もできた。有意義な旅になった。
 「成せば成る」、「結果は後からついてくる」……まさにそんな二週間だった。


以上、久々の更新……すみません。忙しくって。
前編だけ投稿して後編はいつだって感じですよね。すみません。

さ~て次回から何書こう?
その前に次の投稿はいつになることやら……(^_^;;